第60話 戦いの結末
「2度にわたる
「ほっほっほ、甘ちゃんじゃのう。生きるか死ぬかの戦いに汚いも何もあるものか」
「っていうかあたしら騎士じゃなくて冒険者だし。そんなこと言われても
「正々堂々やって死んじゃったら意味ないですよね」
「ブフォッwww 汚いwww 卑怯者www カイトさん、
「ああいう
「はっはっは、カイトよ。それでも話は通じぬではないか(笑)」
「あ、本当だ(笑)。さすがロリマス。長い間ロリやってないな。はっはっは」
「こ、このゴミ以下のドブネズミどもがあああぁぁぁぁっ!」
俺達に散々
この
こんなのが司令官の立場にいるとか、ローソニア帝国は思ったより人材不足なのかな?
「貴様ら残らず殺してやる……一匹残らずこの場でなぁ!」
「……カイト」
「ああ、来るぞ!」
そんな奴が乗っているとはいえ、カリバーンとかいう
2度の不意打ちでダメージを与えてはいるが決定打には
油断はできない。
俺たちは武器を
「
司令官――ラウリィが名乗りを上げると、カリバーンの
炎は
「食らうがいい!
巨大な槍が光り
俺たちは
食らったら一発でアウトだな……。
「近づいたら危険だ。距離を
「了解じゃ!
「スーちゃんお願い!
アミカとクレアの遠距離コンボでカリバーンを
「くっ……やってくれたなネズミ。そこを動くな!」
ラウリィが
瞬間――光の
「聖弾タスラムで
「そんなことは……」
「僕たちがさせません!」
俺とピートが攻撃の前に立ち武器を構える。
俺はアイアンスコーピオンのフライパンを。
ピートは
「元野球少年
俺はアミカの前に立ち、聖弾タスラムに向けて思いっきりフライパンを振り抜いた。
そして
「こんなもの
ピートのほうもかなり吹っ飛ばされはしたが、しっかりと回し受けで軌道をそらすことに成功したようだ。
攻撃失敗を
その
あれは……ナイフか?
ミーナの投げたナイフはタスラムの
しかし、頭に血が上ったラウリィはそれに気づかない。
「この……ゴミども! 大人しく
――ドゴオオオォォオォォッ!
カリバーンの胸部が爆発した。
吹っ飛びはしなかったがラウリィが
「な、何だ!?
「砲塔に
「貴様の
ラウリィは
「タスラムを壊した
「またそれ? あたしに当たると思ってるの?」
「ああ、思っている」
次の瞬間、
小型の
「嘘!? 動けない!?」
どうやら不思議な
まずい! あれじゃ槍を
「
ラウリィが槍を振りかぶる。
「今から死ぬ気分はどうだ?
「うっ……くっ……」
「ミーナ! やめろクソ野郎! ミーナを放せ!」
「聞けんなぁ! まずは一人!」
巨大な槍が光を放ち、振り下ろされた。
「させぬ!
「おぉっ!?」
ミーナのすぐ横で重力場が発生した。
光の槍はミーナではなく、重力場に吸い込まれて地面を抉った。
「く……このガキィ! 許さん!」
カリバーンのスラスターが開いた。
高速移動でアミカとの距離がゼロになる。
――ドゴォッ!
――ボキボキィッ!
「ガハッ……」
「ガキはガキらしく眠るがいい!
ラウリィが高笑いを突然止めて俺を見た。
自分じゃわからないけど、一瞬で声を失うほどの恐ろしい表情をしていたんだろうと思う。
「……だぞ……めぇ」
「は?」
「死んだぞてめぇ! 生きて朝日を
「ひっ……」
俺はラウリィに向けて両手を突き出す。
「
放たれた2つの重力場。
ラウリィは1つは躱したが、重力に引かれてしまいもう一つがヒット。
俺の
「う、動けん! カリバーンの力をもってしてもだと!?」
もがくラウリィに向けて、俺は同じだけ力を込めた超重力をさらにもう一発放った。
2つの重力場が並び立ち、カリバーンを左右に引っ張り合う。
何十倍もの超重力で。
「うがああああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
――バキッ! ゴキッ!
――ベキャッ!
カリバーンが左右から真っ二つに割れてグシャグシャに壊れた。
その際、胸のあたりから試験管っぽいものに入った液体が飛び出す。
あれがネクタルか。
俺はネクタルを回収し、技をさsらに強めた。
「た、たたた、助けて……助けて、くれ……痛い……痛いイイイィィィッ!」
「そんなこと言われて、助けてもらえると思っているのか?」
「た、頼む……お願いだ……こ、殺さないで……」
「そう言った敵を、お前は一度でも見逃してやったことはあるのか?」
こいつの性格上、絶対にないだろう。
他者を見下し、劣等種など
「お前は死ぬ。2つの重力場に身を引きちぎられてな。そうなる前に全身の骨がグシャグシャになるから痛みで先に死ぬだろうけど」
「そんな……嫌だ……そんな死に方は嫌だぁ……」
「じゃあ重力場を1つに合体させてやる。
前にアミカと試合した時は、そうなる前にちゃんと解除した。
しかし、今はそうしてやるつもりはない。
「
「ど、どっちも嫌だああぁぁぁぁ……」
「俺は料理人だ。お前がどんな食材になっても、ちゃんと
「そう、あなたは料理人。その手で作るのは笑顔だけでいい」
――シュパッ!
どこからともなくナイフが飛んできた。
「ディスペルナイフ――私の持っているナイフの一つ。どんな魔法も切り
「ミズハ……」
ラウリィを助けたのはミズハだった。
ミズハは俺の横を通り過ぎると、落ちたナイフを回収する。
「魔法が効かないから常に手持ちじゃなければいけない。管理がちょっと
「お前……」
「お、おぉ……ミズハ! ミズハよ!」
自分が助かったと確信したラウリィはミズハに駆け寄り、彼女の身体に
「よくぞ来た! 無事でよかった! 殺されたのではと心配したぞ!」
「……そう」
心配なんて
「あのまま寝ておけば良かったのに。どうして来た?」
「……
後始末?
どういうことだ?
「さあミズハよ! 私に代わりこのネズミどもを始末せよ!
「うん、わかった。ただし――」
「?」
「始末するのはあなた」
――ズドンッ!
ミズハ近くの空間に穴が開いた。
空間の穴から
「な、何故……?」
「
「わ、私が……こんな……」
それが、ラウリィの最後の言葉だった。
ミズハは巨大な矢を回収すると、
「どうして途中で止めたんだよ? どうせ始末するならあのままでも……」
「あなたは料理人。どうせ殺すなら暗殺者の私の方が
「暗殺者
「今日限りで。まだ今日は終わっていない」
「それ言うなら俺との賭けだってまだ終わっていないぞ」
「私はもうあなたを殺す気はない。あなたの勝ち確。だから、今負けても同じ」
そう言うと、ミズハは俺からネクタルを
「賭けは私の負け。料理、教えてくれる?」
「ああ、もちろん」
ようこそ、俺の
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《あとがき》
すいません。お待たせしました。
夏場は暑苦しくてなかなか予定通り投稿できないですね。
スケジュール少し調整しようかしら。
読み終わった後、できれば評価をいただけたらと。
作者のやる気に繋がりますので。
応援よろしくお願いします!
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