第15話
ギルドからの要請で
私とアベルくん、ケインの3人で
『スベール要塞』と呼ばれる場所の調査である。
『要塞』とあるがもう廃墟となっており魔物の徘徊するダンジョンと化していた。
だから調査を行い必要に応じて戦闘をする感じである。
「場合によっては眼鏡を外しますよ」
「カミルって目が良くないから眼鏡をかけてる訳では?」
「無いです!これは魔力制御用のアイテムです!!」
「そうなんだ、知らなかったよ」
「まあ、眼鏡外したカミルは美人だからなぁ」とケインが呟くとアベルくんが反応する。
「確かに!眼鏡を外したカミルは美人だな!」
「2人とも……からかわないでください……」
私は恥ずかしさのあまり顔が熱くなるのを感じる。するとアベルくんは更に続けるのだ。
「いや、本当に可愛いぞ?カミルは」
「……あ、ありがとうございます……(男に言われてもあまり嬉しくはありませんけどなんかケインに言われると胸が熱くなるのはなんででしょうか?)」
(恥ずかしい)と思いながら私は答える。
「カミル!早く行こうよ!」
「う、うん」
ケインは私の手を取り走り出す。そんな彼にアベルくんは呆れた様子で言ったのだ。
「おい、ケイン!お前ちゃんとカミルを守れよな?」と……。すると彼は笑顔で答えるのである。
「勿論だよ!アベル!」と自信満々に答える彼を私は少し不安な気持ちで見つめていたのだった……。
ーーーーーー
(スベール要塞のダンジョン)
「ここがスベール要塞のダンジョンですね」
「うん、そうだね!」とケインは答える。
「じゃあ行きましょうか?」と私は2人に問いかけた。するとアベルくんが口を開いたのだ。
「いや……その前に装備を整えないか?」
「ああ、そうですね……」
確かにそうだと思い私達は一度休憩をする事にしたのである……。
(それにしてもあの2人仲良すぎじゃないですかね?)
と私は思ったのだが口にはしなかったのだった……。しかし心の中では嫉妬していたのかもしれない……。
「カミル!この服なんてどうかな?」とケインは私に似合うであろう服を私に手渡してきたのだ。
「あ、うん……ありがとう」
(本当に……私ってチョロいな)と心の中で思いながらもそれを着る事にしたのである……。
「どう?似合ってるかな?」
私は少し恥ずかしそうにしながら答える。
「うん!凄く似合っているよ!」
すると彼は嬉しそうな表情を浮かべた後、アベルくんの元に向かったのだ。そして2人は何やら楽しそうに会話をし始めたのである……。
「(なんか……)」
「「(2人で仲良くしてて)」」
と私は心の中で思った。そして同時に胸がチクッと痛む感覚に襲われたのだ。しかしそれが何なのか私には分からなかったのである……。
ーーーーーー
その後、私達はダンジョンの中に入って行ったのである。中は薄暗く視界が悪い状態だったのだがアベルくんが魔法で灯りを灯してくれたおかげで進むことができたのだ。
しかし途中で魔物に遭遇する事になったのだがその数は多く、
「カミル!ここは僕に任せて!」
「ケイン、無理しないで!」
と私は叫んだが彼は笑顔で答えたのだ……。
「大丈夫だよ!僕だって戦えるんだからさ!」と……。
そしてそのまま魔物の群れの中に突っ込んで行ったのである……。
「ケイン!!」
私は心配になり彼の後を追いかけたのだが、彼は襲いかかってくる魔物達を次々に倒していったのだ。
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