第186話 2年生の部 優勝は?
今日は
当然のように薫先輩も勝ち進んでいる。
ここまでアルバス1体で完封し続けている。ドランバードの出番はあるのかどうか。とにかく実力に差がありすぎる。
あ、そうそう。リベリオンのみんなはロザリアさんを除いてみんな帰ったみたい。
なんでももっと強くなる為にLv上げに励むとか。
俺も負けてられないけど、今日は応援!
ちなみに1年生の部の優勝予想はみんな外したらしい。
俺と郁斗の準決勝第1試合が事実上の決勝戦みたいな認識で俺と郁斗にしか票は入らなかったみたい。
それで勝ち進んだ俺がオリヴィアに決勝戦で負けたからね。あ、でもオリヴィアが準決勝を勝って決勝戦まで進むのはみんの意見が一致してたみたい。
薫先輩は順調にアルバス1体で完封勝利を収め、決勝戦まで駒を進める。
薫先輩と決勝戦で戦うのは野田龍介先輩。
俺は見てないから詳しくは知らないけど、琴音先輩によると去年の学年別個人トーナメント1年生の部で野田先輩は準々決勝で薫先輩とものすごいバトルを繰り広げたとか。
去年は準々決勝が事実上の決勝戦って言われているみたいだし。
薫先輩はこれまで通りに1体目はアルバス。
野田先輩はルオーラという名前の恐竜系のモンスターに見えるけど、原型がわからない。
背中には翼が生えてて、頭部には角が三本。プテラノドンとかトリケラトプスかな。
二本足なのか四本足なのかよくわからないけど、鋭い爪もあるからここはティラノみたいだな。
そして、尻尾の先端部分にはにはなんか刺々しい球体がある。これはよくわからない。
バトルの方はとにかくバフを積んで戦うタイプみたいで、リベリオンとのギルドバトルでロザリアのミザリーと戦った時みたいな展開になっている。
バフを付与してもアルバスのデバフで相殺される。
これを繰り返しつつもしっかりとお互いに攻撃を与えている。
でも、神技禁止ルールの影響かな。アルバスの付与するデバフの効果があの時よりも低く、徐々にバフ・デバフ付与合戦でアルバスが不利に。
神技・スロースが使えないと厳しいみたい。
そしてルオーラがアルバスを倒し、野田先輩が先手を取ったように思えたが、相手を道づれにするスキルを上手く発動しており、同時にDOWN。
薫先輩もただではやられないな。
これで一応、状況はイーブンだけど、流れは確実に野田先輩にある。
薫先輩はここからどう巻き返すのかな。
薫先輩はエースモンスター、ドランバード。
たぶん野田先輩もここでエースモンスターを出す。
ここまで薫先輩同様にルオーラだけで完封しているからどんなモンスターを出すのか何もわからない。
野田先輩がフィールドに召喚したモンスターはジオルグという名前の人類種のモンスターだ。
だけど、普通の人類種とは違う。
混血の人類種は召喚石で召喚できる超レアモンスター。それ以外で捕まえる方法は無かった筈。
混血の人類種は複数の人類種の特性を兼ね備えている。それに純血に比べて初期ステータスなども高い傾向にある。
見ただけでもわかる。ドワーフとエルフの混血。でも、それだけじゃない。明らかに他にも混じってる。
背丈の低いからドワーフに見えるけど、耳がエルフみたいに尖っている。
そしてお尻からモフモフの尻尾が生えている。ただそれだけではどの獣人との混血かまでわからない。
武器は持ってない。ネメアのデスサイズみたいに武器を顕現するのかな。
その場合、顕現される武器はリヴィングウェポンだよな。ドワーフなら混血といえど、武器・防具の強化系のスキルもあるだろうし、ステータス面でドランバードとほぼ互角かもしれない。
空を飛ぶドランバードに対してジオルグは魔法で攻撃。しかも闇属性以外全ての属性が使えるみたいで単純に手数が多い。
このままでは一方的に攻撃されるだけと悟ったのか薫先輩はドラゴンブレスで応戦するとジオルグには届かない。
ここで薫先輩は近接戦を仕掛ける。
