第122話 進化と名前

 第1エリアの『火の墓守』を攻略した俺はさすがに疲れたので、第2エリアには行かずにホテルへと帰った。

 備え付けのレストランで夕食を済ませた後は部屋に戻る。

 いつもの流れでARフィールドを展開すると、すぐさまブルーが現れる。

 俺は足下でプルプルしているブルーを捕まえてベッドに向かう。

 その後すぐにリーフィアと鬼狼オーガウルフも現れたので、今日の反省会を行う。


「じゃあ、ブルーから。所々、必要に応じて近接戦にも参加してくれたりと色々助けられたよ」


 プルプルプルプル


 よしよし、なでなで。

 すごく嬉しそうにしてるとこ悪いけど、改善しなきゃいけないこともあるからね。


「でも、スキルを全部使い果たしちゃうのはダメ!リーフィアや鬼狼オーガウルフと違って通常攻撃が貧弱すぎてあってないようなものなんだから」


 プルプルプルプル、プルプルプル


「ブルー、主のおっしゃる通りですよ。現にスキルを使い果たすと何もできないじゃないですか」


 グル、


 プル、


 うーん、ちょっと言い過ぎたかな。

 かなり落ち込んでるよ、とか思ってたらすぐにいつもの様にプルプル俺に甘えて来た。

 その後はブルーを甘やかしながらリーフィアと鬼狼オーガウルフとああだこうだと話し合った。

 もちろん鬼狼オーガウルフの言葉はリーフィアに通訳してもらったよ。


 今日の反省会が終わってもブルーはずっと俺に甘え続け、リーフィアは剣と盾のリヴィングウェポンの手入れ、鬼狼オーガウルフは毛繕いといつも通りの光景に戻る。


 俺はそれぞれのステータスを確認していて、一つ大事なことを思い出した。

 盾のリヴィングウェポンのLvが20に到達して進化しますか?ってウインドウが墓守の火炎騎士とのバトルが終わった後に表示されたんだった。

 どうするかは一旦保留にしてたし、リーフィアと相談して決めないとな。


 リヴィングウェポンは通常の進化方法のLvが10の倍数になる以外にも装備モンスターが進化すると強制的に進化する。

 たぶん装備モンスターの進化云々は特殊条件による進化と分類的には近いんじゃないかな。

 でも、しばらくリーフィアは進化する予定が無いし、ここら辺で進化させておく方がいい気がするな。


 リーフィアの手入れが終わったタイミングを見計らって声を掛けるか。

 それまでブルーをなでなでしてよ。


 ・

 ・

 ・


 そろそろ大丈夫そうかな?


「リーフィア、今大丈夫?」


「はい。問題ありません」


「盾の方のリヴィングウェポンなんだけど、さっきの墓守の火炎騎士とのバトルでLvが20になったみたいで、進化させるかどうか悩んでる。リーフィアはどうしたいかな?」


「なるほど。私は進化させた方が良いと思いますが、判断は主にお任せします」


 うーん、やっぱり最終的に判断は任されるか。

 リーフィアは進化させた方が良いと思ってる訳だし、進化させていいかな。

 うん、決めた!盾のリヴィングウェポンを進化させる。


『リヴィングウェポン(盾)を進化させますか? はい いいえ』


 進化させるかどうかのウインドウを表示したらもちろん「はい」を選択する。

 リーフィアが手入れを終えたばかりの盾のリヴィングウェポンが光り輝き始める。

 光が収まるとそこには進化前の面影など一切ない一つの盾があった。


 進化前は無骨でシンプルな丸い盾だったけど、今は黒をベースとしたちょっとオシャレなカイトシールドへと変貌を遂げた。

 でも、カイトシールドだとリーフィアが戦いづらくなったりしないかな?と一時心配したが、逆に今までよりも戦いやすくなったとか。

 これでリーフィアがより一層頼もしくなるな。



 リヴィングウェポン(武具種)Lv1

 HP:160→350

 物理攻撃力:2

 物理防御力:8→18

 魔法攻撃力:2

 魔法防御力:8→17

 素早さ:3

 SP:19→0

 スキル:挑発、デバフ耐性Lv1、状態異常耐性Lv1、闇の盾Lv1



 進化することで新しく幾つかのスキルを取得したな。

 闇狼の盾を装備から外したことでデバフ耐性と状態異常耐性も無くなったけど、こうして取得してくれるのはありがたいな。

 白黒モノクロリゾートで挑戦した『闇の祭壇』の影響かな?

