第148話 ステラ&輝夜の実況解説④
「さあいよいよ第4試合、生保内さんとロザリアさんのバトルが始まります!早速ですが、新垣さんはどこに注目されていますか?」
「うーん、そうね。2人の1体目のモンスターが気になるわね。最強の2体を選出しているだろうけど、ここ最近2人ともトーナメントに出場していないから全然読めない!」
「バトルフィールドに2体のモンスターが召喚されます。生保内さんは幻想種、悪魔のアルバス。ロザリアさんは人類種のミザリーです!」
「……」
「え?いきなり神技!?」
「この神技、やっぱり実在したのね。間違いないわ。アルバスとミザリーは最強種のモンスターよ」
は?最強種のモンスター?前々から思ってたけど、やっぱり新垣さんってちょっと頭がおかしい人なのか?
最強種って竜じゃないの?どういうこと?
いやいや、悪魔なら準最強種でしょ?人類種はよくわからんけどさ。
やっぱり12神で一番頭のおかしい人って噂は間違ってないのかな。
やっぱりそうか。輝夜が断言するなら間違いないな。
ビックニュース!今日のモンスターニュースはこれで決定!!
噂程度では聞いたことあったけど、ホントに実在したのか。
輝夜の発言に会場にいる人の意見は完全に真っ二つに分かれた。
大抵の人は信じていない。
それも無理はない。
その存在は今まで隠蔽されていたからだ。
本来なら12神という立場からも不用意な発言は慎んで欲しいが、輝夜には無理だろう。
実際にアルバスとミザリーは輝夜の言う通り、最強種のモンスターだ。
たった14体しか存在しないと言われているカテゴリーのモンスター。
幻想種でも妖怪種でも人類種でも機械種でも妖精種でも、ましてや一般種でも無いカテゴリー。
それが大罪種と美徳種。
現在、大罪種は0で美徳種は3体確認されているが、その3体は全て12神のモンスター。
それ故に今まで極一部の情報通のプレイヤー以外には存在を隠し通すことができた。
「えっとそれって話して良かったんですね!私はてっきり秘匿情報かと…。私はそこまで詳しくないので新垣さん詳しく教えてもらってもいいですか?」
「私だってそこまで詳しくないわよ。美徳種しか知らないし、大罪種は今初めて見たし。てな訳でこの件はプロフェッサーに一任しましょ!…はい!これで解決ね」
「…………バトルは壮絶な展開を迎えています!ミザリーは自己バフで己を強化して戦うみたいですが、もの凄いバフです!」
「私の目測だと狂戦士化したミザリーは5、6倍くらいステータスが上昇してるんじゃないかしら。これそこらのAランクプレイヤーじゃもう勝てないレベルで強いわね」
「おお!つまりロザリアさんはBランクながら既に実力はAランクに匹敵すると!?」
「それは薫くんもよ。大罪種のモンスターが純粋に強いのもあるけど、あの出鱈目ステータスのミザリーのHPをあれだけ削るのは普通に凄いわよ!並のモンスターなら3、4体くらいは一撃で吹き飛んでるわね」
「ここで再び神技!一気に勝負を決めに来た!!これで決まるのか!?」
「いえ、勝負を急ぎすぎね。この神技・アンガーアックスではアルバスを倒せないわ」
「な、なんと!新垣さんの仰る通り、バフの強制解除でステータスを通常状態まで戻し、神技の直撃に耐えた!!」
「正確にはデバフは解除されてないから通常状態よりもステータスは遙かに低くなってただろうけど」
「そして神技返し!これは…!!なんと強制解除されたバフが復活!!アルバスとは対極の方法で神技を正面から受け止めた!!!しかし、この光景、私には何故か既視感があって仕方ありません!」
「あら?それって私とジャスパーのバトルを言ってる?」
「もちろんです!新垣さんのセレーネとジャスパーさんのライズのバトルのことです!」
「それはしょうがなくない?セレーネは元々回復とか支援に特化してるモンスターなんだから攻撃に特化してるライズとバトルするとそうなるのよ。文句でもあるならジャスパーに勝って12神序列2位の座に着くのは無理有るか。そうだ!12神の誰でもいいから正規の手段で挑戦して勝ちなさい!そしたら相手してあげるから」
マジ?12神序列1位が相手してくれるとか。
いや、待て待て無理だろ。正規の手段で12神に挑戦とか。
確かに。
もし挑戦できても12神に勝たなきゃいけない訳だしな。
無理だ。
無理ね。
無理ゲー。
「って!変な話してたらアルバスとミザリーのバトル終わってるし!しかも最後は道連れ!かなり珍しいスキルでの決着!」
「わお!すごいわね。道連れ系統のスキルってクソ過ぎて取得しているモンスターがいるとは思わなかったわ。でも、薫くんがこのバトルにどうしても勝ちたいと強く思っていることは伝わってきたわね」
「遂にエースモンスター対決。竜と竜のバトルです!ノワールは闇属性の竜ですが、今回は闇属性の利点をあまり活かせそうにありませんね」
「そうね。竜はデフォルトでデバフ・状態異常無効のスキルを持っている。気になるのは大罪種のアルバスが付与するデバフや状態異常も無効化できるのかってところね。個人的には無理っぽい気がするけど。この辺も調査はプロフェッサーに一任しちゃって大丈夫でしょ!」
「生保内さんのエースモンスター、ドランバードはコンボスキルを多用するイメージがあります!今も水竜爪の滅と破を使いました!コンボスキルは決まれば強力ですから多用するのもわかります!」
「へえ、意外ね。攻撃一辺倒ってイメージがあったけど、強力な防御スキルも取得してるのね。ブラックスターってそこまで威力低く無さそうだけど」
「息をするようにとんでも威力のスキルの応酬!そして両モンスターともにドラゴンフォースを発動!!!」
「水竜爪のコンボスキルって滅と破だけじゃないのね。三つ目があるなんて珍しい。これ四つ目とかも出てくる流れかしらね。それにフィールドが徐々に闇に染まってる。これ触れたらダメなタイプのスキルね」
「それには竜闘気解放でオーラを纏う!オーラを纏うことで本来なら触れるとアウトな闇にも問題無く触れている!そして、四つ目のコンボスキル!!初めてまともなダメージが入りました!これは流れが一気にドランバードへと傾きつつあるのか!?」
「でも、ロザリアさん曰く長く持たないとか。薫くんの顔には一切出てないけど、たぶん図星ね。じゃなきゃ温存しておく理由が無いし。最初からドラゴンフォースと竜闘気解放を両方とも使ってステータスの強化倍率でノワールを上回れた訳だし、相応のデメリットがあると考えるのは当然ね」
「!?竜はデメリット無しで強力なスキルを多々取得するので、完全に盲点でした」
「このバトルも決着ね。神技を使うタイミングを見誤ったわね」
「ドランバード DOWNの表示が!第4試合決着!!勝者はリベリオン ギルドマスターロザリア・ブラン!!」
「2人とも強いわね。今すぐAトーナメント出場してもそれなりの結果は残せるわよ。優勝は無理だけど」
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