第127話 LMBマーケットへゴー!
早速、俺はLMBマーケットに行く。
場所も今宿泊している
遠出して迷子とかになったらシャレにならないし。
へぇ、ここがLMBマーケットか。
凄い人だな。こんなに人気あるんだ!
建物の一角を貸し切って行われてて、至る所に露店が並んでる。
中にはしっかりとしたお店を構えてる人もいる。
ここにARフィールドを展開してるからこそできる芸当だな。
こんな凄いのを主催してるのプレイヤーだし、高ランクのプレイヤーってやっぱスゴすぎだわ!
それにほとんどの人がモンスターを連れて歩いてる。
1体しか召喚していない人もいたら2体、3体と複数体召喚している人もいるな。
俺の場合、気づいたらブルーが足下でプルプルしてるんだよな。
いつものように呼んでも無いのに勝手に出てくる。
まあ、いいけどさ。
とりあえず、ブルーはしっかりと抱き抱えて迷子にならないようにしないとな。
ほーら、ブルーおいで。
プル、プルン、プルプル
さてと、ブルーの迷子対策もした事だし、早速お店を見て回るか。
ほんといろんなアイテムが置いてあるな。
あ、スライムゼリーとかいうアイテムが売られてる。
俺の腕の中でブルーがプルって反応した。
欲しいのかなと思ったけど、このプルの感じ的に違うな。
ブルーの機嫌が悪くなる前に違うとこ行くか。
中にはショップで普通に売ってるアイテムを取り扱っている人もいるな。
寧ろそれを専門にしてる人がいるし。
しかも、ショップよりも安い!
低ランクの内は地味にこれはありがたいな。
召喚石やら装備のランダム召喚チケットとか、ランダムスキルの書とか品揃えは悪くない。
さすがに竜の召喚石みたいな超高価なアイテムは無いけど。
ここは有りかも。他の店も見るけど、要チェックだな。
さっきの低ランク向けの品揃えとは正反対の人もいるな。
高過ぎて手が出ないけど、天使や悪魔の召喚石を取り扱ってるな。
これでもショップより安いというのは何とも言えないな。
それにしてもさっきからブルーが
ブルーも楽しんでるみたいだし、良かった。
いろんな露店を見て回っていると如何にも胡散臭いですよという雰囲気のある露店にブルーが興味を持った。
中でもモンスターの卵に。
プルプルプルプル、プルプルプル、プルプルプル
えっと、ブルーもしかしてモンスターの卵が欲しいの?
モンスターの卵って孵化するまでにとにかく時間掛かるし、産まれてくるモンスターもランダムだし、買うのに必要なポイントを考えると割高なんだよな。
これなら召喚石の方が……。
プルプルプル、プルプルプルプルプル
うんうん、わかったから。
買うよ、買う!
しっかり卵の面倒見るって約束できる?
プル!
よろしい。
「すみません、モンスターの卵を一つ下さい」
「おお、随分と酔狂な人だな。こんな胡散臭い露店で、しかもモンスターの卵を買うとは!俺はありがたいけど。一つなら50,000ポイントだよ」
いや、胡散臭いと思ってるなら何でこんなデザインにしたのさ?
ARフィールドが展開されてるんだから自由に設定できるでしょ?
寧ろ、この胡散臭さを再現するの大変じゃない?
「はい」
スマホで取引を行う。
LMBマーケットの良いところは取引が簡単ってとこだな。
「ありがとよ!」
プルプルプルプル、プル
一つ50,000ポイントってやっぱ高いな。
ショップで買うよりかはかなり安いけど。ショップだと確か1,000,000ポイントとかだったよな。
でも、ブルーが嬉しそうにしてるからいいか。
このまま卵を大事そうに一緒に消えるのかなとか思ってたら卵だけ置いてすぐに戻ってきた。
さてはリーフィアかラグニアに預けたな。
プル?
