S級魔道具職人!男♂を連れた女♀冒険者達がよく来るのだが、俺の職人としての腕を見込んで来てるんだよな?もしかしたら違うとか無いよな?

ハンターシーカーアルゴリズム

S級魔道具職人!男♂を連れた女♀冒険者達がよく来るのだが、俺の職人としての腕を見込んで来てるんだよな?もしかしたら違うとか無いよな?

俺はS級魔道具職人。

客は男女組の冒険者が多い。それも女からの指名のな。理由は不明。


俺は客の注文に応じ魔道具を作る。


若者の部類に入るとは思うんだが、悪くなって来て引退も考えたがドワーフ謹製の澄んだ水晶レンズの眼鏡を運よく手に入れ仕事を続けている。


俺の魔道具は、高度な魔法陣を魔法具に描く為に木目金もくめがねという特殊技法を使う。


色合いと種類の違う金属板を重ね融着させた後、ノミにて魔法陣を掘り込み叩いて仕上げた金属板にて魔道具を作り上げる。


通常の魔道塗料で魔法陣を描き込んだ魔道具と違い、金属の色合いで描いた物ゆえに、炎や水の魔法をものともしない。


つまり俺の作る魔道具は圧倒的な頑健さを備える逸品である。


冒険者や騎士達などの荒事を生業にする奴らから人気があると思う。

木目金は美しいため、美術品として買う貴族さえいるし。


俺の腕は良い。だがたまに不安になることがある。


本当に客は、俺の腕を見込んで来てくれているのかと。




呼び鈴の音が鳴る。


「おーい、出来たか職人!」


俺に魔道具を注文した冒険者の男♂と女♀のPTがやって来た。

筋骨隆々イケメンのA級に少し暗い感じの魔法使い。


「待ってろ」


熱い炉の前で作業してた俺は返事する。

半裸であるが着替えるのも面倒なので軽く汗を拭くとそのままタオルを肩に掛け急いで工房から店へ出る。


俺は対面は苦手なのでさっさと済まそうと店へ出た。


「「ひっ!!!!!!」


言葉にならない声を上げて棒立ちになるA級。

……あ、

工房から急いで来たから接客用黒眼鏡を掛けずに、普通の眼鏡を掛けたまま出て来てしまった! 


俺は、滅茶苦茶、ドチャクソ、空前絶後、超絶凶悪に目つきが悪い。

ならず者も俺と目が合うと震え上がって逃げだす!


ギルドに初めて納品しに行った時、目の合った受付嬢が気絶した。


素材を集めに森に入ったときにドラゴンと出会った時も、視線が合うと同時にドラゴンが逃げ出したくらいの凶悪さだ。子供時代なんか思い出したくもない。


俺は凶悪と言われる狼の獣人じみた容姿シルエットで、凶悪な感じの少し猫背な高身長細マッチョ。

それが超絶凶悪な目つきと眼鏡が合わさると皆同じ事を言う。


『鬼畜眼鏡』と


だが、さすがA級。


俺が奴の注文した魔道具を持ち近づいても踏み留まっている。


……と俺を見上げたA級♂が呟く


 「き、鬼畜眼鏡!!!!!!!」


俺は思わずA級♂を追い詰め壁ドンする。


「ああっ!!!?俺がそのあだ名嫌いな事は仕事請ける時言っておいたよな!」


「ひいぃぃぃ!済みません!」


横を見ると女♀魔術師が眼福な感、上気した顔で荒い息をついている。


「どうぞ続きを!!!!」


「いや何をするってんだよ!」


何時もの俺の店での風景である。

客は俺の商品を求めて来てるんだよな?


またしても不安になる俺だった。

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