複数サイト登録のメリット&デメリット

 Web小説を書いていると様々な悩みに遭遇するかと思います。ここからはそれらに焦点を当ててエッセイを展開してまいります。


 皆さんにご紹介した5つのサイトを渡り歩いた私ですが、現在は【カクヨム】と【エブリスタ】をメインに、時々【NOVEL DAYS】にお邪魔するというスタイルで執筆活動を行っております。


「何で複数サイトに登録しているの? 1つだけの方が集中できない?」


 私の活動スタイルに対してこう思われた方は、きっとまだWeb小説を始めたばかりのピュアなお方。そんなあなたの元にも、2年目に突入する頃になるときっと訪れます。「評価の伸び悩み」という恐ろしいアイツが。


 執筆活動を始めてすぐにはPVが伸びませんが、真面目に更新を続けていくと徐々に固定読者さんが付くようになります。そして1年の終わり頃には、あくまでも始めた頃に比べてですが、作品にそれなりのPVと評価点(以下☆)を頂けるようになります。

 そこで作者さんは思い違いをしてしまいます。


「1年目に☆100獲れた作品なら、話題を呼んで2年目には倍の☆200、いや更に倍の☆400くらい余裕でいくんじゃないかしら?」


 いきません。クイズ〇ービー(若い世代が知らない昔のクイズ番組)の最終問題みたいな、「倍率ドン、更に倍」にはなりません。多くの作品が「評価点打ち止め」悪魔に取り憑かれます。

 当時【小説家になろう】で活動していた私も憑かれました。旧作を更新しても、新作を発表しても思うように評価点が伸びないのです。固定読者さんが応援してくれたので筆を折るまでには至りませんでしたが、新規読者さんがなかなか増えず悩みました。

 ついには「(作品が)埋もれちゃう」「見つけて」「ここに居るよ」と、ホラー映画に登場するクリーチャーの如き思考となってしまいました。


 承認欲求のお化けとなった私は、こうしてWebの大海へ漕ぎ出したのです。別の小説投稿サイトなら新しい出会いが有るだろう、そう信じて。

 そしてその行動は案外上手くいきました。【カクヨム】に来て新しい読者さんが付いて下さり、私自身も【なろう】には無かったタイプの作品を見つけて読みふけりました。


 気を良くした私は続けて【アルファポリス】、【エブリスタ】のアカウントをも取得し、一時期は4つのサイトを股にかける節操の無いビッチちゃんとなっておりました。

 結果としてこれは大失敗でした。


 活動サイトが多過ぎると管理が大変。これの一言に尽きます。


 1つの作品に誤字脱字を発見するとですね、4つ全てのサイトを巡回して修正しなくちゃならなくなるのです。

 同時公開の作品なのに、うっかり何処かのサイトで更新を忘れていたり。

 読者さんへの対応もおろそかになりがちでした。


 自分のキャパシティに合わせて本命サイトで誠実に活動しよう、浮気はよくない。そう思い直した水無月でした。


「そんなこと最初に気づけよ、馬鹿」


 そうツッコむ方がいらっしゃるかもしれませんが、私は馬鹿ではありません。ちょっと残念なだけです。

 最終的に気づければ巻き返しができるので大丈夫です。


 決断の早い私は、自分とイマイチ合わないと感じた【小説家になろう】と【アルファポリス】に別れを告げました。

 そして【カクヨム】と【エブリスタ】に根を張り、この2つのサイトで活動を続けていくことにしたのです。


「1つのサイトに絞らないの? まだ浮気してんじゃん糞ビッチ」


 うるせぇ。1つだけじゃ承認欲求が満たされねーんだよ。

 相性が良いと思われるサイトへ移っても、やはり「評価点打ち止め」悪魔は現れるんです。でも複数サイトに登録しておくと、どちらかで感想が届いたり☆がググーンと増えたり、何らかの変化が訪れるので執筆活動がマンネリ化しないで済みます。

 おまけにサイトによって開催されるコンクールが異なるので、自作品の特色に合ったコンクール・審査員に出会える機会が増えちゃいます。

 そして何かをやらかして、神である運営様にアカウントをBANされても他サイトで生き延びられます。


 複数サイト登録はメリット沢山です。

 ただし前記したように活動サイトが多過ぎると、キャパオーバーで自分が追い詰められますので、活動サイトは2つ、多くとも3つまでに収めておいた方がいいでしょう。

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