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ランス様の部下の三人は、旅の間、一人は遠く前方を走り、私たちがこれから進むべき道の安全を
馬車で十日と言われていた旅だったが、どうやら六日で領地に到着しそうだ。それもこれも皆様の
私のお尻の皮は、乗馬レッスン三日目で
旅も五日目となり、景色は
その土地は深い森に囲まれていて、奥に
「俺は任務で何度も行ったことがあるが、領主として
カリーノ領は、このたびの領主交代によって名前がキアラリー領に
「なぜカリーノ伯爵は領地を返上されたのでしょう?」
「ご自身が戦えなくなり、
戦える領主でなければ生きていけない厳しい土地なのだ。いつの間にか緩んでいた気持ちが引き締まる。
「しかし、深い森があるということは、森の恵みも多いということ。いつもたくさんのご
食べ物で
「城は前領主の使用人のうち、その地に残りたがった者をそのまま
思った以上に大所帯のようだ。
「ランス様は
「……困っている。勝手に神格化されて」
〈死〉という〈祝福〉のもと、死神の役割を
「それは困りましたね……」
「……そうだろう?」
私は深く同情し、ウンウンと頷く。
「とりあえず、
「
「はい、領主としてはランス様はまだ一年生なのですから。で、私は結婚後は
新しい土地には幸いにも、ランス様と私の〈祝福〉を知る者はいないはず。ランス様はしばし〈死〉を忘れてもいいのではないだろうか?
「ただの領主とただの妻か……」
「領主業、頑張ってくださいませ。私もささやかですが手伝います」
王都から離れ、しがらみから離れ、ランス様が少しでも
前方から
何事かと思えば、先を進んでいたワイアット様が戻ってきた。後方にいたダグラス様とロニー様も
「どうした?」
「ここから一時間ほど行った先で
全員がランス様の
「えー、では夜駆けしよう! ということですか?」
「いえ、馬を休ませねばなりません」
と、ロニー様が自身の
「よくわかりませんが、ランス様の考える最善でよろしいかと」
「森で野宿だ」
なんだ、野宿か。
「かしこまりました」
「よ、よろしいのですか? 野宿など、ご令嬢が!」
よっぽど驚いたのか、無口なワイアット様が
「今夜はお天気ですし、皆様は野宿に慣れているでしょうし、問題ありません」
雨のキャンプは最悪だ! というのが前世の林間学校
「足を引っ張ると思いますが、よろしくお願いします」
私は頭を下げて、心配ないと
ワイアット様はすでに野営に適した、平らで水場に近い土地の目星をつけていた。そこに到着し、ランス様がOKサインを出すと、
そんな私にワイアット様が
「エム、ここには大型動物の
なるほど、トイレを済ませたり、小川の水にタオルを
ランス様が軽く手を上げて去ったあと、私はここ数日で仲良くなった馬たちが草を食べている間に、
リングの黒をはじめ、白、
馬たちの埃や
次にいつ一人の時間が取れるかわからない。試すのを迷う
私は馬たちにちょっと待っててねと声をかけ、自分の
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