硝子色のジュリア


 ジュリアの瞳は、いつも綺麗。


 名前通りに、宝石のように輝く。


 硝子色の透き通った瞳をしているから。


 とても綺麗で、私の愛する貴女の瞳が開いた瞬間、驚いたわ。


 貴女のお父様と、手を取り合って喜んだもの。


 勿論、それ以外でだって貴女は美しいわ。


 白雪のような、色が抜けたような真っ白な肌も。


 その肌に負けず劣らず白く儚い、白銀の髪も。


 顔立ちも、睫毛も、四肢も、何もかも、全て。


 美しくて、可愛らしくて、本当に愛おしい。


 ああ…貴女は私達の、唯一無二の宝者。


 けれど、その瞳が少し人とは違うことを、貴女が少し成長した時に知った。


 私のお友達と貴女を会わせようとした時よ。


 不思議なことに、貴女にはそのお友達が見えなかった。


 不思議に思って、貴女の瞳を覗き込んだ時に驚いたわ。


 その、硝子色の瞳の中に、その人はいなかったのだから。


 私は目を擦って、その人の方を見た。


 けれど、居る、確かに目の前に居る。


 なのに、その瞳の中にはいない。


 明らかに、異常。


 でも、貴女と友達、どちらがおかしいのかしら?


 調べてみたわ、その瞳のこと。


 そうしたら、不思議ね。


 悪い人は、貴女の瞳に映らない。


 なら、あの友達はもういらない。


 ジュリア、貴女は…なんて素晴らしい才能を持っているのでしょう。


 貴女自身を守ることができる、何て素敵な瞳でしょう。


 ジュリア、ジュリア、私達のジュリア。


 害なすものは許さない、私達の可愛い愛娘。


 貴女の瞳と私達の力で、全てを守ってあげましょう。


 ただただただただ愛してる。


 


 


 


 


 



 

 


 

 

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硝子色の瞳 三毛栗 @Mike-38

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