エルフィナの兄であるサリフィス目線の物語

俺の親父は王宮お抱えの魔闘家である


わかりやすく言えば魔法の力を宿した拳で敵を殴りインパクトの瞬間に魔力を放出して倒すのだ


こうする事で直接攻撃だけでは倒せない魔物も倒せるらしい


俺はと言うと表向きは親父と同じ魔闘家だが、潜入捜査を得意とする忍びだ


親父はそんな俺の能力を見出し戦場に赴く時は敵の情報収集の手伝いに駆り出されたものだ


そんな親父も王宮騎士団長のラドルファ様やその妻で俺の叔母であるアリスティン様と共にお城を守る戦いの中で亡くなった


俺は親父達や国王様の無念を晴らす為に魔力で結界が張られた城に潜入して捜査している


わかった事と言えば国王様を殺したのが大臣らしいと言う事だ


魔物を手引きしたのも奴だろう…


奴は今でも城の奥に潜んでいるに違いない


ただ俺が中に入れるのは途中までで最深部までは行けないのだ


俺はあの日、ドラゴンの姿になった王妃様を見ていた


追手から何とか逃れていると信じている


そして双子の王子と王女…従兄弟のローズマリィとディオンそして妹のエルフィナが無事に逃げ延びていて再び会える日を待っている


先代王ヴァスタレオン様の為に集めた情報をお伝えしているのだ


城下町で暮らしながら孫達の安否を願ってやまないあの方のお力添えになれればと思っている


母上もお元気だろうか…


城が攻め落とされようとしてる中、獣人王が祖母と母を連れて行ってしまった


俺には

「エルフィナが戻って来た時に出迎える者が居ないと不便だから頼む」

なんて言ってたけど本心はどうなんだろうな?


言われたままに俺はエアウィング王国の城下町で勇者である4人…いや5人を待っている


妹はまだ幼かったからの俺の事は覚えていないだろうな…


にぃに〜遊んで!遊んで!


なんて呼ばれていたのが懐かしいぜ


今では俺も妻と子供2人を持つ身だ


ん?訓練に付き合ってくれだって?


お安い御用だ…


息子の戦闘訓練に付き合ってやるか…


アイツもアサシンとしての能力を開花させつつあるみたいだからな…


娘は賢者だけど力が足りないらしくて薬の知識も勉強している


2人とも貪欲なものだ


え?嬉しそうに言ってるじゃ無いかって?


当たり前だろ?


子供の成長を喜ばない親が何処にいるんだよ?



さぁ今日も忙しくなりそうだ…


アイツらが帰ってくるまで…


あとどれくらいだろうな?


考えても仕方ない…兎も角身体を動かして鈍らないようにしとかないと



じゃあな!また暇があったら話を聞きに来てくれよな?


約束だからな…

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