第70話 あのギルドが動いてる!?
ホブゴブリンガーディアンが距離を取ったことでどう動くか。
こちらから先に動いて仕掛けるべきか。待つか。
まだディバインシールドは使っていない。
つまり、ホブゴブリンガーディアンの攻撃を最低一回は防げると考えて良いと思う。
なら、ここは出方を窺おう。
ホブゴブリンガーディアンは盾を自身の前に構えて、そのまま突進してきた。
巨体に隠れて右手に持つ斧は完全に見えない。
ここはブルーのディバインシールドでホブゴブリンガーディアンの攻撃を防いで反撃に繋げるのがベストと思われたが、ブルーとライトウルフは一切動くことなく
ホブゴブリンガーディアンは立ち向かって来る
それを
受け止める、もしくは躱されることは想定していたが、受け流されるとは考えもしなかったホブゴブリンガーディアンはそれによって大きく前のめりに体勢を崩した。
それに一気に畳み掛けるチャンスだ。
「ブルーは鳴神、スカーレットアロー、プロミネンス。
ここで畳み掛けるべく総攻撃をしたが、ホブゴブリンガーディアンに与えたダメージは大したことなかった。
まだHPは7割近く残っている。
ガーディアンという名前の通り、防御力はとにかく高いようだ。
あれだけ攻撃が当たったのに与えたダメージは思っていたよりも少ない。
でもダメージは与えれてる訳だし、このまま少しずつ削っていこう。
「ブルーは電光迅雷。
3体の中で最も攻撃力が高いのは明らかにブルーだ。
その為、ゴブリンガーディアンの攻撃はブルーへより意識を割いている。
真っ先にブルーを落とそうとしている、そんな感じがする。
だからこそブルーには攻撃に集中してもらいたい。
そこで防御は基本的に
ライトウルフは物理防御力とHPが低いから極力ダメージを負わせたくない。
だからヒットアンドアウェイに徹してもらう。
その後は基本的には
ただ、一度だけホブゴブリンガーディアンが大声で叫んだ時に右手に持つ斧の刃が赤黒く光り輝く。
第一層のエリアボスであるゴブリンナイトが使った謎のスキルに似ていたので、その攻撃だけは
ゴブリンナイト戦ではディバインシールドだけで防ごうとして割られてしまったが、今回は使える魔法は全てブルーが使って威力をできる限り、落としたので防ぐことができた。
それ以外では特に危うい場面は無く、何とか勝てたが、エリアボスでもないのにホブゴブリンガーディアンは滅茶苦茶強かった。
今日はここまでにする。
恐らく、この先にエリアボスのいるボス部屋があってそこにエリアボスが待ち構えているだろう。
さすがにこれ以上、先まで進んで戦う気力は残ってないな。
ブルーもいつもよりシュッと萎れてる気がするしな。
今日は帰ってゆっくりしよう。
今、授業と授業の間の放課時間にクラスで郁斗と莉菜と俺の3人で雑談してるとこ。
ちなみにオリヴィアはクラスが違うので、ここにはいない。
「そういやあ、蓮は今どこのEランクダンジョンに挑戦してるんだ?」
「俺は新しく用意された『ゴブリンパニック』だよ」
「へえー、『ゴブリンパニック』に挑戦してるなら途中でプロフェッサーと遭遇するかもね」
今莉菜はプロフェッサーって言った?
何で検証ギルドプロフェッサーの名前が出てくるんだ?
いや、それ以前にプロフェッサーが『ゴブリンパニック』に挑戦してるってこと?
え、意味がわからない。
「その様子じゃ蓮は何も知らないみたいだな」
「そうみたいね。蓮ってもしかしてモンスターニュース見ないの?」
モンスターニュース?
最近は中間テストの勉強とブルーにかまってあげるので忙しかったからな。
そういえば、見てないな。
「最近はあんまし見てないかも」
「蓮はゴブリンの最終進化先って知ってるか?」
「ゴブリンの最終進化先?そんなのゴブリンキングでしょ」
「そう、Eランクからは微妙って言われてるあのゴブリンキングの筈だった。でも、『ゴブリンパニック』には未確認ゴブリンが多数出現してる。だからプロフェッサーが慌てて調査に乗り出しているのよ」
「噂ではギルマスかサブマス、もしくは幹部クラスが調査に乗り出しているとか」
「え!?ギルマスかサブマス、それか幹部クラスが!!嘘でしょ?」
「いや、これはマジの話だ」
「この前、モンスターニュースの一面を飾ってたわよ」
プロフェッサーのギルマスとサブマスって確かAランクのプレイヤーだよね。
幹部クラスでもBランクのプレイヤーって聞いたことある。
そんな世界的にもトップクラスの実力者がたかだかEランクダンジョンの調査に乗り出しているとかどうなってるの。
「そういえば、今になって思い返せば見たことも聞いたこともないゴブリンがいたような…」
「マジかよ!?どんな感じだった?強いのかそのゴブリン」
「私も気になるわね。教えてくれる?」
「えっと第一層のエリアボスがゴブリンナイトで第二層ではゴブリンソルジャーやゴブリンファイターと遭遇したよ。あと、第二層のエリアボスのいるボス部屋近辺と思われる場所でホブゴブリンガーディアンっていうのと戦ったね」
第一層で道中戦ったのは普通のゴブリンだったし、そこは言わなくていいでしょ。
思い返すとゴブリンナイトとかから聞いたことないモンスターなんだよな。
「ふーん。実際の強さはどうなの?ぶっちゃけ強いの?」
「うん、十分強いと思うよ。ゴブリンナイトなんてブルーのディバインシールドを一撃で割ったしね」
「マジかよ!?タッグEトーナメントで無双してた防御スキルが一撃!?どんな攻撃力してんだよ」
「あれディバインシールドって言うんだ。でもあれを一撃か。エルナもスターバーストならできるかな?」
何か莉菜が不穏なことを口にしている。
そんな簡単に割られたらたまったもんじゃないよ。
ブルーだって今まで無双していたスキルだったから呆気なく割られて落ち込んで萎れてるんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます