第7話 ブレーキから煙りが・・・

 馴染みのカメラ店が開催した『とある渓谷での撮影会』での出来事!


 何処からか安く借りてきたらしい古いマイクロバスで、撮影会の目的地に向けて国道1号線を快走?中、何だか焦げ臭いニオイが車内に入って来るではありませんか。   


 「何か変なニオイがしないか?」と一人が言うと、車内の仲間も同様に焦げ臭いニオイを感じ始めました。


 「おーい、運転手、変なニオイがするぞー!車止めろ止めろ!」とAさんが叫び、

車が路肩に止まりました。


 車を降りてみると、タイヤのブレーキ辺りから煙りが出ているではありませんか。


 ブレーキが故障してブレーキがかかったままの状態になっているようで、摩擦熱で煙とともに焦げ臭いニオイが出ています。


 結局、その場での修理不能らしく、マイクロバスは乗り捨てるか、何処かに預けるしかないらしい。


 「昨日整備したばかりだと言っていたのになー。どうしようか?・・・」と周りを

見渡します。


 「遠くに車屋の看板が見える。近くにレンタカー屋があるかもしれない。ちょっと行って聞いてくる。」とBさんが歩き始めました。


 まだ、このころは携帯電話が普及して無かった時代です。


 そのため、他にもあと一台のマイクロバスを含めて何台かが、渓谷を同じように目指して走っていたのですが、うまく連絡がとれずに困りましたね。


 しかしこのときは、本当に運が良かった。


 Bさんが目指した車屋さんは、レンタカー屋も併設していたらしく、全員が乗れるだけのレンタカーが、無事確保出来てしまったのです。


 余分にかかった費用は全てカメラ店が負担してくれましたが、スケジュールは狂い

大幅に遅れての、てんやわんや。


 運の悪い人は撮影会が終わったあとも、レンタカーの返却、壊れた古いマイクロバスの回収修理手配など・・・大変な目に遭ったそうです。


 ちなみに、馴染みのカメラ店の行事では、二度と安い古いマイクロバスは借りなくなりました。


 故障の心配がない、新しいマイクロバスを借りたほうがいいですものね。



※それからしばらく経った後、いつの間にか馴染みのカメラ店は撮影会などの行事を開催することも無くなってしまいました。


 運良くなのか?写真仲間のF1さんが大型免許を持っていたのですよ。


 それ以降、20名程の多人数で写真撮影旅行をするときには、F1さんがマイクロバスを借りて来て、運転もしてもらうのが常となりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る