第222話 VSロイヤルナイト セレーネ&ライズ
パーティーを再編成してリベンジの時。
その先陣を切るのは12神のお2人。
「セレーネ、聖女の祝福、博愛の加護!」
「ライズ、ヒーローライジング!」
聖女の祝福はセレーネ自身には効果を発揮しないけど、他のモンスターにバフを付与する。博愛の加護は逆に自分にバフを付与する。
ライズのヒーローライジングは自身の全ステータスを2倍に強化するスキル。
これに呼応し、ロイヤルナイトのステータスも上昇する。
セレーネやライズからタゲを奪わないように他のモンスターは空を飛べるモンスターの強力を得て、遥か上空で待機中。ブルーに至ってはエルナの頭の上でふんぞり返っている。
まあ、他に居場所が無かったからだけど。なんか申し訳ないな。
「ライズ、神技・正義のヒーロー、正義は必ず勝つ!」
「セレーネ、神技・博愛の聖女!」
神技・正義のヒーローは全ステータス2倍、被ダメ半減、与ダメ2倍、ヒーロースキルのクールタイム無視と効果がエグい。
セレーネの神技・博愛の聖女も負けず劣らずの性能で全ステータス2倍、回復スキル効果2倍、回復魔法全体化、回復反転、継続回復付与などがある。
この中でも回復魔法全体化はヒールなどの単体回復の対象が1体からその場にいる全てのモンスターになる。
これに回復反転が加わると更にとんでもないことになり、回復魔法を使う度に敵モンスターはダメージを受ける。
そして継続回復付与にもこれは適用される。
つまり、状態異常とは別に敵モンスターは継続ダメージを受けることになる。
ロイヤルナイトが最初にその視界に入れたモンスターはセレーネだ。
真っ先に回復役のセレーネの所へ。
「セレーネ、神秘の守護結界!」
だが、ロイヤルナイトの攻撃はセレーネに届かない。
セレーネの目の前に展開された結界に阻まれている。
そうして動きの止まったロイヤルナイトはライズにとって格好の的。
「ライズ、ヒーローナックル、連打!」
本来なら単発スキルのヒーローナックルだが、神技・正義のヒーローの効果でクールタイムを無視している。
リーフィアみたいにダメージを与えないと無視できないわけじゃない。仮に攻撃を外してもクールタイムは無視し続けることができる。
正にいまのらいずはヒーロースキルを無限に発動できる。
「ライズ、ジャッジメントヒーロー!」
ヒーローナックルの連打で吹き飛ばしたロイヤルナイトに全体攻撃魔法のジャッジメントヒーローで追撃を仕掛ける。
ヒーロースキルのクールタイムを無視できるなら、ジャッジメントヒーローを無限に発動し続ければと思うかもしれないが、そんな簡単にはいかない。
ジャッジメントヒーローには極大のデメリットがあり、フィールド全体を眩い光で覆ってしまう。
それによって敵、味方の位置が把握できなくなり、何かあった時に対処が遅れる。
それに加えて光属性の魔法なので、ダメージ覚悟ならジャッジメントヒーローが発動していても敵モンスターは自由に動き回れる。
ただ、ジャッジメントヒーローは全体魔法だからダメージ覚悟とかは関係ない。なので実質、味方の視界を潰し、敵モンスターの行動を把握できなくなるというデメリットの部分の方が大きい。
「ライズ、正義執行!」
「セレーネ、魔滅へ博愛の祈り、博愛の障壁!」
ジャッジメントヒーローで視界が潰れているにも関わらず、昇華スキル正義執行で上塗りする。
そこを魔滅へ博愛の祈りでライズが直前に使ったスキル、正義執行、ジャッジメントヒーロー、ヒーローナックルの威力を大幅に増幅させて、打ち出す。
しかもロイヤルナイトの防御力を低下させるおまけ付きだ。
恐らく、この場にいた全員が同じことを考えたことだろう。
眩し過ぎて何も見えない!!
「ライズ、ヒーローナックル!」
突如として響くジャスパーさんの指示。
その後、ボス部屋を覆っていた光は霧散する。
その原因となったのは、ロイヤルナイトの二本の剣とライズの拳が衝突したことだ。
え、光って衝撃で霧散するの?
ちょっと光について詳しく知らないからわからないけど、物理法則的に絶対ありえないよね!?
ゲームだから有りなのか?
「ライズ、ヒーローアッパー!」
ロイヤルナイトの二本の剣と拳が衝突している最中、小柄な体躯を活かしてスッと懐に入り、アッパー攻撃をかます。
「ヒーローシュート!」
そして宙に浮いたまま体勢を崩すことなく、蹴り飛ばす。
普通にドレイクよりライズの方が強そう。てか、強くない?
