第2話 魔物襲来と突然の別れ
「まさか国王様だったなんて…知らぬ事とは言え失礼な振る舞いを…」
「別に気にしてない…あと君の家に暇を持て余していたな兵士と執事を派遣しておいたから安心してくれ」
「王宮勤めさせていただいた上に家の事まで…身に余る待遇ですが何故?」
「うん…いずれ君には私の妻になってもらおうと思っていてな…わかりやすく言えば一目惚れしたと言う事だ」
突然の事に驚きすぎて声も出ないリリディアナだった
数日後…
突然城に魔物が襲来したと言う知らせが駆け巡った
「ラディエス!迎え撃つぞ!どちらがより多くの魔物を倒したか競争するか?」
「相変わらずですね陛下は…良いでしょう!」
城に常駐していた侍女や戦えない者や高齢者はいち早く避難させた
ヴァスタレオン王と騎士団長ラディエスは次々と敵を倒していく
その姿は鬼神の如く凄まじいモノだった
「コイツラツヨスギル…テッタイスル!」
魔物達は恐れをなして撤退するのだった
ヴァスタレオンは就任中に2度に渡って魔物の襲来を受けたがその都度敵に大打撃を与え撤退させるのだった
この事は後に勇王ヴァスタレオン伝説として語り継がれていく事になる
ヴァスタレオンとリリディアナの間に女の子が誕生日してアンジェラと名付けられた
アンジェラは生まれつき右眼が水晶眼になっていた
そして物心着く頃には少し先の未来を見る能力が開花するのだった
「アンジェラのその能力は人々の役に立つわね…もうすぐお姉ちゃんになる貴女がどんな姿に成長するのか楽しみだわ」
「…お姉ちゃんになんかなりたくない…赤ちゃんが産まれたらお母様は…」
アンジェラが何故こう言ったかと言うと赤ちゃんが産まれた後に体調を崩した母が亡くなる未来が見えたからだった
「そうなのね…私は貴女達の成長した姿を見る事が出来ないのね…」
「!!」
アンジェラはただ項垂れるばかりだ
「アンジェラ…約束して。この子が産まれたら貴女が守ってあげてね?私の分まで」
「でも…でも…」
「この子は未来に必要な子なの…私がいなくなってもアンジェラならやれるわ!強い意志を持ちなさい…その水晶眼に映る未来を守って…」
「未来を守る?」
「貴女のその能力はきっと役に立つわ…」
アンジェラは静かに頷いた
そしてそれから数ヶ月後…
ロヴェルトが誕生した
「可愛い🩷この子は次の国王になるのね…お姉ちゃんが守ってあげるからね」
アンジェラは産まれたばかりの弟を見るや否や目を輝かせた
ロヴェルトが産まれた数ヶ月後…リリディアナは産後の体調不良によりこの世を去った
ヴァスタレオンはその夜部屋で静かに泣いた
誰にも涙を見せる事なくその後も気丈に振る舞った
ラディエスはそんなヴァスタレオンが王位をロヴェルトに譲るまで騎士団長として支え続けた
それは今でも続いている…良き友として
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