第4話
「どうも。先程はお世話になりました」
「いえいえ、お気になさらずに……」彼女は笑顔で答えてくれると私に椅子に座るよう促してくれたので、私はお言葉に甘えて着席させてもらった。すると彼女も隣の席に座ると私に話しかけてきた。
「ところで……依頼内容なのですが……少々面倒ではありますが、ご説明させて頂いても宜しいでしょうか?」
「はい。もちろんです」
私がそう答えると彼女は笑顔で説明してくれた。
「まず、魔物の討伐依頼になりますが……魔物の中でも特に危険度の高い個体を倒す事をお願いします」
「なるほど……」
私は納得した様子を見せる。すると彼女もホッとした様子になり次の話に進む事にしたようだ。
「次に素材の回収ですが……」
「はい」私は相槌を打つ。そして彼女は続けて言った。
「この依頼では主に魔核や魔石などの素材を回収する事になります」
「魔核に魔石……」
「はい。ただし、これらは高価な物ですので注意が必要です」
そう言って彼女は真剣な表情で言った。どうやら相当重要な事なのだろうという事が伺える。なので私も真剣に聞く事にした。すると彼女は更に詳しい説明をしてくれる。
「魔物は体内に魔力を持った核と呼ばれるものを所持しており、それを破壊する事で倒す事ができます」
「なるほど……つまりはその核を破壊して倒せば良いのですね?」私は確認するように尋ねる。
「はい。その通りです」
彼女は頷いて答えてくれた。なので、私は自分の考えを言ってみる事にした。
「それでは、私が魔法で核を破壊すれば良い訳ですね?」
私の質問に彼女は少し驚いた様子を見せたが、すぐに笑顔で答えてくれた。
「そうですね!でも気をつけて下さいね?油断していると危険ですよ?」
私は彼女の忠告に感謝の意を込めて頭を下げながら返事をすると、早速準備に取り掛かる事にしたのだった……。
まずは眼鏡を外すと鞄の中へ丁寧にしまった。
実は私が眼鏡を掛けている理由のもう1つをこれからお見せしよう。
今現在私のいる場所は
『アルドの森林』と呼ばれる。大自然のダンジョンである。
初級用の魔物は冒険者組合が冒険者用に飼育されているのだ。
理にかなっているだろう?
全ては冒険者の力量をアップさせるためさ。
なんて言っていたら早速魔物のお出ましだ。
眼鏡を私は外す。
すると急激な魔力の放出
これは私の魔力である。
「さて、始めるとしよう」
私は眼鏡を掛けていない。
だから魔力の加減が出来ない。
全力を出せば周囲一帯は塵芥となるだろう。
だから眼鏡を外しているのだが、もう1つの理由も存在する。
それは相手の力量を知る為だ。
魔力の色で相手の力量を測る事が出来るのだ。
「ほう?これはなかなか……」
私は感心していた。目の前にいる魔物は中級クラスの魔物である事が分かったからだ。しかし油断はしない。何故なら私の魔法はまだ未熟だからだ。
「では、始めよう」
私はそう言うと魔法を放った。
すると目の前の敵は一瞬で消え去った。
「ふむ……やはりまだまだだな……」私はそう呟くと再び歩き出した。
「次はもう少し強い敵と戦ってみるか……」
私はそう決めると更に奥へと進んで行くのだった……。
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