第112話 VSドウラグ
あれから数日が経過した。
今日はいよいよ『闇の祭壇』第1層のエリアボス、ドウラグに挑む。
ドウラグは黒く腫れたグールの様な姿をしていて、体を巨大化させることができるらしい。
何でかまではわからないけど、琴音先輩が詳しかった。
戦ったことあるのかな?
要注意なのは、巨大化時の攻撃で威力が跳ね上がるから物理防御力が低いモンスターは一撃で倒されることもある。
あと、巨大化してる時は的が大きいから遠距離攻撃のチャンスと思うけど、防御力は物理、魔法ともに上がっているから大したダメージは期待できない。
だから基本的には巨大化している時はあんまり積極的に攻撃はしない方がいいみたいだ。
時間経過で巨大化は解除されるからそれと同時に猛攻撃を仕掛けれるように!らしい。
俺は『闇の祭壇』第1層のエリアボス、ドウラグがいるボス部屋に辿り着いた。
部屋は異様に広く感じる。今までこんなに広いボス部屋は無かったと思う。
それに天井もかなり高い。
巨大化するにはこれくらいの広さと高さが必要ってことか。
中央にはドウラグと思われるモンスターがいる。
パッと見では黒い人型の何かにしか見えない。
でも、事前に琴音先輩から聞いていたからかよくよく見ると黒く腫れたグールの様に見えなくない。
グキャギャーーーーー!!!!!
知性があるようでないと意味不明なことも琴音先輩から聞いてたけど、こういうことか!
確かに知性があるようでないな。
まずは巨大化される前の強さを推し量る。
「リーフィア、閃撃、風薙ぎ、
ドウラグは叫びながらリーフィアに向かって真っ直ぐに走って来る。
これは予想通り。
リーフィアが新しく装備しているリヴィングウェポンの盾が持っているスキル、挑発。
これは相手の意識を装備者に強制するスキル。
しかも常時発動しているので、リーフィアが健在である限り、余程のことがなければブルーと
例えば、リーフィアがずっと逃げ回り、ブルーが遠距離から狙い撃つを続けるとやがてモンスターはブルーを執拗に狙うようになる。
挑発の効果を上回る勢いでヘイトを稼がなければ基本的には問題ない。
バトルはリーフィアがドウラグと至近距離でバチバチやり合っているが、リーフィアは防御に手一杯で攻撃に転じる余裕は無さそうだ。
なら、
「ブルー、プロミネンス、フレイムフォース!
前衛がリーフィアだけだと厳しいならもう1体そこに加える。
遠距離からの攻撃は減るけど、リーフィアはドウラグ戦における要。
もし、リーフィアが倒されたりすると一気に戦局は不利になる。
そんなことには絶対させない!!
遠距離攻撃はブルーだけになったが、四方八方に動き回り、いろんな角度から攻撃することで1体で2、3体並の働きをしてくれている。
ただ、ここで一つ問題が発生する。
リーフィアがドウラグの攻撃を受けてデバフ、状態異常が付与され、攻撃を受ける度に悪化している。
今は光狼の盾を外してリヴィングウェポンを装備しているからデバフや状態異常の耐性がリーフィアに無い。
それが災いする形となっているが、そもそもここまでドウラグと戦えているのは盾のリヴィングウェポンのスキル、挑発があってこそ。
今はリーフィアのHPが半分を下回れば
そしてここでドウラグが巨大化する。こうなると攻撃してもメリットが少ない。
状況は刻一刻と悪化し続ける。
ドウラグが巨大化してからはリーフィアは逃げ続けてブルーが遠距離からコツコツと攻撃を当てるにシフトした。
これをするとやがてドウラグの意識がリーフィアからブルーに向くことになるけど、今回ばかりは致し方ない。
これ以上、リーフィアに付与されているデバフや状態異常を悪化させるのはこの先の戦いが厳しくなる。
ドウラグが巨大化して5分ほどが経過したところでやっと元の人間サイズに戻る。
しかし、この5分でブルーも攻撃に被弾することが少しあり、デバフや状態異常が付与されている状況。
リーフィアより軽いけど、あまり時間をかけてはいられない。
ドウラグの残りHPは7割ほど。
巨大化している間はほとんどダメージを与えられていないならあまり時間を掛けていられない!
グキャギャーーーーー!!!
「リーフィア、閃撃、風薙ぎ、騎士王の風刃閃!ブルー、電光迅雷、
ドウラグが巨大化している間、ブルー以外はスキルを温存していたからリーフィアと
当然だが、ドウラグも簡単には攻撃に当たってくれない。
それでもリーフィアと
しかし、流れを完全に掴み始めたタイミングでドウラグは再び巨大化する。
リーフィアはここまでずっと接近して戦っていた為、デバフによりステータスが下がっているし、状態異常によるスリップダメージもある。
それでも素早さは巨大化したドウラグを上回っているので、遠距離攻撃の手段が無いドウラグの攻撃は一切当たらずに凌げている。
さっき巨大化した時はブルーが遠距離からコツコツと攻撃したが、今回はしない。
それをしなくてもリーフィアの素早さならどうにかなると判明した。
巨大化中はダメージが期待できないからみんな(主にリーフィア)とにかく逃げ回る。
そうして巨大化の制限時間5分を迎えて、通常の人間サイズに戻る。
今!!
「ブルー、フレイムフォース、鳴神、プロミネンス、ファイアボール、スカーレットアロー。リーフィア、閃撃、風薙ぎ、ダークスラッシュ、騎士王の風刃閃。
次に巨大化される前に倒す。
今はまだブルーには遠距離攻撃に集中してもらう。
近接戦はリーフィアと
だから遠距離攻撃で目眩ましをしつつ、接近を試みる。
俺の試みは上手くいき、リーフィアと
そのまま一気に畳み掛ける。
完全に嵌まった。リーフィアと
それだけに留まらず、縦横無尽に動き回り、いろんな角度から魔法を放つブルー。
ドウラグも反撃してくるが、巨大化していない今の攻撃力はそこまで脅威じゃ無い。
もちろん、攻撃には闇属性が付与されているので、それは脅威だが、一切防御することなく、真っ向から殴り合う。
まあこっちはHPがヤバくなったらブルーか
でも、問題無い。その為に温存しているのだから。
ドウラグのHPは残り1割ほど。
リーフィアと
「
ここから回復はリーフィアだけに絞って、
ブルーは遠距離攻撃の手段は豊富に持ち合わせているけど、近接戦で使えるスキルは少ない。
ブルーに期待しているのは
ブルーにしかできないこと。ゼロ距離でのフレイムフォースでドウラグの視界を奪うこと。
当然、リーフィアも炎で視界を奪われることになるけど、ずっと一緒に戦ってきたんだ。リーフィアならきっと正確にドウラグの位置を捉えてくれる。
見事にゼロ距離でのフレイムフォースが炸裂。
そしてリーフィアはその瞬間、騎士王の風刃閃による蓮撃でドウラグを斬り裂く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます