第103話 『闇の祭壇』に挑戦したい!
もしかしてリベリオンのギルドマスターってあのロザリア・ブラン?
え、ちょっと待って。もし、そうならあのロザリアさんがギルドマスターのギルドと同じように鬼姫も注目を集めてるってこと?
それも郁斗や莉菜みたいな有名人がいる以外の理由で。
何で?全然理由がわからない。
「鬼灯が何で世間に注目されてるかわからないって顔してるな」
「当事者なら仕方ないかもね。鬼姫とリベリオンに注目が集まっているのは両ギルドとも将来有望だけど、ギルドマスターは対極だからね」
対極?ああ、なるほど。それは理解できる。
俺のエースモンスターはスライムのブルーだけど、ロザリアさんのエースモンスターは最強種である竜だからな。
確かに対極だわ。
「両ギルドは同じ日にモンスターニュースで大々的にプロフェッサーが取り上げてるからな。『あのロザリアが自らギルドを結成!それに対抗するかのように
ええー、何でそうなったの?
全然意識とかしてなかったよ。
てか、郁斗たちから話を聞かなければ、リベリオンのこと何も知らなかったんですけど!
「まあその感じは何一つ対抗意識燃やして無さそうだけど、リベリオンが結成された次の日にギルドマスター決定戦なんてやってそのままギルド結成。それにこれはさっき知ったことだけど、ロザリアから直接勧誘を受けた二階堂がメンバーにいる。当然、プロフェッサーならこの勧誘情報も把握してるだろうし、対抗意識燃やしてると思われても無理ないな」
「これも運命だと思って頑張りなよ!まあ私はロザリアと一回だけトーナメントでバトルしたけど、負けちゃったけどね。てへっ」
いやあ、その最後の言葉は余計です。
柊先輩が負けるような人が結成したギルドと張り合う?
ちょっと意味わからないです。
「まあこの話はこの辺で終わりにして、常夏の
「ああー、特に俺は無いかな」
「私も無いわ」
「私もありません」
挑戦してみたいダンジョン。
輝夜さんは『闇の祭壇』を攻略したら『遊楽園』について詳しい情報を教えると言ってくれた。
ここは無理を承知でお願いしてみるか。
「俺は『闇の祭壇』に挑戦したいです!」
「「!!」」
まさか1年生から『闇の祭壇』に挑戦したいなどと聞けるとは思っていなかったのだろう。
上級生2人とも驚きを隠せていない。
「『闇の祭壇』か。なるほどな」
「うーん、『闇の祭壇』。これまた予想外だね」
『闇の祭壇』と口にしてからの生保内先輩の目線がめっちゃ刺さる。
このメンバーで挑戦したらダンジョンはCランク相当の難易度となる。
やっぱりDランクの俺たちにはまだ早いかな。
「薫くんはどう?」
「俺は良いと思うぞ。上を目指す気概は伝わってきた」
「うんうん、そっかそっか。よし、他の3人は特に希望は無いみたいだし、チーム1は『闇の祭壇』に挑戦します!!」
『闇の祭壇』への挑戦。
普通の1年生なら無理無理無理と嘆くところだが、郁斗、莉菜、オリヴィアの3人は寧ろ楽しみいったと雰囲気が感じられる。
3人は蓮と輝夜の間で行われた会話の内容などは何一つ知らない。
こうして柊琴音がリーダーを務めるチーム1は『闇の祭壇』への挑戦を決める。
その後はお互いに連絡先を交換し、雑談をしたりして1時間ほど経過したところで解散となる。
蓮たち1年生4人と別れ、琴音と薫の2人になったところ。
「薫くんは初めての後輩くんたちどうだった?」
「ん?どうって言われてもな。まだ何とも」
「あはは、やっぱりか。まあでも、最終日まで脱落せずに乗り越えられたらいいね」
「たぶん無理だろ。常夏の
「それに毎年のようにチーム1の1年生って誰か1人は脱落しちゃうしね。もう無理だー!って」
常夏の
夏休みに行われる楽しそうなイベントと1年生は思っているが、実際は少し違う。
上級生との格の違いをマジマジを見せつけられ、己の弱さを思い知る。
常夏の
プルプルプルプル、プルプルプルプル
相変わらず俺の膝の上でブルーはプルプルしてるな。
いつになく上機嫌だ。
ブルーも常夏の
それにしても生保内先輩や柊先輩と同じチームなんて未だに信じられないよ。
去年、偶然テレビ中継されていたCトーナメントで生保内先輩のバトルを見た時なんてめっちゃ興奮したのを今でも覚えてる。
他を寄せつけない圧倒的な強さで優勝してたな。
柊先輩のバトルは見たこと無いけど、ネットの噂では生保内先輩とは違った意味で圧倒的らしい。
まだどんな風に柊先輩がバトルするのか見たこと無いからこれも楽しみの一つだな。
プルプル、プル、プヨプヨ
そうだな、ブルー。
俺たちも先輩たちに負けないくらい頑張らないとな。
*****
ふーん、ギルド鬼姫か。
ギルドマスターは鬼灯蓮、確かスライムがエースの子。
過去のバトル映像をチラホラ見たけど、大したこと無い気がする。
何でプロフェッサーがモンスターニュースであんな大々的に鬼姫の存在を世に知らしめようとしたのか、さっぱりわからない。
決して弱くはない。でも、薫や琴音みたいな才能は感じない上に将来性は絶望的。
だって、エースが一般種じゃね?
きっとあのスライムはこれ以上強くならない。
強くなったとしてもたかが知れてる。
良くてCランクが関の山でしょ?
一体、彼の何にそこまで注目しているの?
もしかしてあのスライムが一般種以外に進化して更なる強さを手にすると思ってる?
いつからプロフェッサーはそんな夢見がちなロマンチストになったのかしら?
スライムにしては異常なほどに強い。
でも、あれだけの強さを手にしてもまだ一般種のまま。
やっぱりスライムを強く育成するなんて無理。
もうすぐ
どうせ早々に脱落して周りの足を引っ張るに決まってる。
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