第17話 新入生代表トーナメント1回戦
遂に今日から新入生代表トーナメントの本戦が始まる。
今日は1回戦、明日2回戦が行われる予定だ。
準決勝と決勝は明後日行われる予定。
俺は1回戦第1試合からの出場。
対戦相手は
この人のことは全くと言っていいほど何も知らない。
俺と同じ白黒学園の1年生でもクラスが10クラスあるから他のクラスの人のことは全然わからない。
同じクラスの人でもまともな知り合いなんていないのに。
本戦は白黒学園のバトルスタジアムで行われる。
あのバトルスタジアムで!
低ランクのプレイヤーはバトルスタジアムでバトルすることは不可能と言っても過言ではない。
バトルスタジアムは諸々の事情でBランク以上の高ランクプレイヤーが出場するトーナメントとかでしか使われない。
Bランクに満たないプレイヤーのトーナメントは小規模のバトルアリーナで行われる。
その為、今日このバトルスタジアムでバトルができるのは凄いことだ!
今からテンションが上がる!
「緊張してるな、鬼灯くん」
「二階堂くん。これが普通だよ。だってあのバトルスタジアムでバトルできるんだよ!俺みたいなエンジョイ勢からすると奇跡だよ!」
「エンジョイ勢……。そっか、まあでもそこは人それぞれだよな」ボソ
「ごめん、今何て言った?」
「ああ、ちょっと独り言。気にしなくていいよ」
その後、二階堂郁斗と一緒に白黒学園バトルスタジアムに行く。
バトルスタジアムの控え室には既に他のプレイヤーもいた。
時刻は午後3時50になった。
昨日、指定された集合時間だ。
「予選大会を突破したプレイヤーの諸君、新入生代表トーナメント本戦出場、まずはおめでとう!この本戦は予選大会とは違い、多くの観客がいる。未来の高ランカーを今の内に発掘しようと考えている高ランクギルドとか。まあ精々気張ってくれ!」
そう、この新入生代表トーナメントは低ランクのプレイヤーが出場する大会とは思えないほどに観客が入る。
このトーナメントで活躍して後にプロプレイヤーとして活躍している人もいる。
特別プロを目指している訳ではないけど、それでも気合いが入る。
それにしても学園長先生テンション高いな。まるで別人みたい。
そして遂にバトルの時間に。
「それでは時間になった為、1回戦第1試合を開始します。プレイヤーはゲートより入場を!」
俺は入場ゲートからバトルスタジアムに入る。
うおぉぉぉぉ――――――!!!
ものすごい熱気だ。
とても低ランクプレイヤーが出場しているトーナメントとは思えない。
これがバトルスタジアム…。
「さあ、両者準備はいいか?…よし、OKだな!それでは早速1回戦第1試合いってみよう!」
『1回戦第1試合 バトルSTART』
目の前にバトルSTARTのウインドウが表示される。
バトルスタジアムでの記念すべき最初のバトルが幕を開ける。
「出でよ、ブルー」
「来い、レックス」
バトルフィールドには2体のモンスターが出現する。
凶悪な顔をちらつかせる一般種恐竜型のモンスター、ティラノサウルス。
赤く丸い球体のモンスター、スライム。
ぱっと見どちらが強そうに見えるかは一目瞭然。
スライム?
スライムで予選を勝ったのか?
白黒学園はいつの間にかそこまで落ちぶれたのか?
2体のモンスターを見た観客席がざわめいている。
しかし、そんなのはお構いなしにバトルは始まる。
「レックス、火炎弾!」
「ブルー、マジックシールド!」
レックスはブルー目掛けて口から火の弾丸を吹く。
それに対してブルーはマジックシールドで魔法障壁を展開しレックスの攻撃を完全に防ぐ。
「プロミネンスで反撃だ」
まさか防がれるとは思っていなかったのか、唖然としているレックスにプロミネンスが直撃する。
そこでレックスが怯んだ隙にプチサンダーを追加で浴びせた。
ギャオォォオ――――――!!!
立ち直ったレックスが雄叫びを上げる。
その目はもう油断はしないと物語っている。
バトルはここからが本番ということだ。
「レックス、フレイムクロー」
「プロミネンスアタックで迎え撃て!」
レックスは炎を纏った右手でブルーを引き裂きにかかる。
ブルーも炎を纏い、正面からぶつかる。
両モンスターの激突は全くの互角!
互いに攻撃を相殺し合う形となり、大きく後方に弾き飛ばされた。
「ブルー、プチサンダー!」
「はぁ?」
後方に弾き飛ばされながらもブルーはプチサンダーでレックスを攻撃する。
この状況下で攻撃をしてくるとは思っていなかったであろう藤森翔は驚きを隠せなかった。
「ブルー一気に畳み掛けろ!プロミネンス」
今がチャンスと捉え、一気に畳み掛けようとプロミネンスを放つが、ギリギリのところで躱される。
そして、レックスのカウンターをもろに受ける。
「レックス、火炎弾。それから距離を詰めてフレイムクロー」
初撃の火炎弾こそ回避できたが、次撃のフレイムクローを回避することはできなかった。
観客席でバトルを見ていた人全員がこう思っただろう。
スライムにしては奮闘した。
よく頑張った、と。
しかし、すぐにその考えは浅はかだったとここにいる誰もが気付かされる。
「プチヒール」
レックスのフレイムクローが直撃した為、残りHPが1割ほどだったが、回復魔法で全回復する。
まさかスライムが回復魔法まで使えるとは思わないだろう。
バトルスタジアムにいる誰もがその異様な光景に目を奪われた。
回復魔法を使えて且つ単独で戦えるモンスターはかなり貴重で低ランクプレイヤーで持っている人は皆無と言えるだろう。
万が一にも持っているとしても召喚石で運良く天使を召喚できた場合に限る。
それを一般種最弱モンスターであるスライムがやってのけた。
この場にいる誰もが己の目を疑った。
そう、藤森翔もまたその異様な光景に目を奪われてしまった。
それが命取りだった。
「プロミネンスアタックからのプロミネンス」
HPを回復させてすぐにまだ近くにいるレックスに向かってプロミネンスアタックを放つ。
プロミネンスアタックが直撃し、そのままゼロ距離でプロミネンスがレックスを襲う。
ギィヤァァァ――――――!!!
「プチサンダー!」
最後はプチサンダーが直撃してレックスのHPを削りきる。
この瞬間、1回戦第1試合の勝敗が決した。
それは誰しもが予想だにしなかった結果。
『レックス DOWN』
「決まったぁぁぁ――――!!!1回戦第1試合、勝者は鬼灯蓮!!」
その後行われた第2試合以降の結果はこの通りだ。
第2試合、
第3試合、
第4試合、
第5試合、
第6試合、
第7試合、
第8試合、
これにより、2回戦の対戦カードが決まった。
第1試合、鬼灯蓮VS鈴木岑守
第2試合、谷口有栖VS姫島莉菜
第3試合、紫藤綾音VS二階堂郁斗
第4試合、大津優奈VSオリヴィア・ブラウン
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新入生代表トーナメント本戦 トーナメント表
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