第55話 豚蜜③

 あれから3日間ほど経過して今日は5月8日。

 ここまでずっとLv上げを行って、ハイオークとのバトルも安定して勝てるようになった。

 それだけ剣士ソードマンやライトウルフのLvが上がり、Eランクダンジョンでのバトルに慣れたということだ。

 それにブルーのLvも上がっている。

 これならこのダンジョンのボスモンスターに挑戦してもいいかもしれない。

 今のステータスはこんな感じ。


 ブルー(スカーレットスライム、一般種)Lv1→13

 HP:520→560

 物理攻撃力:26→29

 物理防御力:26→28

 魔法攻撃力:45→47

 魔法防御力:26→28

 素早さ:25→28

 SP:0→12→0

 スキル:プロミネンスアタックLv10→11、ディバインシールドLv4、プロミネンスLv10→11、ファイアボールLv6→7、プチサンダーLv8、鳴神Lv4→5、電光迅雷Lv4→5、フレイムフォースLv3、スカーレットアローLv1→2、プチヒール、火属性耐性Lv1、物理耐性Lv2


 剣士ソードマン(人類種)Lv13→21

 HP:240→280(+120)

 物理攻撃力:16→20(+10→18)

 物理防御力:16→20(+7)

 魔法攻撃力:0(+1)

 魔法防御力:8(+5)

 素早さ:17(+5)

 SP:0→8→0

 スキル:閃撃Lv6→7、風薙ぎLv1→3、カリスマLv1(ダークスラッシュLv1→3、闇属性付与、闇属性強化Lv2→4、状態異常耐性Lv1、デバフ耐性Lv1)

 武器:リヴィングウェポン(HP+60、物理攻撃力+18、物理防御力+4、魔法攻撃力+1、魔法防御力+2、素早さ+5、ダークスラッシュLv1→3、闇属性付与、闇属性強化Lv2→4)

 防具:光狼の盾(物理防御力+3、魔法防御力+3、状態異常耐性Lv1、デバフ耐性Lv1)


 ライトウルフ(一般種)Lv13→21

 HP:270

 物理攻撃力:21→26

 物理防御力:17

 魔法攻撃力:16→19

 魔法防御力:10

 素早さ:21

 SP:0→8→0

 スキル:ライトクローLv5→6、ライトファングLv3→4、シャインダイブLv1→3、プチヒール、プチシャインLv3→4


 リヴィングウェポン(武具種)Lv13→21

 HP:60

 物理攻撃力:10→18

 物理防御力:4

 魔法攻撃力:1

 魔法防御力:2

 素早さ:5

 SP:0→8→0

 スキル:ダークスラッシュLv1→3、闇属性付与、闇属性強化Lv2→4


 ここのボスモンスターは蜂蜜大好き、ハニーオーク。

 ダンジョンの名前である『豚蜜』はこのボスモンスターからきている。

 具体的にどういうモンスターなのかは知らない。

 ただ、一つ言えるのはそれなりに強いらしい。


 ボス部屋に入ると大きな樹にしがみついているオークがいた。

 俺たちが入ってきたことに気づくと幸せそうな顔が一転して激昴する。


「オデの蜂蜜奪う奴許さない」


 蜂蜜を奪いに来たと勘違いしてるし!

 ドライアドの時も思ったけど、こういう設定なのかな。

 この3体で挑む最初のEランクダンジョンボス戦。

 まずはブルーを主軸にして戦おう。


「ブルー、電光迅雷。剣士ソードマンは閃撃、ライトウルフはプチシャイン」


 ブルーには近接戦をメインに担当してもらう。

 剣士ソードマンとライトウルフは一撃もらえば瞬殺の可能性もあるので、距離を取って遠距離攻撃に集中。


 ハニーオークはブルーが雷を纏い高速で突っ込んでいるのに対して、相変わらず樹にしがみついたままだ。

 その状態でなんと魔法を使ってブルーを迎撃しに掛かる。


 樹にしがみついたまま戦うの!?

 それで戦えるのかな?


 意外と言うべきか、攻撃の密度が高く、電光迅雷を発動したブルーですら近づけない。

 あの超スピードを持ってしても掻い潜れない攻撃密度。


 なるほど。

 事前に情報収集した時に道中に出現するオークはEランクダンジョンにしては弱いけど、ボスは強いと囁かれていたのが何となくわかった気がする。

 これは厄介だけど、勝ち筋は見えた。

 ライトウルフが鍵になるな。

 でも、そこはブルーもいるし問題ない。


「ブルーはとにかく攻撃を続けて!剣士ソードマンとライトウルフは待機」


 まずはブルーにとにかく攻撃させる。

 ハニーオークに常に攻撃してくるから迎撃する必要があると印象付ける。

 ブルーも俺と同じ勝ち筋が見えているのか、縦横無尽に動き回り、魔法を撃ち合っている。


 ブルー、ハニーオークともに一歩も引かずに魔法を撃ち合っている。

 それでも両モンスターの力が拮抗しているからか、互いに攻撃が届かない。

 未だ両モンスターはダメージ0。


 これでいい。

 この状況を作り出すことが最初で最後の難関だった。

 でも、ブルーならきっとできると信じた。

 このままの状況を維持したまま剣士ソードマンとライトウルフは待機だ。

 何れその時が来る。


 既にどれだけの時間が経過したか。

 ブルーとハニーオークは先ほどからずっと魔法を撃ち合っている。

 もうハニーオークはブルー以外のモンスターが眼中に無いようだ。


「今だ。ライトウルフ、シャインダイブ!」


 ここまで最初以外、ハニーオークに対して何もしてこなかったライトウルフが遂に動く。

 光を纏ったライトウルフは相変わらず樹にしがみついているハニーオークに頭から突っ込んだ。

 ブルーに意識がいき、ライトウルフの存在が頭から消えていたハニーオークはこの奇襲に対応できず、吹き飛ばされた。


 遂にハニーオークが樹から手を離した。

 そして、両モンスターの中で初めてのダメージを負った。


剣士ソードマンって指示さなくても理解してたか」


 ブルーだけでなく、剣士ソードマンも俺の作戦を理解していたみたいだ。

 ハニーオークが樹にしがみつくのは何かしら意味があるのだと思った。

 だからそれを引き剥がそうと考えた。

 そして、それができるのはブルーを除いたらライトウルフのシャインダイブだけ。


 思った通りだ。

 ハニーオークを樹から引き剥がしたら攻撃がやんで、ブルーの攻撃が一方的にハニーオークに直撃する。

 そして剣士ソードマンは樹に戻ろうとするハニーオークの進路に立ち、それを妨害する。


 剣士ソードマンの攻撃は闇属性が付与されている。

 ハニーオークも樹に戻るとこを邪魔する剣士ソードマンに反撃するが、ダメージはブルーとライトウルフのプチヒールで即座に回復する。

 時間が経つにつれて、ハニーオークはデバフ、状態異常でどんどん弱体化していく。


 途中、ハニーオークが狂乱モードに突入したけど、戦局は揺るがなかった。

 それもこれもブルーが剣士ソードマンと交代してハニーオークを足止めしていたからだ。

 さすがに狂乱モードのハニーオークを単独で足止めするのは剣士ソードマンには荷が重かった。


 そうして、ハニーオークは再び樹にしがみつくことはなく、倒された。

 もし、樹から引き剥がさなかったら魔法の嵐が永遠と飛んできたことだろう。



 こうして時間は流れ、遂に5月11日タッグEトーナメントの日を迎える。

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