第4話 神の加護

「結構強いですね。」

え?これ俺の逃げ場ないじゃん。怖いんだけど。

「ほ、本当ですか!」

嬉しそうにほほ笑む信者さん。髪が無くても可愛いっ!!!

目を全力で逸らさないように満足しているかのような微笑みを俺も向ける。

「では、貴女に『神の加護』を…。」

どうやって渡すんだよ⁉誰か助けてくれ⁉

嬉しそうにしてるけど、変わってない…。どうしよう。失敗したなんて言えない⁉「わ、わあ…。髪が生えてます…!」

瞬きしたら伸びてました⁉しかも髪が出来たことによって、更に美少女に…!

なんということでしょう。もう、俺はこの人と、目を合わせることが出来ません!

「わ、私でもこんな風に慣れるんですね…。嬉しいです。女神様…」

自身が無さそうに俺の手を握ってニコリと笑ってもらえた。

こんな美少女に俺、元は髪が無い引きこもりの男性だよ。だなんて言えない…!

バレたくない!!

「良かったですね。」

俺は全力で笑顔を保ちながら、視線の逃げ場を探したのだった。

「わ、私、絶対に女神様を守りますね…。家族に、伝えたいのですが、一緒に来てくれませんか。紹介もし、したいので…」

「ええ。いいでしょう。」

え。待って。これ以上人増えるの?俺話せないんだけど⁉

笑顔で了承する俺に内心では凄く焦っていた。ヤバい。俺帰りたい…。

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