第21話 見られてた

「おお!君たちは、噂の神と加護持ちじゃないか。そちらの少女も加護持ちみたいだな!」

「え、ええ。」

安心したかのように話しかけてくる門番。

「今日、魔物を見た、という情報があってな。無事でよかったよ。」

ん?

「特徴をお聞きしても…」

カリーノさんが倒す気満々だ!

「そうだな、黒い物体が崖を上がりながら死体を持って行っていたようだ。」

あれ?俺達も崖を...。

「遠くから見たから服装などで、誰かを特定して家族にあわせるのは難しいらしい。かわいそうに。」

カリーノさんも何かを察したのか目が泳ぎ続けている。

ゴーレムさんも表情が動揺している。

俺も体が震えるのが止まらない。

言えない!俺達です。だなんて!

「俺が、行って助けてやりたいなあ。せめて埋葬くらいは…」

生きてます!その人たち俺達です!

「…怖いのか?そうか。俺より年下だもんな。すまなかった。こんな話をして。」

「だだだだだ、大丈夫でででしゅ...!」

ゴーレムさん⁉焦り過ぎ!!

「よくああああああります!」

カリーノさんまで!

「情報ありがとうございます。気を付けますね!」

ヤバい。笑顔を保つのに必死だ。

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