白いのが自慢なんです

かなたろー

白いのが自慢なんです

 フレンチブルドッグの毛色は、一般的には4色と言われている。


 ブルドックとおなじ、茶色い毛並みのフォーン。

 黒毛、もしくは黒毛の中に茶色の毛が交じるブリンドル。

 白毛ベースに、ところどころに黒いブチが入るパイド。

 そして、白一色のクリームだ。


 我が家の愛犬、フレンチブルドックのハッサクの毛色はクリームだ。


 ただ、厳密にはフレンチブルドックの毛色には「クリームという毛色は無い」とも言われている。

 白地に薄茶色がはいるため『ハニーパイド』または『フォーンパイド』と呼ばれているのだ。


 事実、毛色が完全に真っ白のフレンチブルドックは珍しく、大体は薄茶色の毛並みがところどころにまざっている。


 我が家の愛犬ハッサクも、白毛の中にようく見ると背中にごくごく薄い茶色の家がまじっている。


 けれども、我が家の愛犬ハッサクは、限りなく全身クリームと言ってもいい。


 特に冬場と、季節の変わり目で抜け毛が酷い春の間は、必ずと言っていいほど服を着せているから、はたから見ると完全な白一色に見える。

 そして、それがちょっと、我が夫婦にとっては誇らしいことだったりする。


 散歩をしていると、結構な確率で、


「あら、真っ白、カワイイ♪」


 と、道行くおばさま方や、子供からお褒めの言葉をちょうだいするのだ。


 なかでも嬉しかったのが、毛色が白一色のウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(イギリス原産の小型犬)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2

 の、その名も「シロちゃん」の飼い主に、


「まあ、とっても白いのね! うちのシロよりも白いわ!」


 と、言われたときだった。

 そんな、白いことをことさらと褒められる我が家の愛犬、ハッサクだが、最近、歳のせいか、短い尻尾の毛がハゲてきて、てっぺんがピンク色になっている。


 さすがに、尻尾は剥げていことについて言及してくる人は少ないのだけれども、散歩中のワンちゃんと遭遇したときに、ハゲたピンク色の尻尾を、高速にピコピコとふっている姿が、夫婦にとっては、たまらなく愛おしいのだ。


 ピンク色の尻尾が、密かに自慢だったりするのだ。

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