第5話

さて、今世に関する考察も終わったところで、今後の生き方を考えたい。

とりあえず、猟師をやっていれば、くいっばぐれはないだろう。

手に職は当然として、狩猟技術は磨いておく必要はあるだろう。

前世の記憶をもとに、知識チートで成り上がりたいところだが、文化レベルがやや低すぎる。色々覚えてはいるが、この世界の人間にとってはそれがどうしたということになり、尊敬とかスゲェとかにはならないだろう。

知識チートのことはいったん忘れて、猟師としての訓練は続けながら、鍛冶師としての修業を行うことにした。何か思いついても、作れないんじゃしょうがない。

前世の反省から、積極的に女の子に絡んでいくことにした。がっつきすぎると、逆効果なので、ほどほどに。

幸い若いながらも猟師の腕はそこそこで、若手の有望株との評価は頂いた。何となくこっちに気がありげな娘がいたので、アタックしてみた。

無事、彼女ゲット。実質的な婚約者となって、余裕も生まれた。

此方にも四季はあって、冬は寒い。床下に煙が通るようにして、火を焚けば、床暖房の出来上がり。2つ穴の風呂釜を作って、いつでも熱い風呂にはいれるような工夫をした家を建てた。木をくりぬいて、パイプを作って、何とか実現。

ゴムがあればいろいろ捗るんだが、まだ、発見できてないし、そもそもあるのかもわからない。

次は水道が欲しいな。ポンプを使って、水圧をつけて配送するのか、水道の基本構造だが、ポンプが用意できない。やや近場に滝があるので、そこにタンクを置いて、水が溜まるようにしておけば、タンクにたまった水量が、そのまま水圧になる。水圧を用意できれば、シャワーの作成も容易だ。熱伝導性のいい銅で、細いパイプをぐるぐると束ねて、一気に火にかけることによって、瞬間湯沸かし器のようなものも作った。

鍛冶の燃料としては、木炭が使われていた。森があるなら、木炭の製造はそれほど手間でもない。この星は歴史的にはそこそこあるようで、石炭も発見されている。

しかし、硫黄分が含まれるため、鍛冶には向かない燃料として認知されていた。

そこで、木の代わりに石炭を使って、木炭を作る要領で蒸し焼きにして、コークスにすることで、鍛冶燃料として使用可能とした。

コークスは燃焼温度が高いので、鍛冶の効率も上昇した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る