 それにブルーのディバインシールドみたいな防御スキルも取得してる。

 闇の盾、物理、魔法ともに防げるけど、盾で直接防御する必要がある。

 だからブルーのディバインシールドみたいに障壁を展開する訳では無さそうだな。

 でも、物理攻撃に限りだけど、相手にデバフや状態異常を付与できるのは強い。

 基本的に近接戦を主体としているリーフィアの大幅強化に繋がったな。





 リーフィアがこれだけ強くなった訳だし、ブルーや鬼狼オーガウルフを強化する方法も考えないとな。

 んー、やっぱり鬼狼オーガウルフは名前を与えるとこからだよな。

 いつだったか、リーフィアに名前を与えてしばらくした後、一度名前を与えようとした時はまだいらない的な感じで拒否されたんだよな。

 今はどうなのかな?

 まあ、直接聞くしかないか。


鬼狼オーガウルフ、毛繕いしてるとこ悪いけど、一つ聞きたい。君に名前を与えたい。まだ考えは変わらない?」


 グル、グルグル、


「!主、是非ともお願いしたいとのことです」


 一瞬、リーフィアが驚いたような顔をしたけど、すぐに嬉しそうな感じに変わったな。

 リーフィアにとっても意外な返答だったのかな?


「ありがとう」


 あの日、鬼狼オーガウルフが名前を与えることを拒否した日からずっと考えてあった。

 ずっとこれにすると決めていた。

 ちゃんと鬼狼オーガウルフに合うかっこいい名前を考えた。


鬼狼オーガウルフ、君の名前はラグニアだ。これからもよろしく」


 グルグル


 これで俺のモンスターはみんな名前を持ってるな。

 明日からは心機一転、『王家の墓』の第2エリアに挑戦しよう!




 ブルー(スカーレットスライム、一般種)Lv45

 HP:680

 物理攻撃力:35

 物理防御力:34

 魔法攻撃力:54

 魔法防御力:34

 素早さ:35

 SP:0

 スキル:プロミネンスアタックLv12、ディバインシールドLv5→6、プロミネンスLv12→13、ファイアボールLv9→10、プチサンダーLv10、鳴神Lv8→9、電光迅雷Lv8→9、フレイムフォースLv4→5、スカーレットアローLv4→6、プチヒール、火属性耐性Lv1、物理耐性Lv3


 リーフィア(騎士王キングオブナイト、人類種)Lv22→29

 HP:500(+570)

 物理攻撃力:35(+35)

 物理防御力:26(+29)

 魔法攻撃力:0(+7)

 魔法防御力:24(+28)

 素早さ:33(+27)

 SP:0→7→0

 スキル:閃撃Lv9→10、風薙ぎLv7→8、王の威光Lv4、騎士王の風刃閃Lv2→4(ダークスラッシュLv7→8、闇属性付与、闇属性強化Lv7→8、騎士強化、挑発、デバフ耐性Lv1、状態異常耐性Lv1、闇の盾Lv1)

 武器:リヴィングウェポン(HP+220、物理攻撃力+30→33、物理防御力+11、魔法攻撃力+5、魔法防御力+11、素早さ+20→24、ダークスラッシュLv7→8、闇属性付与、闇属性強化Lv7→8、騎士強化)

 防具:リヴィングウェポン(HP+350、物理攻撃力+2、物理防御力+18、魔法攻撃力+2、魔法防御力+17、素早さ+3、挑発、デバフ耐性Lv1、状態異常耐性Lv1、闇の盾Lv1)


 リヴィングウェポン(武器種)Lv22→29

 HP:220

 物理攻撃力:30→33

 物理防御力:11

 魔法攻撃力:5

 魔法防御力:11

 素早さ:20→24

 SP:0→7→0

 スキル:ダークスラッシュLv7→8、闇属性付与、闇属性強化Lv7→8、騎士強化


 ラグニア(鬼狼オーガウルフ、一般種)Lv22→29

 HP:480→550

 物理攻撃力:34

 物理防御力:25→28

 魔法攻撃力:30

 魔法防御力:23→27

 素早さ:30

 SP:0→7→0

 スキル:ライトクローLv8→9、ライトファングLv6→7、シャインダイブLv7→8、プチヒール、プチシャインLv7→8、フレイムクローLv4→5、プチファイアLv5→6、オーガフレイムLv3→4

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