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*****
私が
婚約破棄ならば貴族としての生命を
婚約解消であれば、ある程度の
私の行き先はバルト領の神殿
父と二人で静かに
「お父様、このような仕打ちも今日限りです。清々しますね」
「ああ……本当だな」
父が苦笑いして
王の私的なこぢんまりした応接室に案内された。
私と父は作法どおりに陛下に
「バルト
私は父が座ったのを
実は陛下とは、これまでも年に数回は会ってきた。コンラッド殿下とのお茶会や、
それは
そんな私に陛下は
「エム、バルト伯爵にはすでに話したのだが……今回のバカ息子の件、悪かった。余は今でもエムを
「…………」
なんと答えろと? 表情を変えないために、親指の
「婚約解消としよう。バルト伯爵家のこれまでの忠義、感謝する」
解消だ……胸を撫で下ろす。頭を上げると陛下と目が合った。発言を
「……国王陛下の
国を出ず、〈運〉を最大限に使って祈りますという提案だ。これに文句は言えないだろう。
「エム、いや、エメリーン
「は?」
思わずおかしな声が飛び出してしまった。
婚約解消されたのだ。私がどこに向かうかは家長たる父が決めること。陛下に口を
「陛下、
「その案は
「「婚約?」」
想像もしなかった言葉に私は開いた口が
隣を見ると、父も
「入れ」
陛下が入室を許可すると、衛兵がドアを開けた。
そこには
「「!!」」
目が合った敵を燃やすと言われる紅い瞳、
「ランスロット・アラバスター将軍閣下……」
最高位の黒の軍服を
出会ったあの日、私の体調は最悪で、すぐにマントの下に入ってしまったので、こうして正面から至近
「エメリーン嬢、我が国の
思わぬ事態にますます混乱していると、閣下は私たちの正面に静かに腰を下ろした。
大の大人が四人もいるというのに、応接室はしばらく無言だった。時計の針の音だけがカチコチと
やがて、私の頭が最悪の仮定を
ここで言わなければ、今後発言する機会などない。私は勇気をかき集めて口を開いた。
「恐れながら、私の〈祝福〉などあてにならないと王子殿下がおっしゃったのを、覚えていらっしゃるでしょうか。私自身そう思います。私などが将軍閣下に〈祝福〉の
将軍閣下との婚約を
将軍に必要な〈運〉とは? もちろん勝負運だろう。それもカードゲームやちょっとした
私自身、この〈祝福〉の効果を実感したことなどないのに、私を
私の言葉に隣の父が苦しげに顔を
「エメリーン嬢……おまえは決してキズモノなどではない」
陛下は
そんな
「バルト伯爵令嬢エメリーン、これは王命だ。騎士ランスロットを良く支えよ」
王命……。
父が静かに頭を下げた。私もならうしかない。
「私と伯爵は席を外す。当事者同士、とりあえず少し話すように」
陛下が私のほうを見ることなくスタスタと退出する。父は私の手をギュッと握りしめてから、陛下のあとに続いた。
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