トランクス派? ブリーフ派?

かわなお

第1話 無知な子供だった

いつの時代でも通用するネタとして、トランクス派かブリーフ派かを尋ねたりするけど、アレって僕にとっては恐怖ネタの一つだったりする。


というのも、中学生の頃の僕は、トランクスというものを知らなかったからだ。


見た目は短パン。

海水パンツも同じ感じ。


だから、ブリーフをパンツと認識し、トランクスは短パンだと思っていた時期がありました。


そのため、ブリーフの上にトランクスを履き外出するという、恐怖。


幸いなのかどうかわからないが、青いトランクスだったからバレなかったんだと思う。(たぶん)


もしこれが都会だったらアウトであろうが、うちは田舎であった。


まだ子供だったことから、見逃されただけかもしれないが、やはり今考えれば悶絶ものだ。


友人からも注意されなかったし、誰も教えてくれなかった。


ただ、そんなことを何度か繰り返していても、いずれは知ることとなる。


『トランクスはパンツであると』


それは友人たちとの何気ない会話から始まった。


「おれ、ブリーフからトランクスに変えたんだよね」


「あっ、俺も。なんつうの、ポジショニングを気にしなくていいから、楽でいいよな」


「へえ~、そうなんだ。オレも変えよ!」


そんな話を聞いていた僕は、冷や汗ダラダラ。


『僕に話を振らないで』と思っていたけど、そう思い通りにはならないものだ。


「お前はどっちだ?」


そう尋ねられ、僕は両方ですとも言えず、「う~ん、まだブリーフかな」と答えるに止めた。


誰も僕に突っ込みは入れてこないから、あの姿には気づいていなかったのだろう。

下にブリーフを履いていたから、嘘ではないはずだ。


そのことに僕は安堵し、この事実は墓場まで持っていこうと決めたのだが、いまそれを暴露しているけど、もう時効だよね。


トランクス姿で出かけていたら、今なら間違いなく捕まる。


無知な子供だったということで、大目に見てください。






そして僕はあの日以降、これは外で履けるものなのか悩む生活を送っている。

もしかして、これはインナーかも。

そう考えると、怖くてジーパンばかりを履くようになってしまっていた。


これこそが僕の黒歴史。

時々、思い出しては悶え苦しむ、悪の根源だ。


本当に公開して大丈夫なのだろうか……。


 

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