第13話 暴食の国って…
「この国って何か美味しい物が多いですけど、謎な事も多いんです。」
「え?そうなんですか?」
やっぱり七つの大罪の名前だから…?
「ええ。例えば、この国の料理を食べた人の未来や、過去が突然見えるようになるらしいです!」
へー。美味しいだけじゃなく、そんなことまで。俺も見れたりしないかな。
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「わあ!私お友達が出来るんですか?楽しみです!」
これは…誰だろう。カリーノさんに似てるような。
「えぇ。そうよぉぅ。あたしの占いは凄く当たるんだからぁん。」
カリーノさんの義理のお母さん⁉
え。皆髪の毛無いから集中できないな。
「それに、神様に今、見られてるわぁ。」
怖いなこの過去⁉何で分かるんだよ!
「あー。本当ですね~!」
だから何で分かるんだよ!でもこの時会っていたんだとしたらカリーノさんは覚えててくれたのだろうか。
これ俺どういうこと言えばいいんだろう。
「ありがとうございます。」
これだな!
カリーノさんから憧れの視線を感じる。ここでもプレッシャーが…。
その後、かくれんぼして遊んだのだった。
しかし、カリーノさんがなかなか見つからないのだ。
カリーノさんを見つけないと!
家の近くにも隠れていない。
だから遠くにいるのかと思って、俺が最初にいたところに行ってみた。
「どうしよう。ここどこなの…」
泣き声が聞こえる。
少しずつ、近づいて行った。そして姿が見えた時、俺は、カリーノさんに慌てて走って向かった。
「カリーノさん!」
「め、女神様…!ご、ごめんなさい。私…」
カリーノさんは泣きながら俺に抱きついてきた。
「大丈夫です。俺はカリーノさんに怪我がないだけで嬉しいですから。」
俺とカリーノさんはその後一緒にカリーノさんの家に帰った。
「カリーノちゃん!良かったわぁ…!!」
「ゴホッゴホッお義母さん、骨折れる…」
カリーノさんは先程より重傷になったけれどにこりと笑った。
「あ、あの、女神様…ありがとう。また会えたら、貴女の信者と名乗ってもいいですか!」
「勿論。今度も、あの場所で会いましょうね。」
「!はい!」
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「…」
「あの、何かありました?」
俺がぼーっとしていたのか、カリーノさんが心配している。
「俺、余り記憶が無いんです。」
「え?」
実際に会っていたのは俺なのか?それとも、実際のナノルかもしれない。
だけど。
「貴女が覚えていても俺が覚えていないかもしれない。
次の国に行ってもそれでも俺と一緒にいてくれますか?」
「…私はついていくと決めたんですよ?突然過去でも見えたんですか?」
ニコニコと笑うカリーノさん。
「いつか今の俺が消えても、あの場所で会いたいですね。」
「…!そ、そうですか。」
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