お姉さんとゲーム

あれから、まだ少しヒリヒリするのを抑えて、お姉さんと湯舟に浸かっていた。

何をされたのかよくわかっていないが、何か恥ずかしさで、良くお姉さんの顔を見ることが出来なかった。


お風呂から出て、眼鏡を付けると一糸まとわぬお姉さんの、色白な肉体が目に映った。

お姉さんが用意してくれた着替えを着せられているのだが、かがんで前のボタンを留めてくれる姿を見て、ムククとヒリヒリするそれが持ち上がった。

それを意に介さないのか、お姉さんはテキパキと服を着せていった。


そうして着替え終わった僕は、鏡で自分の姿を見て驚愕した。

「お、お姉さん。これ女の子の……」

「ごめんね明君。用意出来た着替え、お姉さんの昔の服しかなかったの」

フリルで装飾された上着に、スカート。

何ならパンツも穴のない、真新しい気はするが、お姉さんに限らず、女性が昔着ているような服装だった。

それでもお姉さんが洗濯機から乾燥機に服を動かしているのを見て、自分がお茶をこぼしたからという罪悪感で、何も言うことは出来なかった。


「さて、それじゃあ服が乾くまで、何かゲームでもしよっか」

お姉さんに連れられて二階に上がる。


お姉さんの部屋は思ったより地味目だったが、シャンプーやリンスと違った、いい匂いがした。

「明君はゲームとか得意?」

ゲームは好きと答えると、いくつかソフトを取り出してこちらにコントローラーを渡してきた。

普段対戦をしないが、お姉さんに教わりながらプレイしていると、何回か勝てるようになった。


「よし、それじゃあそろそろ本番だね」

「本番?」

「そう。ゲームだからね、負けた方は勝った方の言うことを聞くこと」

負けた方が言うことを聞く。

その言葉を聞いて、お風呂場での出来事を思い出し、コントローラーを握る手に力が入る。


「ウソ……」

一回戦はお姉さんの圧勝だった。

教えている時の動きとは別人のようで、全く勝ち目なく終わってしまった。


「うーんそれじゃあどうしようかなー」

お姉さんがニヤニヤしながら僕を見つめる。


「それじゃあ……写真撮影ね!」

え?と戸惑っていると、さっそくお姉さんはスマホを取り出し、写真を撮り始めた。

そんなこと……?と思っていると、自分の今の格好を思い出した。

「お、お姉さん、やめて!」

「はーいじゃあ終わり」

お姉さんはスマホをベッドに放ると、コントローラーを握った。

じっとスマホを睨んでいると、

「明君が勝ったら、消してあげてもいいよ」

とお姉さんが言うので、僕もコントローラーを握った。


二回戦目、三回戦目、四回戦目もお姉さんが勝った。

結局また写真撮影と言って、猫のポーズや、スカートをつまむようなポーズを要求し、撮影された。


五回戦目、ついにお姉さんに勝った。

「あちゃー負けちゃったかぁ……しょうがない、写真は消すかぁ」

「ううん、写真はいいよ」

最初は恥ずかしかったものの、段々と慣れてしまって、写真はもうどうでもよくなっていた。


「ねえ、お姉さん。お風呂場のアレ……」

「……アレはね、男の子はああやって、体をキレイにしていないとダメなんだよ」

「……じゃあお姉さん。もう一回教えてくれる?」


スカートをめくり上げると、お姉さんは僕のパンツをずりおろした。

すでに盛り上がって、起立した部分をゆっくり剥いていく。

赤くなったところが段々露出するも、あの時ほどの痛さはなかった。


お姉さんの息を感じる程に、顔が近づいている。

ゆっくり手を動かし、刺激を与えられる。

思わず腰が引けてしまうも、がっしりお尻をつかんで引き寄せられた。

ねっとりとした手とは別の刺激が襲い、やがてぐねぐねした感覚が僕を包んでいくと、僕はまたあのチカチカした感覚に襲われるのだ。


乾燥が終わったのかピーという音が鳴り響く。


まだ心臓がバクバク言っている。

呼吸も乱れ、浅く息を吸ったり吐いたりしながら、床に仰向けで転がっている僕をしり目に、お姉さんは部屋を出て、脱衣所へ降りて行った。


お姉さんが乾いた服を持ってきたので、ようやく息も整った僕は、いそいそと元の服装に着替えた。

「よかった~シミになってなくて」

お姉さんが顔をほころばせる。

ありがとう、とお礼の言葉が出かかった口が、うまく動かない。


うつむく僕の手を取って、お姉さんが語り掛ける。

「本当にごめんね明君。きれいにお洗濯出来たと思うけど、許してくれるかな?」

僕は黙ってうなづくことしか出来なかった。

それでも、それを見てお姉さんはにっこり笑って、僕の頭を撫でた。


外は日が沈み始め、赤い光が僕を照らし、大きく伸びた影を描いている。

カァカァとカラスが鳴き、懐かしい匂いが鼻をくすぐった。

「それじゃあ、気を付けて帰るのよ」

「うん……ありがとう、お姉さん」

お姉さんはいつものように優しく微笑んで、手を振っていた。


「またいつでもいらっしゃい、明君」

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