ステラ&シグマの実況・解説⑤
「エレオノーラさんの1体目は天使のレミエール!対する柊さんの1体目は大罪種のユン。昨年の秋に行われたBトーナメントで衝撃的デビューを飾るも未だに情報があまりありません。恐らくは大罪種の嫉妬であろうと思われます!」
「まあ、わかってる情報も薫くんのアルバス相手に無双したことくらいだからな。そして唯一わかっている神技・エンヴィーは恐らく、スキルを封印し、直後に自分がそれを発動するとかだろ。っていきなり初見殺しとも言える飛行封じ――いや、飛行を封じて奪ったな」
「封じるだけに留まらず、なんと!ユンが飛んでいます!!通常スキルでこれほど強力とは!さすが大罪種!!!!」
「飛んだことがインパクトでかくて忘れてるかもだが、レミエールのバフもコピーしてるな。なんとなく、嫉妬の力が見えてきた」
「上空から魔法の雨が降っていますが、見事に全て回避しています!これはかなりの長期戦に――」
「お!?今の必中効果の付与だな!最初から付与しなかったこと考えると何かしら条件でもあるのか?」
「これはかなりの短期戦になるか!!!!それにユンは未だに神技・エンヴィーを使っていません!」
「まあ開幕ぶっぱで問題無い脳筋スキルじゃないからな。そこは考えて使わないと強力なスキルも意味が無い」
「ん!?な、なんと!ここで神技・レヴィアタン!!」
「悪魔の名を冠した神技。大罪種のモンスター最強の神技だ。それをここで使うか!?」
「しかし、エレオノーラさんも即座に対応しています!神技・熾天激流剣で迎え撃つ!」
「うーん、どうだろうな。恐らく、反射で神技を指示したと思うが、嫉妬の大罪種が使うスキルは封印やコピーが多い。それに特化した効果だとすると神技を使った応戦は悪手かもしれないな」
「なっ!トーレントノヴァとセイクリッドノヴァを破壊した!?しかも今のは――」
「間違いなくトーレントブレイクとセイクリッドブレイクだな。これではっきりした。神技・レヴィアタンは相手モンスターのスキルが使えるようになる。だが、これだけだと弱いな他にもありそうだが、」
このバトルでお披露目されることはありませんでしたが、レミエール以外のモンスター、ユヌスなどが使える通常スキルも神技・レヴィアタンでユンは使えるようになっています。
「バトルの主導権は完全に柊さんが握っていると言っても過言ではありません!回復魔法でなんとか耐えていますが、神技・レヴィアタンの効果でユンがレミエールの通常スキルを全て使えるとなると回復魔法も使える筈!」
「エレオノーラとしては早々に動かないとマズいな。ただ、打てる手があるかは別問題になるが。――ここで勝負に出るか」
「レミエール、ここで神技・アクエリアス!!その剣先から激流の如く水が解き放たれます!!!」
「さすがに直線的すぎる。これじゃあ回避してくださいって言ってるようなものだぞ。ん?お、マジか!随分と器用なことするな!」
「なんと!レミエールが剣先を手元で少し動かすだけで変則的軌道の攻撃に変貌!!必要最低限の動きで回避していたユンはこれに被弾!!」
「空を飛ぶことに慣れていないユンなら無駄な動きをしない。そこまで読み切った上での一手。これは流れが変わるか?」
「ここで追撃の神技・レミエルでしたが、ユンの神技・エンヴィーによって封じられた上に奪われます!」
「ここで使うのか。もしかして攻撃に特化した神技を取得していないのか?攻撃特化の神技があるならわざわざ神技・エンヴィーをここで使う必要無いからな」
「つまり、神技・エンヴィーはもう少し温存しておくべきだということですか?」
「いや、神技・エンヴィーはレミエールの神技と相性があまり良くない。封じたスキルはその後、強制的に発動する。近接戦が不得意のユンがレミエールの神技・レミエルを使ってきても大した脅威にはならないにも関わらず、使うのは他に打てる手が無いことを示しているように思える。そう思わせて強烈な一手があるかもしれないが、ここまでするメリットが存在しないと私は思う」
