高校二年生の佐々木明路(あける)。 彼女は登校途中にある階段がいつも気になっていた。 雨の日に通ると、そこに血痕が浮かび上がって見えるのだ。 祖父の形見の腕時計をつけたときだけ、霊が見える彼女だが、その階段でだけは、何もつけずとも、不可思議な現象が起きていた。 道端のものに気を取られると、向こうの世界に引っ張られるという祖父の教えを守り、何も見まいとする明路だったが――。
3月25日に更新