第12話

さて、次の転生だが、今度は魔法が使いたい。

結局転生してからじゃないとどんな世界かはわからないので、えいやで選ぶしかない。

とりあえず、神界らしいところに降り立って、記憶保持用の分身を作っておく。

で、下界に降りて、裕福そうな妊婦さんの胎児に憑依する。

これで準備完了、生誕を待つのみだ。

5歳程度で、前世の記憶を取り戻した。予定通りである。

5歳までの人生で、いくつか分かったことがある。この世界には魔法がある。学校的なところもあって学ぶところがあるらしい。伝説では、敵に襲われ、もはやこれまでと思ったところで、この世界に唐突に放り出されたらしい。おそってきた敵も、その他の人々も何もいない世界にほうりだされたので、これこそ神の恩寵と信心深い人が多くあった。

魔法についてもそうだ。この世界に来てから魔法が使えるようになったことから、魔法も神の恩寵であるとの考えが主流となった。

伝説ではこの移動は数千年前の出来事らしい。

自分たち以外が消え、交易相手もいなくなったため、一時期深刻な食糧難にもあったようだが、幸い森の恵みもあり、家畜化も進み、農耕ができる作物も増えてきた。

鉱物資源も採取できており、金、銀、銅などの貴金属類や鉄と言った有用金属の採掘もおこなわれている。

意外と貨幣経済も発展している。親にお使い頼まれたりしてるしな。八百屋、肉屋、雑貨屋という感じか。

雑貨屋には卵や牛乳、小麦粉などが、売っている。小麦粉は厳密には小麦では無い様だが、似たようなもので、代用されている。

家畜類も、似たようなもので代用されているようだ。おかげもあって、前々世にある基礎的なものは一通り揃うようだ。

あと特筆すべきはこちらにはダンジョンがあって、ダンジョンから資源を持ち帰る、冒険者と呼ばれる職種もあるようだ。

まあまだ子供だし、今後のことはゆっくり考えよう。

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