第3話 多細胞生物をつくろう!

 期待していた多くの種を絶滅させてしまったことによって、進化に使った500ポイントとこの星での5000年を失ってしまった。


 俺がいない間にいくつもの火山が噴火して、火山灰と有害なガスが発生し海に溶け出してしまっていたようだ。


 産まれたばかりの種族達には生存できる環境ではなくなり絶滅してしまった。

 

 このままだとまだ残っている種も死んでしまうので、早急に何とかしなければならない。


 幸い火山の噴火は既に収まっているようなので、海と大気を綺麗にすれば元の環境に戻るだろう。それだけならば250ポイントで何とかなりそうだ。


 今回のやらかしで残り少ないポイントから再起しなければならなくなった。とは言っても神Pは使ったらそれ切りではなく時間経過で増えていく。


 神Pは世界の安定度を表している。一般的な世界は神の力の反動で不安定になってポイントが減ってもずっとそのままではなく、だんだんと修復して安定に戻っていく。


 この世界にもある程度の自己修復的な性質があるので少しづつポイントは戻っている。いまの世界の状態だと1000年で100ポイントずつ戻っているので、現在は3625ポイント残っている。


 ポイントが回復する量は常に一定ではなく、より世界が強固になることで増えていく。強固になるとは、より複雑な生命体や文明などがあればあるだけより強くなっていく。


 つまり世界が発展していけばいくほど、より色んなことが出来るようになるということだ。


 ということで、次はポイントを一気に使うかわりにより発展させてその分回復量を増やそうと思う。気合を入れて、一気に今いる単細胞から多細胞生物まで進化させてみるとしよう。


 ガイドによると、「多細胞生物を生み出すには今いる1番単純な種族から進化し、種の数を増やして同じ生命として共生し、より大きな生命にならなければならない。多様な生物がひとつの生命として活動するのはお互いの弱点を埋めることもあってより早く進化していく。」とある。


 まず、同じくらいの構造の種をもう一度20種ほど進化させよう。…成功だ。こいつらが上手いこと共生してくれればいいんだが…。少し様子を見てみないといけないな。


 あれから1000年ほどたった。絶滅に繋がりそうな環境変化をポイントを抑えながら整えたり防いだり、できそうな進化で種族を増やしたり、などとしているうちになんと小さな生物達が共生しはじめた。


 そのままどんどん成長していって、いまちょうど海綿的なものになりそうだ。早速進化させよう!今回はもう進化待機状態になっているのでポイント消費はなしだ。


 よし!成功した。最初の生物に比べるとサイズでいえば何兆倍も大きくなっている。これはとても大きな一歩になるぞ!


 しかしまだこの子達がより複雑に進化するには栄養が十分に供給されてないように見える。

 少しポイントがかかるが500ほど使って栄養を海と陸地の湖に与えて少し待ってみよう。


 また少し時間がたった。そして暖かい浅瀬の周辺で何やら大規模な進化が出来そうになっている!ポイントは少しかかるがそこに目を瞑れば、たくさんの複雑な生物へと進化させられるかもしれない。


 今までとは違ってより複雑な生物で、それこそ動物といえるほど活発な動きも出来そうなものもいて、少し緊張さえしてしまうが実行してみようと思う。


 おお!何種かうまいこと成功したようだ。1つ例に上げてみると、このパンケーキ状の生物がわかりやすいだろう。


 なんとこの生物、1m程の大きさもある。見た目は、平たくて楕円形の1mもある生物がうねうね動いている。骨はないので軟体生物と言えるだろう。他にも骨がないクラゲのようなものだったり、多種多様な軟体生物が誕生したようだ。


 しかし、軟体生物ばかりでは今後の幅が狭まってしまうな。与える栄養を少し変えてみるとしよう。


 これが上手くいったようで、与えたなかの1つであるカルシウムから外骨格をつくり、身を守る生物に何種か進化させることができた。


 しかし、生物たちは与えられたもので上手く環境に適応しようしている。精一杯生きていこうとしているようにみえて、とても健気で可愛い。


 このまま知能を持った生物もそう遠くはないんじゃないだろうか。そこを一旦の目標として発展させていこう。

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