第13話
前世の経験では、鍛冶技能の習得が、今後の応用力に大きな影響をもたらすことが分かっている。
鍛冶技能の習得のため、鍛冶屋に丁稚奉公だ。鍛冶屋に就職してみると、武器の需要が意外と多い。馬車用の板ばねとかも製造されているが、大量の鉄を使うので価格が高く、あまり普及しているとは言えない。一部の高級馬車のみだ。・・・まあ、牽くのは厳密には馬ではないけど。
鍛冶屋では主に道具製造技術を学んだ。鍛冶屋では基本的に薪を使っていたが、石炭は使われていなかった。石炭の存在は周知されていたが、鉄がもろくなるとして使われてはいなかった。鉄がもろくなる理由は、石炭に含まれる硫黄分なので、蒸し焼きにして硫黄を飛ばせば、鍛冶燃料として使用可能なことを示し、喜ばれた。蒸し焼きの際に発生するガスを燃やしてから水に通し、硫酸の製造にも成功した。
硫酸は、そのまま放置すると危ないので、海辺の貝殻を拾って溶かし、石膏に加工した。石膏は壁材として有効で、彩色性も良いので、これも商売にになった。
石炭を蒸し焼きにしたコークスは、燃焼温度が高いので、鉄の製造に向いている。
さて、海辺があり貝殻もとれるからわかるとおり、この地方は海に面している。転移後、数千年もたてば様々な探検隊が周囲を探索しており、探検岩塩窟とかもあるらしい。塩は必要だが、主に海塩が使用されており、岩塩は採掘の手間もあり、あまり人気がない。
この地域だが,四季もあり、冬は寒い。となれば、熱い風呂に入りたくなるもので、風呂釜を製造した。細い銅管も用意し、瞬間湯沸かし器もどきも作った。ここで水道が欲しいところだが、ポンプがないので水圧調整ができない。幸い滝があったので、滝に背の高いタンクを設置して自然流下を利用して水道システムを用意した。
水道が用意できれば給湯器と合わせて熱いシャワーとかも利用可能となる。
これで石鹼を用意すれば、前前世と類似の環境が整う。
石鹸は体を洗うほか、洗濯にも使われるようになり、人気商品となった。
ポンポン蒸気で船を自走式にした。船が自走式になると、遠洋漁業も始まり、食卓が豊かになった。ポンポン蒸気は据え付ければ使えるので、これも人気商品になった。
ポンポン蒸気は構造が簡単なので、あっという間に類似品が作られ、瞬く間に広まった。
今では蒸気エンジンの付いてない船など見かけないほどである。
エンジンが発明できれば、船の大型化は留まるところを知らない
巨大な漁船も登場し、魚が世ににあふれ、調理の仕方も発展した。
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