第八話 生配信、ワイプ、人形劇、そしてテロップ
与謝野孤児院を後にした三人は、道すがら洞窟内で休憩する。
道中で目につく範囲の
何故なら、その男は宮本武蔵だからである。
『ふっくら
『ふっくら
天気が崩れてきたので雨宿りがてら洞窟内で動画を視聴する三人。
物が少なく殺風景な
これまた
加えてもう一つ
それが、解説動画の
『ねえ
『
『『今回紹介するのは、荒野の
このような光景や、解説動画を
『やった、
『油断したらダメなのぜ
黒髪の生首剣士と金髪の生首盗賊の
白衣を
やがて再生していた動画が終了したかと思えば、ヒメが勢いよく立ち上がった。
「そろそろ出るのか? 小降りになってきたな」
「違うの、ヒメね、
*
それはまさに、ヒメの天才的な
「ヒメが考えたやつの基本はね、今までと一緒!」
「拙者は突き進むのみ、ということだな」
『武蔵お兄ちゃんとヒメお姉ちゃんが撮っていた動画は、アール・ティー・エーという
これは実際に令和や平成の日本においても、生配信や収録動画といった形式に関係なく多くの
内容は
豆餅の言うようにアール・ティー・エーと略される
「ヒメで〜す! 前のシリーズでも来た
内容の
だが、息を切らせ武蔵を追いかけていたはずのヒメは画面右上に表示された
変化はそれだけではなかった。
『ねえ
『違うんだ
人形劇を用いた、同時解説である。
ふっくら
「
当事者たる武蔵も打ち合わせ通り、実況に
武蔵は配信前に
「仕上げに叩き斬る。仲間達の元へは拙者が決して近寄らせぬ!」
「ヒメで〜す! 出ましたぁ、チャンネル
『武蔵が
『あれは
乱雑になりがちな四種の〝声〟を〝
ヒメ、武蔵、音声①、音声②、それら全てを取りこぼすことなく聞き分け、誤差一秒以内に色分けした
令和の技術をもってしても大がかりな準備や数人の裏方が居なければ実現せぬであろう超次元の生配信を、彼らはたった三人で
何故なら、
*
武蔵達は半日にして六つの
また、速さや効率性を重視しながらも
忘れずに声で、
多くの
しかし、最後の配信を終了し撤収作業を進める
『ヒメさんありがとうなのだ。ボクは全然疲れていないのだ、とっても新鮮で楽しいのだ』
豆餅が返事をした直後、武蔵の背後から飛びかかる影。
いかに宮本武蔵であろうとも、超連続で戦い続ければ集中力が切れ油断する時もある。
「
豆餅の中の人、つまり
か細く透き通った声色と不釣り合いな、
そして、武蔵を
「ねえ武蔵、ヒメこれ知ってる! 歯に毒ある
「
「離しやがれ、侍……触れるなッ!」
「豆餅じっとして! ヒメが今、止血するから!」
白衣の中をまさぐる武蔵に、どういう訳か必死に抵抗する豆餅。
ようやっと取り出した身分パネルに表示された名を一目見た宮本武蔵は、息を飲み思わず硬直した。
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