第6話 タイツの改新・後

「まあもう限界だったし仕方ないわね、どうせこの後記憶消すし。ずっと隠すのも疲れるし教えてあげるわ。」

そういって、俺の妹。いや、実姉の大津妹子は長い長い、俺達の半生、にとどまらないこの惑星の歴史を語り始めた。

「まずこの惑星、チキウ。チキウはかつて、"黒きタイツ"と"白きぱんつ"という2つの高エネルギー体が惑星中心部で融合し、チキウ上エネルギーの通貨と呼ばれている、ヘキニウムを地上へと現出させていたわ。でもある時、人類はこれら2つの"神の下着"は人々の本質的にタイツを好むかぱんつを好むかの信仰心が拮抗することで世界が"癖歪"を起こしてエネルギーが生み出されていたと知ったの。だから本来はタイツ好きもぱんつ好きも等しく居なければチキウのエネルギーが廻らないことはわかっていたわ。でも、そんなの赦せないわよね?」

……あぁそうだ、途中までは突飛な話だったが後半はうなずける。かつてタイツ紋時代とぱんつ生時代があったように、人々は物心ついたときには己が抱く癖に従って生きる。そして違う癖とは相容れない。その結果、ネアンデルブルマー人は争いに負け、過去の種となってしまい絶滅した。くそっ、なんでこんな小学生でも知っているような歴史を忘れてたんだよ俺は!!!!

「だいぶ思い出してきたみたいね。続きよ。そしてある時、神の下着研究者でもあった繁津家初代当主と大津家当主は共に或る事実に気付く。そう、各癖の人口に応じ対応する"神の下着"が信者に供給するエネルギー量が変わることに。」

な、なんだと!?

「そして戦争は始まった。タイツぱんつ戦争。時が過ぎて大津家と繁津家の当主、その家での最年長が争う代理戦争へと方式が変遷して今の方式に近づいていった。今は2つの家が財閥、という形をとって世界に各下着を卸しているわ。そんなある時、哀しき事件が起こる。そう、何故私たちに両親がいないか。」

そうだ…何故だ!!

「神の下着の定例解析を大津家繁津家合同で行った際、お互いの家に跡継ぎが産まれた。」

まさか…

「そう、もうわかるでしょう?繁津家は繁津姉子、大津家は大津ハカナイと大津妹子の2人。同時に私たちが産まれたことにより、世界の均衡は崩れた。そしてエネルギー爆発が起きて私たちの両親はどちらも巻き込まれて死んでしまった。その為この代理戦争を私たちが継がねばならなかった。でも私は!おにーちゃんを!いえ、弟を!巻き込みたくなかった!そこで私と姉子はタイツ×ぱんつエネルギーで稼働するタイムマシンを発明した。でも、失敗。過去へ飛んでしまった。そこで取り返しのつかない過ちを犯したのよ。姉子は貴方が幼い物心つくかつかないかの幼少期、私はあなたが私の年を少し越える未来へと飛んでしまった。そうしてパラドックスは起きた。あなたは大津家なのに、隣のお姉さんにぱんつフェチに歪められたものの、家柄のためにタイツフェチにも目覚めてしまった、この世に存在してはいけない哀しき人となってしまったの!!!!!!!」

こうして全ての謎は明かされた。彼女たちはその後もなんとかパラドックスを解き事態を解決させようとしたものの上手く行かず、なんども世界をやり直し続けたらしい。あまりにもその辛さは計り知れない。どうしようもないかもしれない。でも!!!!!!弟の妹になりたい実姉と!お隣のちょっとえっちなおねーさんの!どちらか選ばなきゃいけないくそったれな現実(リアル)しかこの世界に無いって言うのなら、それが神の定めた運命だって言うのなら!!!!!!!!!!!!

俺が両ヒロイン共に幸せにして、

―その、ふざけた運命をぶち変える!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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