第102話 顔合わせ
常夏の
常夏の
そして今年の常夏の
7月の中旬に結成された話題のギルド鬼姫と
これだけで注目を集めるのは十分過ぎる。
常夏の
今回は
パーティー制だと上限は5人で、チーム制を採用すれば上限は6人になる。
このパーティー制とかチーム制はイベント限定の制度で普段のダンジョン攻略は例外はあるが、基本はパーティー制。
同じギルドのメンバー同士なら例外的にチーム制でダンジョン攻略に挑戦できる。
あとはゲームの運営に事前申し込みという手間が掛かるが、レイド制も存在するが、ほとんど使われた前例は無い。
レイド制を利用して大人数でダンジョン攻略に挑戦してもデメリットが大き過ぎる故に使われない形だけの制度となっている。
そして今日は常夏の
その為、鬼姫の4人は
当然だが、同じチームの上級生と顔見知りというケースは少ない。
それに同学年のチームメイトですら見ず知らずの他人という人も一定数いる。
寧ろ同学年のチームメイトが全員仲の良い友達は珍しいくらいだ。
「ヤバッ、めっちゃ緊張してる」
「そうね。これから会うのは現
「はい。憧れの先輩方と会うのは緊張します」
「そうだね」
何だろう。すごく緊張してる筈なのにどこか落ち着いている自分がいる。
絶対、これ、あれだよ。最高にすごい人とこの前会ったからだよ。
それの最後、流れで輝夜さんと連絡先交換したけど、今になって思い返しても信じられないよ。
コンコンコン
突然、ドアをノックする音が聞こえてくる。
そのすぐ後、ドアが少しだけ開いて隙間から女性らしき人物が顔だけ中に入れて中の様子を覗き見る。
この場にいる4人はみんな、え?何?どういうこと?と思ったことだろう。
これから偉大な先輩と初めて会うというのにこんな入りだと誰しも戸惑って当然だ。
すると部屋の外から4人の心の声を代弁するかのように男性の声が聞こえてくる。
「琴音先輩、何やってるんですか?絶対にそれ後輩たちが戸惑ってますよ」
「だって、どんな子たちか気になるじゃん!」
「なら普通に入って行けばいいでしょ?」
「薫くんは乙女心がわかってないな」
「俺、男なんでわかりません。ささ、中に入って下さい」
男性に急かされるようにドアの隙間から顔を覗かせていた女性が部屋の中に入ってくる。
それに続くように男性も入ってくる。
この2人こそが現
「悪いな1年生、戸惑わせて。俺は2年の生保内薫だ。一応、この前Bランクに昇格したけど、実力はCランク相当だと思ってくれ。常夏の
「ええっと、私がリーダーを務める3年の柊琴音です!ランクは薫くんと同じBランク。そして
ちょっと雰囲気が暗いくて目付きが鋭くパッと見では絶対に怖そうと思える見た目をしている黒髪の男性が現
2年生にして3年生を差し押さえて最強の男と呼ばれているプレイヤー。
そして対照的に雰囲気が明るく最初の謎行動さえ無ければ、すぐにでも打ち解けそうな茶髪でツインテールの女性が柊琴音。
現
何故、こう2人の最強が存在するかというと、学年が違ったり出場するトーナメントが絶妙にかみ合わず、直接対決の場が今まで無かったからこう呼ばれている。
実際にもしも生保内薫と柊琴音が直接バトルしたらという議論はネット民の間でされているが、意見は二分化している。
それだけネット民の間では2人の実力が伯仲しているということだ。
「琴音先輩、実力もBランクって何か含みのある言い方に聞こえたのは俺の気のせいか?」
「うん!薫くんの気のせい」
すごい、満面の笑みでこうも自然と嘘をつくのか!
柊琴音先輩、いろんな意味ですごい!
「はあー、まあいいや。じゃあ、今度は1年が自己紹介してくれるか?」
あ、そっか。自己紹介しないとだよな。
事前に順番とか決めておくんだったな。
どうしよう?
「えっと、じゃあ私から時計回りで自己紹介しましょ!私は姫島莉菜、ギルド鬼姫のサブマスターで、ランクはDです。よろしくお願いします」
「次は俺だな。俺は二階堂郁斗、Dランクです。よろしくお願いします」
「私はオリヴィア・ブラウン、アメリカから来ました。ランクはDです。よろしくお願いします」
「あ、俺が最後か。えっと鬼灯蓮です。ギルド鬼姫のギルドマスターで、ランクはDです。よろしくお願いします」
「よろしくね~。それにしても1年生がこの時期にDランクって優秀だね」
「確かに4人全員Dランクってすごいな。それに今話題のギルド鬼姫と同じチームとはな」
今話題?あ、もしかして郁斗と莉菜が原因かな。
元〇チューバーで且つ凄腕ゲーマーだった郁斗と読者モデルとして今も尚人気上昇中の莉菜。
この2人が一緒にギルドを結成してる訳だし、注目は集めるよな。
「蓮、たぶんだけど、勘違いしてるぞ」
「え?勘違い?鬼姫に注目が集まってる理由って郁斗と莉菜みたいな有名人がいるからでしょ?」
「あ、やっぱり勘違いしてるわ」
「はい。ですが、これは仕方ありません」
莉菜がこれ以上無いくらいに呆れ返ってる。
そんな変なこと言ったかな?
生保内先輩と柊先輩は何でかめっちゃ笑ってるし。
「悪い鬼灯。マジで悪気は無いんだ。まさか無自覚だとは思わなかった」
「ホントごめんね。笑うつもりは無かったんだけど、つい、ね?」
「今、世間では二つのギルドに注目が集まっている。一つは鬼姫。もう一つが、」
「ロザリアがギルドマスターの
「琴音先輩、俺のセリフ取らないでくれるか?」
「ええー、今のは先輩に譲るとこでしょ?」
リベリオンって郁斗が前に話してたギルドだよな。
確か将来有望なプレイヤーを集めて結成したギルドとか。
ん?ちょっと待てよ。ロザリア?この名前どこかで聞いたことある。
有名なプレイヤーかな?でも、12神とかじゃないしな。
「蓮、もしかしてロザリアを知らないとか言わないよね?」
「え?そんな訳ないじゃんか。もちろん、知ってるよ」
ジーー、莉菜がめっちゃ怪しんでる。
ヤバイ、ロザリアってホントに誰だっけ?
莉菜たちのこの感じからして超有名人だと思うけど。
「ロザリアって言えば、俺あいつに直接、リベリオンに勧誘されたんだっけ」
「二階堂君、すごいね。ロザリアが直接勧誘するなんて。でも、何で私と薫くんには勧誘無いのさ」
「現時点で強いプレイヤーは求めて無かったとかだろ?ロザリア以外は全員Dランクだしな」
生保内先輩、今ロザリア以外はDランクって言ったよな。
ロザリアって人はCランク以上のプレイヤーの可能性が高い。
あとちょっとで思い出せそうなのに!
あ、え、ちょっと待って。ロザリア?もしかしてロザリア・ブラン?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます