第53話 豚蜜①

 昨日、『追憶の回廊』をクリアした。

 そしたらブルーに潜在解放という強化イベントが起きた。

 その後、特殊条件を満たしたとのことで、進化をしてスカーレットスライムに進化した。


 今日からはEランクダンジョン『豚蜜ぶたみつ』に挑戦する。

 このダンジョンにはオークしか出現せず、エリアも一つしかない。

 Eランクダンジョンの中では難易度が極めて低い。

 その為、Eランクに昇格したばかりのプレイヤーがモンスターのLv上げに使うことが多いらしい。


 ここではブルーのLv上げだけでなく、剣士ソードマンやライトウルフのLv上げも兼ねている。

 久しぶりに剣士ソードマンやライトウルフを召喚して戦う気がするな。

 何か今から楽しみになってきた。


 白黒モノクロホテルから徒歩5分の場所に『豚蜜ぶたみつ』はある。

 ここは一応、白黒モノクロモールという名前のショッピングモールとして一般客に利用されている。


 白黒モノクロ学園をはじめとした白黒モノクロ系列は日本だけでなく、世界各地にある。

 その大元となる親会社は世界的有名な白黒モノクロ財団。

 白黒モノクロ財団を知らない人は存在しないと言っても過言ではないレベルの企業だ。

『 Let's Monster Battle』でプロを目指しているプレイヤーの殆どは白黒モノクロ財団とスポンサー契約をしたいと夢見ている。

 ただ、それが叶うのは白黒モノクロ学園の卒業生で且つ優秀なプレイヤーだけ。


 例えば、12神序列1位の新垣輝夜とか。

 エースモンスターのアテナは正真正銘の世界最強のモンスター。

 人類種が最強種の竜と同じくらいに強くなる可能性があると証明してみせたのもこの人だ。


 さてと、気を取り直して白黒モノクロモールの中にあるEランクダンジョン『豚蜜ぶたみつ』に挑戦しますか。

 早速、中に入ると1体のオークと遭遇した。

 このダンジョンは序盤に出てくるオークは武器や防具を持っていない。

 なので、そこまで強くない。


「ブルー、スカーレットアロー。剣士ソードマンは閃撃、ライトウルフはライトクロー」


 1体しかオークはいない。

 なので、集中攻撃で仕留めにいく。

 まず、炎の矢がオーク目掛けて飛んでいく。

 正面からの攻撃だったので、簡単に躱されたが、時間差で放った剣士ソードマンの閃撃が直撃。

 大したダメージにはなっていないが、そこをすかさずライトクローで追撃。


 ブルーもライトウルフへ攻撃がいかないように電光迅雷で距離を詰めて、オークの注意を引いている。

 見事に高速で迫るブルーに意識を持っていかれて、ライトウルフの追撃が直撃。

 この時、一瞬だけどライトウルフに意識がいった。

 それが命取りだった。

 そのままブルーの電光迅雷が決まり、オークを撃破。


 うん、序盤はオークが1体しか出ないと情報にあったし、このままLv上げを兼ねてバトルするか。

 それにしてもバトルの軸はやっぱりブルーだな。

 ブルーを中心に組み立てないと剣士ソードマンやライトウルフの物理防御力では数撃でやられかねない。


 それからも序盤のエリアでオーク1体と戦い続けた。

 途中、敢えてブルーを戦いの軸から外して剣士ソードマンとライトウルフ主体でもバトルしてみた。

 ダメージを負ったら基本的にブルーが回復魔法を即座に使う。

 ブルーのプチヒールがクールタイムに突入している時はライトウルフが使う。

 やっぱり安定とは程遠い結果だった。

 ヤバくなったらブルーに介入してもらって何とかしたけど、大きな欠点が浮き彫りとなった。


 剣士ソードマンとライトウルフは使える攻撃スキルが少ない。

 剣士ソードマンに関しては、リヴィングウェポンを装備しているおかげで闇属性の攻撃ができて、デバフや状態異常を付与できるが、闇属性の攻撃スキルが使えるとかではない。


 ライトウルフもライトクローとライトファング、プチシャインが使えるけど、それでもEランクダンジョンを戦っていくには心許ない。

 Lvが低いから苦戦しているというのもあるけど。

 これはブルーの時もそうだったけど、一般種のモンスターをはじめとして多くのモンスターにあるあるの問題だ。

 プレイヤーランクが低い時はいろいろと不足しがち。

 ただ、スキルの数を闇雲に増やしてもプレイヤーランクが上昇した時にスキルLvが低くて大変な思いをすることになる。

 このバランスが難しい。


 とりあえず、今の俺はポイントを13,000ほど持っている。

 殆どブルーに使っちゃったから無いんだよな。

 ここは思い切って剣士ソードマンに物理攻撃スキルの書とランダムスキルの書一つずつ。

 ライトウルフとリヴィングウェポンにランダムスキルの書を一つずつ使おうと思う。


 タッグEトーナメントに向けてブルーに使うべきかもしれないけど、潜在解放や進化で新たにスキルを取得している。

 今はそれをしっかりと使いこなして、スキルLvを上げることに専念したい。

 それに今後のことを考えて剣士ソードマンとライトウルフに先行投資だ。


 それぞれのモンスターにスキルの書を購入して使った。

 その結果がこれだ。


 剣士ソードマンに物理攻撃スキルの書を使ったら風薙ぎを取得した。

 それからランダムスキルの書でカリスマを取得した。

 風薙ぎは物理風属性攻撃スキル、威力25。

 カリスマは特殊スキルで効果は味方モンスターのステータス上昇、スキルクールタイム低下。

 スキルLvが上がれば効果上昇。


 ライトウルフはランダムスキルの書でシャインダイブを取得した。

 シャインダイブは物理光属性攻撃スキル、威力20。


 リヴィングウェポンはランダムスキルの書でダークスラッシュを取得した。

 ダークスラッシュは物理闇属性攻撃スキル、威力15。


 剣士ソードマン(人類種)Lv11→13

 HP:220→240(+100→120)

 物理攻撃力:16(+10)

 物理防御力:14→16(+5→7)

 魔法攻撃力:0(+1)

 魔法防御力:8(+5)

 素早さ:17(+5)

 SP:0→2→0

 スキル:閃撃Lv6、風薙ぎLv1、カリスマLv1(ダークスラッシュLv1、闇属性付与、闇属性強化Lv1→2、状態異常耐性Lv1、デバフ耐性Lv1)

 武器:リヴィングウェポン(HP+40→60、物理攻撃力+10、物理防御力+2→4、魔法攻撃力+1、魔法防御力+2、素早さ+5、ダークスラッシュLv1、闇属性付与、闇属性強化Lv1→2)

 防具:光狼の盾(物理防御力+3、魔法防御力+3、状態異常耐性Lv1、デバフ耐性Lv1)


 ライトウルフ(一般種)Lv11→13

 HP:250→270

 物理攻撃力:21

 物理防御力:15→17

 魔法攻撃力:16

 魔法防御力:10

 素早さ:21

 SP:0→2→0

 スキル:ライトクローLv5、ライトファングLv3、シャインダイブLv1、プチヒール、プチシャインLv3


 リヴィングウェポン(武具種)Lv11→13

 HP:40→60

 物理攻撃力:10

 物理防御力:2→4

 魔法攻撃力:1

 魔法防御力:2

 素早さ:5

 SP:0→2→0

 スキル:ダークスラッシュLv1、闇属性付与、闇属性強化Lv1→2

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る