「あ、」
「やはり何も無かったな」
「近接戦が不得意のモンスターが近接戦をするとああなるんですね。さあ、気を取り直して両者、2体目のモンスターを召喚します!エレオノーラさんはユヌス。柊さんはシルヴィーユです!」
「シルヴィーユか。妖精女王のレティアじゃないのか」
「おや?随分と意外そうですね?シルヴィーユは柊さんのエースモンスターですが、」
「エースモンスターだが、シルヴィーユはサポート能力の高いモンスターだ。ユヌスと1対1は分が悪いと思うが――。ん?ユヌスが付与したバフが消滅した。何が起きた?」
「おおっと!解説のシグマさんですらわからないことがフィールド上で起こりました!!恐らくはシルヴィーユが何かしらのスキルを使ってユヌスのバフを消し去ったのでしょう!そう考えることにしましょう!」
「冷静に割り切ったな。わからないことはわからない。深く考えすぎないこともバトルでは重要だ。ただ、流れは完全にシルヴィーユにある。最後、逆転劇を見せユンを倒し、流れを掴みかけていただけに勿体ないな」
「シルヴィーユの猛攻が続く中、エレオノーラさんが神技を使った反撃に出ます!」
「これは想定外みたいだな。ここで追撃を決めれば、一気にシルヴィーユのHPを削り…。マジか、神技を跳ね返すか。初見でこれはキツいな」
「跳ね返ってきた攻撃でユヌスはダメージを受けています!シグマさん、この仕様を知らない人の為に解説をお願いします!」
「自分の放った攻撃でダメージを受けることは無い。これは絶対だ。だが、自分が攻撃を放ち、自分に当たるまでの間に何かしら相手モンスターが発動させたスキルによる干渉が存在すれば、話は変わる。今回は神技・竜雷華がシルヴィーユの恐らく神技によって跳ね返った。ユヌスに当たる前にシルヴィーユの神技が干渉しているからユヌスにダメージが入る」
「確かイベントでは通常スキルを跳ね返す戦い方をしていましたが、まさか神技も跳ね返せるとは。驚きました」
「情報の重要性をよく知っているな」
「おや?今度はシルヴィーユが消えました!これはフィールドの展開でしょうか?」
「消えたと思ったらどこからともなく、攻撃が飛んでくるか。効果まではわからないが、範囲攻撃で吹き飛ばすのが、一番効果的の気がするな」
「エレオノーラさんもシグマさんと同様の結論に至ったのか、範囲攻撃の麒麟で攻撃します!」
「攻撃だけじゃないな。シルヴィーユの居場所をある程度、特定するのも兼ねている。ちょうど雷の柱が昇った所にいるな」
「その場所目掛けて神技・インドラ!!しかし、それと同時に防御スキルの神技・ミラージュスフィア!!惜しくもあと一歩及ばずか」
「いや、神技・インドラにしては規模が小さいな」
「ああ!今のはもしや!神技・インドラ!?そうなると先ほどのはフィールド上の視界の悪さを利用したフェイク!!!!」
「経験の差が出たな。この状況で咄嗟にこれだけのことができるとは、恐れ入る」
「フィールドから靄が消え、立っているのはユヌ――え?シルヴィーユです。なんとシルヴィーユが立っています!!そしてユヌスDOWNのウインドウが表示されています!!!!!」
「…シルヴィーユの残りHPは1。…!!そうか。ユンのプリンセスヴェールの効果か!あれでシルヴィーユにも食い縛りが付与されていたんだ!」
「!!つまり、神技・インドラの直撃を受けたが、食い縛りのおかげでHP1残して耐え、その後の反撃でユヌスを倒したと!!」
「薫くんもだが、隠し玉が上手く刺さっているな。対戦カードが決まった時は相性が特別良いわけじゃないと思ったが、ちゃんと考えられている。運も絡んでいるが、実力が伴っていないと12神には勝てない」
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