劇物的終幕ってたとえばどんな作品だろう？　と考え始めて気づきましたが、僕はそもそも最終巻や完結まで作品を追うことがあまりありませんでした。
　読者・視聴者に批判された終幕の代表格というと、『新世紀エヴァンゲリオン』のTV版最終話や旧劇場版になるでしょうか。個人的には、旧劇場版はアリだと思いますが、TV版はさすがに……と思います。でも、批判するのは目一杯楽しもうとした後にすべきだし、閉じ方が悪くても作品全体を否定するのは良くない、ってことでしょうね。それは確かにその通りだと思います。人に薦めるときは、新劇場版を先に紹介しましたが(笑)

＜追記＞
　思い返すと、本作の趣旨とずれていますね。すみません。本作で言われているのは、謎や伏線を投げっぱなしにして勢いや雰囲気だけで乗り切る幕切れ、一般受けはするかもしれないが、熱心なファンは不完全燃焼で取り残されるような幕切れですものね。
　これを言い始めると、僕が真っ先に思い浮かべるのはなろうアニメなのですが、最近のなろうアニメは惰性でだらだらした話が続いて山場もなくそのまま幕切れになることも多いようなので、アニメ最終回が盛り上がったならそれだけでマシという印象があります。

　とはいえ、物語とは誰に何を届けるものなのかを考えたとき、ガバや矛盾点はそれ自体としては実はそこまで致命的な不備ではないのかもしれない、という気もしています。不備はないに越したことはありませんが、あっても別に構わなくて、整合性を犠牲にしてでも読者・視聴者の心を揺さぶることができれば勝ち、という考え方もあるのではないかと思います。
　本作で言われていることはそういうことにも通じるのかな、と思いました。