第七話 解説動画の豆餅
「宮本様に会わせたい者がいます」
「構わぬ。その者の
与謝野晶子の申し出を受け、武蔵が真っ先に
名や年齢から人物像は見えてこないからである。
ヒメのように名に似合わぬ髪色をした
酒場の
いざ顔を合わせると
配信経験も少ないようで、どうやって生きてこれたのかも分からない。
武蔵にとって
しかも、二人とも実践経験も乏しく知識も中途半端。
方向性の違いにより、不採用。
「歳や名前、種族は? 気にならないのですか?」
「会って話せばいずれ分かる。
その点、何らかの
例えば
配信の
「その子は
「
その者の
技を使う
その必要
「
「いえ、歳は若く部屋に
武蔵は
その疑問は、
「その子はね、心だけが異界に
「なるほどな、
武蔵は異様な
つまり、
しかも、多くの
宮本武蔵と与謝野晶子は、与謝野孤児院にある
*
「
「いえ宮本様、そういうわけでは……」
『ごめんなさいなのだ。これは、気にしないで欲しいのだ』
「
「この子の名前は」
『院長先生、待って欲しいのだ。ボクはしばらく名乗りたくないのだ、ごめんなさいなのだ』
食い気味に与謝野晶子の言葉を
「さすれど、名が無くては不便であろう」
「そうですよ、宮本様の言う通りです」
『なら、ボクのことは
豆餅本人は、こんな朝早くに与謝野が見知らぬ侍を連れてきた光景はつまり〝そういうこと〟なのであろうと肌感で理解していた。
十六歳にして飛び級で米国ハーバード大学に入学。
研究活動を行うも、年始の帰省中に故郷である京都で命を落とした悲運の若き天才科学者である。
「なるほど、解説動画とな」
「はい、この子は私の想いと技の多くを
『危ない目に
豆餅は孤児院に眠る豊富な参考文献を元に、
「して、拙者と共に参るか? 豆餅よ」
「無理強いはしませんが、もう一度だけ世界を見る良縁と思いますよ」
『ボクも行きたいのだ。でも、弟が心配なのだ。前に旅に出た時も寂しい思いをさせてしまったし、もうどこにも行かないでと泣きそうなのだ』
豆餅には
「弟……とな?」
「
『まあでも、やっぱり院長先生やみんながいれば電も大丈夫なのだ。ボクは行くのだ。お侍さん、よろしくお願いしますなのだ』
一方その頃、新たな
何故ならその女は、朝が弱い低血圧のザコ
しかしながら
何故なら、その女は
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