第6話 古~いランクル
写真仲間の一人、吉チャンさんが、古い古い昭和40年代のランドクルーザーを、フルレストアしました。
駐車場に放置したままで、廃車にせず税金だけ払っていたが、確実に10年以上乗ってなかったと思う、とのことでしたね。
吉チャンさんはランクルのフルレストア前には、前期TE47型のトレノをフルレストアして乗っていたこともあったので、中々の旧車好きさんです。
せっかくフルレストアして、ランクルが走るようになったのだから、このランクルで1度だけでいいから、山の撮影旅行に行きたいと言うのですよ。
今回だけとの条件で仕方なく了解し、予定変更して吉チャンさんのランクルとF1さんのハイエースの2台で、出かけることにしました。
ところがこのランクルは幌仕様で、左右のドアが無くて横棒1本だけ、ドアのカギなんて当然ない、とってもシンプル?な状態でした。
車内と車外を隔てるのは鉄の横棒1本だけ、これで高速道路を走ろうって言うのだから、ちょっと怖いものがあります。
挙句の果てに中央高速道路を走行中に、みぞれ混じりの雨まで降ってきちゃって、寒いのなんのって。
横を大型車が走ると、タイヤが巻き上げる水しぶきが、身体に直接かかるんだから参りました。
吉チャンさんがサービスエリアで、慌てて簡易ドアを取り付けましたよ。
皆「あー、カゼひかなくてよかった!初めから簡易ドアを付けろよっ!」て大笑いしましたっけ。
久しぶりのマニュアル車でクラッチを踏むのも疲れたとのことで、吉チャンさんから「ランクルの運転を替わってくれ」って言われ、頼まれてしまいました。
仕方が無いので、皆で休憩ごとに順番で交代をしながら、目的地の乗鞍の民宿まで走りましたよ。
古い古いランクルは、今時の乗用車とは、スイッチ類の操作方法が全然違う。
パワステなんて付いて無いから、ハンドルは重たい。
クラッチもアシストが無いから、やはり踏みにくいし重い。
車体は路面のギャップでポンポン跳ねるし、直進安定性なんて全くない。
当然、カーナビもカーステレオも無くて、AMラジオだけ。
後ろからハイエースで付いて行くと、ランクルがエンジンブレーキを掛けたときには、ガソリンの生ガスがそのまま排気管から出てくるらしい。
だから、後ろに付くと、ガソリン臭くてたまらないなど、色々とありましたね。
でも6気筒キャブレター仕様のF型ガソリンエンジンは、フルレストアで吹け上りも良くて、中々快調でしたよ~。
たぶんですが、キャブレターのセッティングは、吉チャンさんが自分でされたのだろうと思います。
昔はその道のプロだったらしい人ですので・・・
無事に走り切れましたが、こんなに車の運転で苦労したのは久しぶりでしたよ。
つくづく『今の車は運転が楽だ』と痛感しました。
※吉チャンさん、定年退職して年金暮らしになったため、ランクルと今時のオートマセダンの車2台所有は、流石に維持費が大変になったとのこと。
おまけに腰痛で、ランクルのクラッチを踏むのが辛くなったとのことでしたね。
だからか、せっかくフルレストアまでして綺麗に直したのに、ランクルは旧車好きの知り合いに譲る形で、手放してしまったそうな・・・
先日、街中で違う方が運転する古い古いランクルを見かけたので、今も使われていることに、少し嬉しくなりましたよ。
https://kakuyomu.jp/users/ALICE1961/news 近況ノートもご覧あれ
https://kakuyomu.jp/users/ALICE1961/news/16818093075509276620
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