まったく今は良いけど、ちゃんと責任持ってよね。
プルプル~
他の露店も見て回ってると一風変わった露店を見つけた。
一見すると武器や防具を取り扱っているように思えるけど、実際はちょっと違う。
お洒落装備アイテムを専門に取り扱っている露店だ。
お洒落装備アイテムは普通なら武器や防具を装備できないモンスターでも装備できるけど、ただのお洒落専用のアイテムだから見た目にしか影響を及ぼさない。
だから普通の武器や防具と違って、ステータスの上昇や武器スキルや防具スキルが使えるようにはならない。
そして厄介なことにブルーがプルプルし始めてしまった。
これが意味することは一つ。ブルーがこの露店に興味を持ったということだ。
内心、恐れていた事態が起きてしまった。
ブルーが興味を持つとさっきのモンスターの卵同様に買ってすぐはべったりくっついてるだろうけど、次第にリーフィアとラグニアのどちらかに預けるだろう。
預けるのはいいけど、果たしてブルーの元にそれが戻るのか。
飽きて預けっぱなしにならないだろうか。
ちょっとモンスターの卵も怪しいし。
プル、プルン、プルプルプル
俺の腕からプルと抜けだし、プルンと着地したブルーは露店の商品を物色し始めた。
露店の商品は全てARフィールドによって再現されているだけなので、どれだけ雑に物色しても傷一つ付かない。
だからブルーがこうして商品を物色しても怒られない。
はあ、どうしような。この調子だとまともに戦力強化に繋がりそうなアイテムは買えなさそうだな。
「ん?赤い、スライム?――――もしかして君、鬼姫のギルドマスターの鬼灯蓮くんかな?」
「えっと、すみません。どなたですか?」
「ああ、すまない。俺は…ハンス・シュミット、ドイツ人だ。見ての通り、この露店の店主さ」
ハンス・シュミットさん。うーん、やっぱり聞いたこと無いな。
俺が知らないだけで有名人だと申し訳ないからホテルに戻ったら一度調べてみるか。
「君のモンスターは随分とお洒落が好きみたいだね?ここまで熱心に見てくれるモンスターは初めてだよ」
「いや、それはたぶんブルーがちょっと特殊というか変わってるからというか…」
「何か気を遣わせてしまったかな?オッホン、話を変えるが、何故日本人である君がフランスに?まだ学生だろう?学校は大丈夫なのか?」
特別隠す必要も無いから俺は
今日は偶然、LMBマーケットのことを知って、息抜きがてら来たことも。
「ほお、なるほどな。そういえば、君は
何だろう、よくわからない人というか掴み所の無い人というか、変な人だな。
もう、どうリアクションをすればいいのかわからないよ。
「それでどうだい?『王家の墓』は攻略できそうなのかい?」
「それが第3エリアのエリアボス、墓守の疾風騎士と昨日戦って、防戦一方になって撤退したばかりで、まだ攻略がどうとか話せる段階じゃないんです」
「墓守の疾風騎士を相手に防戦一方?撤退?もしや噂ほどじゃない?俺の見当違い?」ボソ
今、何か呟いて無かったかな?んーどうだろう、気のせいかな?
「ああ、これはすまない。噂以上の強さだと驚いていたところだよ。すごいな君は」
「噂ですか?どんな噂かは知りませんが、俺は強くないですよ。ブルーたちにいつも助けられてますし」
「……君は何を勘違いしている?俺たちプレイヤーは1人じゃ戦えない。モンスターがいて、やっと戦える。もっと言えば、モンスターがいないと何もできない。君は自分1人で戦っているつもりなのか?」
最終的にブルーは漆黒のマントが気に入った?みたいでそれを購入した。
なんとそのお値段、100,000ポイント。
モンスターの卵の倍した。
ちゃっかりマントを装備した状態でプルンとジャンプして俺の腕の中に収まった。
可愛いらしくプルってするのを忘れずに。
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