第9話

汚れ落ちがいいと石鹸は評判になった。硫酸の製造には数日かかるので、生産性は高いとは言えないが、十分儲けは出ている。問題は塩化水素ガスだが、水に溶かして塩酸にして、貝殻で中和して、水に流してしまえばとりあえず問題はないだろう。

塩化水素単体では公害のもとにしかならないからね。

なぜこれが問題にならないかと言えば、塩化水素は他の動植物に害を与えるが、塩酸に加工して、貝殻で中和すると、塩化カルシウムになって水に溶けるようになる。塩化カルシウムは水に溶けると。塩化物イオンとカルシウムイオンに分かれるが、いずれも自然界ではありふれており、特に問題はないだろう。

石鹸は洗濯に使用するほかに、体を洗われることにも使用されるようになった。香料入りの石鹸が、特に人気で、注文殺到で、手が回らない。

仕方ないので、人を雇って、石鹸製造は丸投げすることにした。塩化水素の発生過程が、若干危険を伴うが、石灰を詰めたマスクを支給すれば、危険は薄い。

さて、石油はあったんだから、利用方法を考えたい。ポンプを作りたいが、ゴムがないしなあ。プラスティックを使おうにも製法がよくわからないし。

つらつら考えていたら蒸気エンジン車ということを思いだした。

筒に水を入れて火にかける。水が沸騰して。ピストンを動かす。ピストンの動作制限と、筒の向き変更を兼ねて、はずみ車をつける。筒の向きが変わると同時に水を満たすと同時ににその圧力、圧力は自然流下を使用、で、蒸気と熱水を排除。これをうまく連動できれば、連続運転も可能だろう。

前世のガソリンエンジンの仕組みは覚えてるんで、これを援用して蒸気エンジンに落とし込むというのも面白いかな。

次に車を作ろうというなら、必要なのはベアリングだ。同じ大きさの球状の球を用意しなければならないけど、溶けそうなくらいまで熱して、同じ大きさに切って、水中で冷ませば、大体同じ大きさの球ができるだろう。

多少形がずれていてもかまわない。ベアリングに組み込んでしまえば、動かしていくうちに形が整っていくだろう。

次にサスペンションだな。コイルバネならあまり考えなくてもできそうだ。自動車も良いが、馬車につけるだけでも売れそうだ。

馬車にサスペンションとベアリング。意外と無敵かもしれない。

馬車やにサスペンションとベアリング卸すことでこれはこれでくいっばぐれはない。

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