獣人王ガジェスター目線の物語
私は獣人族の王子ガジェスター
今日はバードニール族の国であるエアウィング王国に来ている
この国の王子であるヴァスタレオン様とこうして情報交換している所だ
バードニール族は背中に翼が生えている一族で天使のようだ
城下町で美しい女性と出逢い私は心を奪われてしまった
私はこの後お忍びで度々彼女に逢いに来ている
数ヶ月後…彼女から妊娠したと聞かされた
私は驚きと共に嬉しくなった
しかし周りからは彼女との結婚を猛反対された
彼女は女の子を産んだ
私は王になってからも彼女と娘に逢いに来ている
娘は獣人の耳と手足と尻尾を持ち背中に翼が生えている
ヴァスタレオン王は彼女と娘を城下町に住まわせてくれている
城にはダークエルフを母に持つ兄妹がいると聞いた
その兄の方が私の娘と結婚した
混血同士気が合ったらしく仲睦まじい夫婦になった
娘は男の子を産んだ
孫息子は父親似らしく魔闘家と忍者の力を持ち合わせていて父親の仕事の手伝いをしているらしい
将来有望だと嬉しそうに語ってるらしい
可愛い孫娘も産まれた
孫達は獣人の血が混じっている為に希少種のグリフォンである
上半身は鷹で下半身が獅子の姿をしている
人間の間ではグリフォンは王家の紋章に用いられれる事もある崇高な魔獣として崇められているそうだ
娘や孫達が健やかに成長しているのを見ていると嬉しくなる
獣人王としては城には息子のダイアンがいる
ダイアンには次期獣人王として英才教育をしている
ただあの子の母親はもうこの世に居ない
弟であるバッシュと共に食材を探しに行った時に魔物に襲われた
妻は亡くなり一命を取り留めたバッシュは自分の力不足のせいで姉が死んだと嘆いていた
仕方なくバッシュに城から出て「姿変えの石」が悪用されてる経緯を調査するように命令した
我々獣人族が人里の近くに行く際には姿を変化出来る「姿変えの石」を用いている
大昔、獣人族が人間を襲って食べていた時期があったらしくそのせいで獣人族を今だに毛嫌いする人間がいるからだ
バッシュが元のように自信が持てて城に帰ってくる事を願う
そういえばバードニール族に嫁いでいたドラゴニール族のミネルヴァ王妃が懐妊したそうだ
この婚姻は異例と言える
何故なら今までは異種族同士の婚姻は珍しくしかも王家同士の婚姻は今まで例が無いのだ
時代が変わって来ているのか…
儂がもっと後で産まれていたなら彼女との結婚も反対されなかったのだろうか…
そんな想いに駆られていた
そしてバードニール族に双子の王子と王女が産まれたと知らせが入った
伝説の勇者となりうる双子の王子と王女が産まれただと?!
儂の脳裏に恐ろしい可能性が浮かんだ
魔王を倒す勇者が産まれた国を魔王の配下達が黙って見過ごすとは思えない
おそらく近いうちに魔物の群れがエアウィング城に攻めてくるだろう
難攻不落と言われる城だが敵も何らかの手立てをするに違いない
その予感は当たってしまった
儂は衛兵達が止めるのも聞かずに彼女と娘を助ける為にエアウィング王国に来た
混乱する中…サリフィスにエアウィング王国の事を頼んで彼の祖母である女性と儂との間に産まれた彼の母である儂の娘を連れて獣人族の国へ戻って来た
サリフィスはどう思っただろうか…儂はあの子のならエルフィナが無事に戻って来た時に手助け出来るだろうと踏んだのだ
済まない…でもこうするしか出来なかった
勇者と共にエルフィナも無事に逃げられてると信じている
何故ならミネルヴァ王妃がマザードラゴンの姿になり飛び去って行くのを遠目に確認したからだ
来るべき日の為に儂は勇者に渡す為の装備を守っていこう
これは儂の懺悔と勇者に対する希望とが混在した想いだ
そろそろ次の準備を進めるのでまたな
世界が平和になった時にでも話を聞きに来てくれ
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