第8話

「ふふ……おはようございます旦那様」

「ああ、おはよう」

「昨日はとても楽しかったですね……」

「そうか?まあ、私も悪くはなかったかな……」

私は素直に感想を述べた。すると彼女は嬉しそうに微笑んでくれたのだ。そんな彼女を見ていると何だか私も嬉しくなってきたような気がする。

(いや、待て!何を考えてるんだ私は!?)

冷静になると自分がとんでもない事を言っている事に気付くが今更撤回はできそうもなかった。結局この日はそのまま彼女と一夜を過ごす事になったのだった……。翌日、

「旦那様!今日は何をして遊びましょうか?」

「いや、私はそろそろ帰らせてもらう」

私がそう言うと彼女は不満気な表情を浮かべた。しかし私は気にせずに続ける事にした。

「いいか?私達はまだ出会ったばかりだしお互いの事をよく知らないだろう?」

私がそう言うと彼女は素直に従ってくれた。なので私は彼女と一緒に外へ出掛けることにしたのだ。街の中を歩きながら色々な話をしたのだが、彼女の名前すら知らない事に気付くと私は彼女に名前を尋ねた。すると彼女は笑顔で答えてくれたのである……。

「私は森精霊のアマリアと申します」

「そうか、よろしく頼む」

私がそう言うと彼女は嬉しそうに微笑んでくれたのだ。しかし次の瞬間には急に顔を曇らせてしまった。どうしたのかと思って様子を窺っていると彼女は小さな声で呟いたのだった……。

「旦那様は私を抱いてくれないんですか?」と……。

私は思わず固まってしまうが、何とか平静を装って返事をする事にしたのだ。しかし上手く言葉が出てこなかったので代わりに彼女に質問してみることにしたのだ。すると彼女は素直に答えてくれた。「はい!もちろんです!」

「まあ、だがまたこの森には来るから」

「分かりました!是非また来てください!旦那様!!」

と言って私は

街へと戻り冒険者組合に戻り報告する。


「依頼完了だ。確認してくれ」

そう言うと受付嬢の1人が確認をしてくれた。

「はい、確かに受理致しました!こちらが報酬となります!」

そう言って銀貨10枚を渡してくれたので受け取ると懐に入れた。

「さて、宿屋に戻るか」

宿屋に着く。

「あ、カミルさんおかえり」

「女将さんただいま」

「今日も泊まるのかい?」

「ああ、頼む」

「あいよ!」

私は部屋に入ると装備を外し楽な格好に着替える。それからベッドに入って眠りにつくのだった……。


ーーーーーー

目が覚めると布団がモゾモゾと動いていた。

剥ぎ取ると猫がいた。

「なんだ?」

「うーん……ふあー……おはようマスター」

「誰がマスターだ!お前誰?」

「昨日貴方に着いて行った『アマリア』です」

「『アマリア』は森精霊だ!猫では無い」


「猫ではありません。猫型精霊です」

「ますます訳が分からなくなったぞ」

「まあ、細かい事は気にしないで下さいよ」

そう言うと猫はベッドの上で丸くなるのだった。

(もう勝手にしてくれ!)と私は諦めの境地に至るのであった……。

翌朝、朝食を食べ終わると私は街を出た。そして森の中を歩いて行くのだが……。

(おかしい……)

私は違和感を感じていた。というのも森に入ってからというもの全く魔物に遭遇しないのだ。

池を発見したので見る。

「あ」

眼鏡してない。これが原因だ。

私は眼鏡をしていないと魔力がだだ漏れするのだ。

これがきっと原因だ。

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