第6話
そろそろ、神を喰って得た権能を検証しようか。
得た権能はアボーツであった。これは自分のものなら何でも手元に引き寄せられる能力で、他人の物を盗んだりすることはできない。自分のものという自意識が重要なようで、強く思い込めば、他人のものも引き寄せられるだろうが、そこまで物に執着できないたちなので、問題はないだろう。
アボーツの原理として、物を掴んで引き寄せるという動作が必要であることが確認された。そこで、動かしづらいものを利用することで、自分を移動させることもできることも判明した。つまり、物がつかめているということは、空間を超えてものにアプローチできているということなので、つかんだ手を起点に無理やり体を通すことで、つかんだものの場所に行けるということである。
これなら、どこに行っても迷わず家に帰れるということである。目印の杭とか打ち込んで置けば、いつでも途中から始められる。こっちの世界にはダンジョンはないが、ダンジョン探検で役立ちそうな能力である。
この能力を活用すべく、物置小屋を建てることにした。小屋の中に作り付けの棚とか用意して、テレポートの起点として、利用するのである。獲物や道具の一時保管場所として利用するのもいいかもしれない。有限サイズ(小屋の大きさ)のアイテムボックスとおもえば、利用価値も高いだろう。
猟師としての武装は、弓にすることにした。離れた場所でも、弓で仕留めれば、自分の物なので、引き寄せが利く。間違って獲物が崖から落ちても引き寄せれば済むのである。
どこに行っても家に戻れる体制が、整った。
これで獲物を追って遠出しても問題ない。ふと、狸狩られとかいうギャグを思い出したな。
転移後数百年では、村も発展したとはいえ、まだちょっと大きい街レベルだ。
こうなってくると気になるのは、町から離れたところに何があるのかと言ところでしょう。少し離れたところに海があることは知られており、村で必要な塩の供給源になっている。
海は東にあるので、南北西には、山がある。
よし、探検だ。
どうせ簡単に家に帰れるのだから、食事や寝床の心配もしなくていいし、気にせずGOだ。先ずは西に向かおう。真面目に地図を作ろうというわけでもないので、測量とかはしなくていいか。
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