野田先輩もドランバードは近接戦でこそ真価を発揮することを知っている。当然、こうなると想定して対策を練っている。
ここからは拳と拳がぶつかり合う激しい攻防が繰り広げられる。
ドランバードが回復魔法を使えないことは知ってるけど、ジオルグはどうなんだろう。
もし、ジオルグが回復魔法を使えるのから薫先輩の劣勢はそう簡単には覆らない。
お互いにHPが半分を下回るけど、ジオルグは特別何もしていない。
4割を下回ってもバトルの展開は変わらない。
3割、2割とほぼ同じペースで両モンスターのHPは削れていく。
ここまでHPが削れても回復しないってことはジオルグも回復魔法は使えないってことかな。
そうなるとここからは攻めるか守るかが大事になる。
結果、野田先輩は守る選択、薫先輩は攻める選択をした。
この状況で守る選択ができる。野田先輩は強いな。
俺なら絶対に攻めて攻めて相手のHPを先に0にしようと奮起するな。
でも、そうやって奮起する相手を上手く受け流して攻撃スキルを軒並みクールタイムに突入させる。
そうすることで比較的安全で且つ確実に相手を倒せる。
俺も攻めるだけじゃなくてもう少し守りの戦術を取り入れた方がいいのかな。
オリヴィアとの決勝戦もラグニアはコピーしたディバインシールドに助けられたし。
バトルの方は今日一の激しい攻防が繰り広げられる。
最後はロザリアさんのノワール戦では使っていなかったドランバードの仙竜爪・破と仙竜爪・滅のコンボでジオルグの防御を突破し、仙竜爪・絶でジオルグを引き裂いて決着。
勝ったのは薫先輩。
これで薫先輩は1年、2年の部と連覇を果たしたことになる。
そして明日からはいよいよ3年生の部が始まる。
それが終わった翌日には琴音先輩の卒業式が。
早く卒業祝いを用意しないと!
この後、また
郁斗は個人的に行きたいとこがあるみたいでパス。
薫先輩はあれだけのバトルをして疲れてるだろうから誘わないでおこう。
そんなわけで今日は俺1人で
今日の俺は消え物で何か良いのが無いかを探すのが目的。ファッション系は女子組に任せてあるし。
いざ、
誰かこういうの選ぶのが得意でセンスの良い知り合いとかいなかったかな。
パッと頭に浮かぶ人たちはみんな今、日本にいないしな。
それからしばらくして俺の腕の中には上機嫌にプルプルしている子が。
今日、
その影響で2Fから上のフロアではARフィールドが展開されていた。
もちろん、至る所でバトルが行われているわけじゃない。バトルで大事なのはモンスターとプレイヤーの関係性。
仲が悪いと指示を無視されたりもある。
だからモンスターと一緒に遊んで仲良くなろうというイベントだ。
この前の触れ合いイベントと大した違いは無い気がするけど、今日のイベントでは他のプレイヤーとの交流は皆無みたい。
まあ、そのせいでプル!と突然現れる子がいたけど。
すぐにリーフィアが連れ戻しに来るかなと思ったら来ないし、今日はもう諦めてブルーが迷子にならないように抱き抱えてお店を見て回ることにした。
その頃、リーフィアは
「いいですか、ピナ。バトルで大事なのは間合い、相手との距離です」
ピヨピヨ、ピヨ
グルグル、グルグル
ピヨ!
文字が書けないピナの代わりにラグニアがリーフィアの教えをメモしている。
嬉しそうにはしゃぐピナを見ている内にリーフィアとラグニアはブルーがいつの間にか消えていることに気づかなかった。
気づいたのはピナが休憩に入ってすぐ。
ピナがいつも通り、姉であるブルーに甘えに行こうとしたら姿が見当たらない。
それをリーフィアとラグニアに相談したことで全てが発覚。
その直後に満足気にプル!とブルーが戻って来た。
もちろん、鬼の形相のリーフィアに出迎えられたのは言うまでもない。
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