第17話

「『絆の指輪』だな!」

と彼は興奮気味に言った。

「絆の指輪?」と私は聞き返す。すると彼は答えたのである……。

「この指輪は仲間同士を繋ぐ効果があるんだよ!しかも互いが装備している指輪と連動して能力が上昇するんだよ!」

「へぇ、凄いですね」

「うん!これはとてもレアなアイテムなんだよ!滅多に手に入らないんだ!」

と彼は嬉しそうに言った。そしてアベルくんは私に指輪を渡してきたのである……。

私はそれを受け取るとケインに手渡した。すると彼も笑顔で受け取ってくれたのだ……。

「カミル!ありがとう!!」

「いえ、どういたしまして……」

(ああ……やっぱり可愛いな)


ギルドへ帰ると報告をする。


「はい、確かに確認致しました。こちらが報酬になります」

と職員の人は笑顔で言った。そして私達は報酬を受け取るとその足でギルドを後にしたのだ……。


ーーーーーー


「カミル今度もギルドの依頼一緒にやらないか?」

「え?うんいいけど」

「よっしゃ!」


「ケインはどうしてそんなに私と行動するの?」

と聞くと彼は少し考えた後こう答えたのだ。


「分からない!でも君と一緒に居たいから!」と笑顔で答えたのである……。

(ど、どう言う意味だろう?)と思ったけれど聞けなかった……。

(まぁ、いいか)と私は納得してそれ以上考えるのをやめたのだった……。


ーーーーーー


その後何度か一緒に依頼を受けるうちにケインが私に恋心を抱いている事を知ったのだが、

「カミル、君は僕と居るのは嫌かい?」と聞かれた時は心臓が止まるかと思った。

「え?えっと……その……」と私が戸惑っていると、彼は更に続けて言ったのだ……。

「僕は君の事が好きだ!だから付き合って欲しい!」

「え!?あ、あの……」と私は混乱していた……。

(ど、どうしよう?)と悩んでいると彼は私の手を握ってきたのだ……そして真剣な眼差しで見つめて来る。

「カミル……」

「は、はい……」と答えることしかできなかった……。すると彼は私の頬に手を当てて顔を近づけてきたのだ……。

「ちょっ!ちょっと!」と私は慌てて彼の胸を押し返したのだがビクともしないのである……そして彼は再び私にキスをしようとしてきたのである……。

「ま、待って!」と言うと彼はピタリと止まった。そして私を見つめると言ったのだ。

「カミル、僕は本気だよ?」


「わ、分かってるよ……でも私はまだ答えられない!」と言うと彼は悲しそうな顔をした。

「どうしてだい?」と言う彼に私は答えた。

「だって私は男で貴方よりも年上です」

「それが何か問題でもあるのかい?」

「そ、それは……」

「カミル……僕はね好きになったら性別なんてどうでもいいことだと思うんだ。愛には性別は関係ない僕はそう思うんだよ」

「ケイン……でも私は……」

「カミル、僕は君を愛している。だから僕のものになって欲しい」

「ケイン……」と私は彼の目を見つめる。そして彼は私の事を優しく抱きしめたのだ……。

翌日昨日のケインからの告白で私はもう自分の世界が変わってしまったと実感する。

「カミル!おはよう!」

「ケイン……おはよう」

ケインの顔を見るだけでドキドキしてしまう。私は本当に彼のことが好きなのだと実感した。

しかしそれは同時に不安でもあった……。もし付き合ったとして本当に幸せな未来が待っているのだろうか?と考えてしまうのだ……。

そんな私の気持ちなどお構いなしに彼は笑顔で話しかけて来るのである……。

(ああ、可愛いなぁ)

彼の笑顔を見るだけで心が温かくなるのを感じることが出来る。これが恋というものなのだろうと思うのであった……。

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