色々なお友達

花森遊梨(はなもりゆうり)

第1話

「へえ、そっちは二人とも18歳?つまり卒業証書もらったのに大学生をやってるスキモノというわけだね」


「もっとマシな言葉選びはないのかな?」

「20歳のアンタは成人したのは肉体だけ、精神面のアップデートは私の自動更新がオフのスマホも同然というわけね」


そんな大学のカフェテラス。


通っている大学で友人ができました。このナイフで斬りつけられたような心の痛みはまさに友人からしか得られないものです。まさに友情と言えるでしょう。


申し遅れたが私は平山珠緒。いろいろあって18で大卒になって大手製薬企業に就職!したのに20歳にもなって会社の命令で大学に頭からブチ込まれている。未成年でハメられてもいないのに結婚して成田で離婚、その後実家に帰って花嫁修行みたいな現状だ。


「萌葱、でもこれはいいニュースかもしれないよ。こんな逆コナンが大手の製薬企業に入れるんだ。私たちにもチャンスがある、今すぐ適当な大企業に履歴書を手に入れてなどと神奈川に帰らずに済むようにするべきだよ」


そう語る紅のパーカーを羽織るボブヘアーに小顔の痩身の名前は赤井丹あかいにいろ私の友人(平山視点)一号だ。


転職活動をうまくやれそう


「無茶言わないでよ!わたしは素っ裸に受験勉強という名のローションを死ぬほど塗りたくって、ようやく狭き門をぬるりと突破して入学したのよ!それから休みなしに人事担当にどんな不適切行為を繰り広げろって言うのよ!」


そう語るコイツは緑田萌葱えにしだもえぎ私の友人2号である(片思いかもしれない)。こちらの格好は緑の革ジャンで髪型は一つ結びとなかなかのものだ。おそらく高校時代はロックバンドでもやりながら、メンバー同士が付き合いだして寿退職を繰り返す中、いつの間にか取り残されてしまった。そんな背景が透けて見える見てくれをしている。


「ね、タマさん。恥を忍んでお願いしたい。

コネで私たちをあなたの会社に入れて欲しい」


「大学を出オチ同然に卒業してクスリにも野菜にも興味がないのに製薬会社に入ったせいで入社2年目で薬学部に犬神家同然に突き刺さっているこの私にコネがあると思う時点でヤバいからやめなさい。もっと大学で教育期間を送るべきよ」


「どうしてもダメなの?多様性を表現するとして裸で人事担当と役員に消費者金融で借りた万札口移しまでは甘んじて受けるから」


「製薬会社に体でアピールはやめておきなさい、その体を活かせる仕事は新型ウイルス由来のゾンビとかリッカーなのがオチだし」


「わたしはいいんだよ。問題なのは萌葱の方。コイツは中高と体を使う仕事をしてきたうえに、受験勉強のやりすぎで間違いなく五月病が永遠に治らない奇病に犯される身の上なんだ。だからそうなる前に規則だからと8時間存在することを強いられて、仕事をやれよと言われて月に一回は金が振り込まれる制度の中に押し込んでおきたい」


「高校からそう言う仕事してたなら面接より先にに性病検査に行きなよ。性病は自然免疫が通じない病気界のイチローとか清原みたいなやつらしかいないし」


「平山さん!誤解しないで欲しいけどね、わたしたちがやってたのは金属解体の仕事だよ。御刀という刀を振るってノロが固まったやつらを…」


こうして色の名前を持ち、別の意味の色も辞さない友人との時間は過ぎていく。


とりあえず、寝て仕事を得るのではなく、サラ・コナーのように寝て教えてもらう方がいい気がする。



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色々なお友達 花森遊梨(はなもりゆうり) @STRENGH081224

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