第四話 東の洞窟リアルタイムアタック
宿の一室に入ったヒメは絶句している。
二カ月近くもの間ひたすら
ヒメは自分自身に、そして武蔵に対して呆れ果て言葉が出ず膝から崩れ落ちる。
「おぬし、顔色が悪いぞ」
ヒメにしてみたら顔色も心境も未来への展望も、全てが悪い。
良いところなど、一つもない。
「アンタ、なにこのカスみたいなステ
「すてふり、とな?」
宮本武蔵は、
二元六種三要素。
これが、異界での
世に生を受けて
冒険と配信の二元枠から各六つずつ細分化された
「あーもう何これぇ、ヒメこんな酷いの初めて見た! なんなの? 冒険したいの? 配信したいの?」
「冒険と……配信? 拙者には分からぬ……」
①
②
③
④
ディー、イー、エックスは
⑤
⑥
エル、ユー、シーが〝
「振るならさぁ、どっかにまとめて二十
「拙者は……何かを
①
イー、ディー、アイという力は動画の
②
音つまりエス、オー、ユーが高ければ歌唱力や
③
大筋の流れを定める
④
煽り耐性や長時間の配信を行えるかどうかは
⑤
エフ、アール、アイと略す
⑥
上記の十二項目に加え
この三つに最初の
「ねえ、ムサシ説明書読まなかったの!?」
「捨てた」
最低限の教育を受けた冒険者は、まず初めに手持ち
それが鉄則であり常識だった。
冒険職か配信職、どちらに
どんな
「しかもムサシ、これって……あーもったいない! せっかくの
「何がだ? 分かるように話せ」
宮本武蔵を初めとする
彼は転生初期段階で
しかし再分配の際、合計である百八十の
何故なら、その男は宮本武蔵だからである。
「一番最悪なの
「なるほど、
また明日考える、そう言い残しヒメは
見慣れぬ洋風建築に柔らかすぎる布団が落ち着かず、座って就寝していた宮本武蔵にとって何の問題もない。
宿の主人すらもまどろむ深夜、一人抜け出す武蔵の気配に気付かぬヒメは
何故なら、その女はザコ
異種交配が繰り返された結果、ヒメのように引き継ぐ血も
弓矢の扱いが得意なこともなければ、精霊と心通わせるなどといったこともない。
そもそも異界に精霊は存在しない。
おまけに長命種ですらなく、
とどのつまり、ヒメとは単に長く尖った耳を持ち派手な髪の色をした可愛い顔立ちで変な女以外の何者でもないのである。
*
ヒメは、途切れることのない合成機械音声のような女の声で目を覚ます。
『
『
『
『
慌てて飛び起きたヒメが目にしたのは、
「起きたか。パネルが
「ちょっと武蔵なにそれ!? や、
何かが不足し問題があるなら、その〝何か〟の正体も含めて戦いを通して探り鍛えれば良い。
それが、宮本武蔵の到達した〝答え〟である。
答えの先で何を得たかは、鳴り止まぬ身分パネルの
「東の洞窟に住む
「全部って、そんな……」
いつぞやの荒野を散策し、
巣くう
太陽は、東から昇る。
「して、
「それ……
必須
推奨
それが常識だったはずの洞窟に彼は
何故なら。
その男は。
宮本武蔵だからである。
洞窟内にいた時から鳴り続けていた
「教えを
「武蔵のバカ! 攻略できるならヒメも連れてきなさいよ! あー
開かれし
侍と
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