「セレーネ、聖女の祈り!」
「助かる。ライズ、一気に畳み掛けるぞ!神技・悪、粉砕!」
ライズの神技・悪、粉砕は闇属性の使える相手に使うとダメージ4倍というロイヤルナイトの天敵とも呼べるスキル。
ここまでロイヤルナイトは前回のバトルで使った闇属性全体攻撃の昇華スキルを使ってこない。いや、使いたくても使えない状況に追い込まれている。
ライズの猛攻がそれを許さない。
だが、このまま押し切れるほどロイヤルナイトは甘くない。
闇ではなく、光を纏ったロイヤルナイトの一撃はセレーネが展開した二つの結界を容易く斬り裂いた。
「!?たった一撃で!うそ…」
「くっ、攻撃力は今のライズより上か。なら徹底して下げる!」
「…薫くん、ロザリアさん、琴音さん、いつでもいける準備しといて。これ思ったよりもヤバい」
輝夜さんの発言を受けて薫先輩たちが一歩だけ前に出る。
結界が一撃で破られたのは確かに驚いたけど、それだけの筈。
この押せ押せの状況で何がヤバいのかはわからないけど、輝夜さんがそう言ったのならたぶん状況はよくない。
「ライズ、神技・闇堕ちヒーロー、アンタッチャブルゾーン!」
神技・闇堕ちヒーローを使ったライズの姿は光り輝くヒーローから闇に堕ちたダークヒーローのような見た目に様変わりし、ボス部屋が闇に染まる。
するとロイヤルナイトが放っていた光が突如として消える。
「アンタッチャブルゾーンが展開されている今、敵味方関係なく、光属性は全て無効だ」
敵味方関係なく、光属性は全て無効。それだとライズもスキルが使えなくなったりするよな。
それにセレーネも本来の力を発揮できない。
「光がダメなら闇に切り替え。そう来ると思った。本来の使い方とはちょっと違うけど、いけるでしょ。セレーネ、神技・無垢の変貌!」
光を纏ったかと思いきや、すぐにその光が収まる。まるで消えて無くなったかのように。
セレーネの神技・無垢の変貌が何かしらの効果を及ぼしたんだろうけど、それって確かアテナのリヴィングウェポンが武器・防具判定からモンスター判定に変わるきっかけを作ったスキル。
一体、どういう効果なんだ?
「よく聞いてね。これで現状、ロイヤルナイトの闇属性は永続で封じられた。でも、光属性はライズが倒されてフィールドが解除されるとまた使えるようになる。この意味わかるよね?何で私とジャスパーが先陣を切ったのかも」
輝夜さんとジャスパーさんの狙いは最初からこれだったのか。
ロイヤルナイトの弱体化。闇属性は永続で使えない。それだけでも十分過ぎるけど、それに加えてアンタッチャブルゾーンを展開している今、恐らくだけど、ライズの闇属性スキルを強化する効果もあると思う。つまり、ここからはデバフで徹底して弱らせる作戦だけど、セレーネも光属性のスキルが使えない。
「ライズ、ジ・エンド・オブ・ヒーロー、ラストヒーロー!連続で続けろ!」
「セレーネ、神技・闇を照らす希望の光!」
ジ・エンド・オブ・ヒーローは全体攻撃スキル、ラストヒーローだけが単発の魔法攻撃スキルだけど、共にヒーロースキルだからクールタイムを無視して無限に放てる。
そしてアンタッチャブルゾーンによって光属性が封じられているにも関わらず、セレーネは光属性のスキルを使っている。
これは神技だから使えるとかではない。
セレーネの神技・闇を照らす希望の光は決して封印できない効果を持っている。
仮に大罪種、嫉妬のお姫様のユンが神技・エンヴィーを使ったとしても封印は不可能。
セレーネとライズのコンビはロイヤルナイトを確実に追い詰めている。
既にHPを3割近く2体だけで削っている。
だが、この状況はすぐに崩れると輝夜とジャスパーの2人だけが気づいている。
じわじわとロイヤルナイトはライズの攻撃が見切りつつある。
(再び近接戦に持ち込んでもこの感じからして通用しないな。
「輝夜、あれを使う!」
「オッケー、いつでも大丈夫!」
「よし。ライズ、
「セレーネ、魔滅へ博愛の祈り!」
発動時に必ずHPを消費する必要がある。
それを100%で放つということは全てのHPを消費することを意味する。
これにより、ライズは
そしてセレーネの魔滅へ博愛の祈りによって威力が増幅された
捨て身の攻撃の結果、見事に宣言通りロイヤルナイトのHPを半分削り切った。
ライズが倒れたことでアンタッチャブルゾーンは解除され、光属性が使えるようになったが、それはロイヤルナイトも同じ。
アンタッチャブルゾーンの解除と同時に極大の光線をセレーネに向けて放つ。
結界を再度貼って時間を稼ぎ、状態異常によるスリップダメージでダメージを稼ごうとしたが、あっさりと結界を破壊され、セレーネのHPも0に。
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