第4話 混血同士
さて…ナデュラムは盗賊がよく現れるという場所に下見に来た
「うん…ここなら身を隠せそうだな」
姿を隠すのに丁度良い場所を見つけたナデュラムは張り込みをする事にした
寝袋で仮眠を取りながら待っていると盗賊団らしき男達が慌ただしく城下町の方へ走っていく
しばらくするとナデュラムの目を疑う光景が現れた
アイテム屋の看板娘であるマリエナがさるぐつわをはめられ後ろ手に縛られた状態で連れて来られたのだ
「グリフォン種の娘か…自然交配でないと産まれないバードニール族の希少種か!これは金持ちに高値で売れるぞ」
なんと盗賊達は人身売買もしているらしくマリエナは商品として扱われているようだ
ナデュラムは飛び出したい気持ちを抑えてもう少し様子を見る事にした
「こいつけっこう美人だな〜引き渡す前にお楽しみと行くか?」
盗賊達はマリエナを強姦するつもりらしい
「貴様ら〜マリエナを離せ!」
ナデュラムは盗賊の1人を攻撃して倒した
「な…なんだテメェ!邪魔するなら容赦しないぜ!野郎どもやっちまえ!」
ナデュラムは盗賊達に取り囲まれたが持ち前の武術で次々と倒していく
「こ…こいつ強え〜!ヤバいですよアニキ!」
「止まれ!こいつがどうなっても良いのか?」
盗賊団の頭らしき男がマリエナにナイフを突きつけて威嚇してきた
「どこまでも卑怯な奴等だ…」
ナデュラムが大人しく捕まる素振りを見せると盗賊の頭は安心したらしく手を緩めた
その一瞬の隙をついてナデュラムは盗賊の頭を一撃で気絶させた
残った子分達も全員気絶させて縛り上げた
「マリエナ…怪我はないか?」
「はい…ありがとうございます」
「まさか盗賊団が人身売買までしてるとはな…」
ナデュラムは城の近衛兵に盗賊団を引き渡すとマリエナを家に送り届けた
「娘を助けていただきありがとうございます!お礼をしたいのですが…」
マリエナの母であるエレノアがそう言うとナデュラムは深呼吸してこう切り出した
「それならばマリエナさんを私の妻とする事の許可をいただきたいのですが…」
それを聞いたエレノアは驚くと共に嬉しそうな表情に変わった
「まぁまぁ…うちの娘を貰ってくれる方が現れるなんて…混血なので諦めてましたのに…」
「私もダークエルフとの混血なので似た境遇の彼女ならと思ってたんです…」
エレノアはマリエナに問いかけた
「さて…貴女はどうするの?ナデュラムさんからのプロポーズ受けるの?」
突然の事に放心状態だったマリエナは我に帰ると顔を赤らめて
「本当に私で良いのですか?ナデュラムなら他に良い人が…」
「俺は君じゃ無いと駄目なんだ…君以外考えられないよ!」
マリエナの顔は更に真っ赤になった
そして
「不束者ですが宜しくお願いします…」
こうしてナデュラムとマリエナは結婚した
数年後…2人の間には男の子が産まれた
息子はサリフィスと名付けられた
ただナデュラムが気がかりなのは妹のアリスティンの事であった
しかしその不安はその後解決に向かう事になる
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