第31話 蜂の魔巣⑥
狂乱モードに突入するのはダンジョンの
特に何かが強くなった訳でもない、
エルナとカーラは先ほどまで行われていた空中での攻防でスキルがほとんどクールタイムに突入している。
その為、ブルーとコンが主体となってここからは戦う。
ステータス面では既に本来の
それに加えて状態異常が付与されているので、スリップダメージもある。
油断できる相手ではないが、これならブルーとコンだけでも何とかなりそうだ。
「ブルー、プロミネンス、ファイアボール!」
「コン、狐火!」
今まではかすりもしなかったブルーとコンの攻撃がここで直撃する。
カーラの付与したデバフにより、素早さが下がっている影響だ。
キュイィーーーーーー!!!
ここで俺たちを散々苦しめた巨大竜巻がブルーとコンを襲う。
しかし、これもまたデバフの影響で威力が落ちており、ブルーのマジックシールドを貫くことすらできない。
それにしても、まさかあの巨大竜巻をマジックシールドだけで防ぎきれるとは…。
ちょっとこれは予想外かな。
ダメージを少しでも抑えようと思ってたら防ぎきれちゃったよ。
うーん、でも1つ問題があるんだよな。
ブルーもコンも遠距離から攻撃できるスキルがクールタイムに突入している。
これでは空を飛ぶ相手に攻撃を与えられない。
「エルナ、プチファイア、プチシャイン!」
「カーラ、プチダーク、ダークウェーブ!」
なんとここでエルナとカーラが攻撃に参加する。
どうやらクールタイムが明けたスキルで攻撃してくれたみたいだ。
闇魔法は当てれば当てるだけ、デバフや状態異常の付与で相手を弱体化できる。
ここまでくるとエリアボス相手とはいえ、負けることはないかな。
序盤はピンチもあったけど、何とか切り抜けられたな。
このバトルでブルーにできることはもうないかな。
あとはエルナとカーラが決めてくれる。
デバフで魔法防御力も低下している
「エルナ、ロックオン、フレイムランス!」
「カーラ、ナイトメア!」
エルナとカーラ、2体のモンスターから放たれた必中効果付きの攻撃。
この攻撃で
最後はあっさりと倒せたが、これもカーラが地道に闇魔法を当てて、デバフや状態異常を付与し続けたからだ。
もし、途中でカーラが倒されていたら勝てたかどうかも微妙だったと思う。
とにかくギリギリの勝利だった。
まだ第1エリアのエリアボスとのバトルでこれだ。
第2エリア以降のエリアボスも同等の強さだと仮定しても最奥のボスモンスターは絶対にこれより強いよな。
でもまあ、今は素直に勝てたことを喜ぼう!
「やりました!」
「よっしゃー!」
「ふうー、何とか勝てたわね」
「うん、みんなのおかげで勝てたよ」
「とりあえず、時間的にも今日のところはこれで解散ね」
「そうですね。各自、帰ってから獲得したポイントを使ってモンスターを強化して明日に備えましょう!」
「ほんとそれ。コンの攻撃スキルを増やさないとこれから先のバトルについていけない気がするよ…」
「いや、それを言ったらブルーもだよ…」
バトルに勝利したことを喜ぶムードが一転、ちょっとしたお通夜みたいに暗くなった。
何が原因かはわかりきっている。
「はあ、各自獲得したポイントでモンスターの課題克服に専念すること!エルナやカーラにだって課題はあるんだから。これは『遊楽園』攻略に必要なことなんだから!」
「莉菜の言う通りですよ!カーラも危うく倒されかけましたし…。これからもっと強くなればいいんですよ!」
これからもっと強くなればいいか。
そうだよね。
ちょっと難しく考えすぎてかな。
帰ったら獲得したポイントでどうブルーを強化するかを考えないと。
その後、俺たちは明日、再びこの場所に朝9時に集まることにし、解散した。
モンスターたちは仲睦まじく、和気あいあいとしていたので、解散することに断固反対したりもしたが、各自で何とかした。
プルン、プルプル、プルン!
楽しくはしゃいでいた所を邪魔されたせいかブルーの機嫌がすこぶる悪い気がする。
この後、ブルーの機嫌を直すのに3時間も掛かるとは夢にも思わなかった。
これからはブルーの機嫌を損なうことは極力しないようにすると心に固く誓った。
今日、あの後獲得したポイントは
恐らく、エリアボスとのバトル時に倒した
あれ100体もいたんだ…。
あとは
合計で10,000ポイントの獲得か。
それなりにポイントあるな。
とりあえず、新しい攻撃スキルが欲しい。
ブルーの場合、物理よりも魔法攻撃スキルかな。
となると魔法攻撃スキルの書を購入するのがいいかな。
これ1つで10,000ポイントなんだよな。
※魔法適正のないモンスターには魔法攻撃スキルの書は使えません。
うーん。
でも『静寂の魔巣』の第1エリア以降を攻略すればポイントはまた貯まるよな。
ならそこまで気にしなくていいか。
よし、魔法攻撃スキルの書を10,000ポイント使って購入しよう。
購入したらこれをブルーに使う。
『ブルーに魔法攻撃スキルの書を使用しますか? はい いいえ』
もちろん「はい」を選択する。
『ブルーは鳴神を取得しました』
鳴神、魔法雷属性攻撃スキル 威力35
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