第11話:蛇の化身ラミア。

どうやらこの先にはラミアと言う怪物が棲んでいるらしい。

エレンネルが言ったラミアと言うのは 実はエレンネルの母親メデイアの

魔法によって半人半蛇の怪物に姿を変えられてしまったおぞましい怪物なのだ。



ラミアは美しい女性の上半身と蛇の下半身を持つ怪物。

今ではラミアは男性を誘惑して喰らう悪霊の総称とされているのだ。


リアムはペルシャディーに頭を叩かれたおかげで正気に戻っていた。


「幻覚なんか見せやがって、承知しないぞ!!」


「たぶんラミアの仕業でしょ」


「そいつ、悪霊だってやつ?」


「だね」


「さてラミアを倒さないと先へ進めないと言うわけね・・・やっかいね」


「私に任せてください」


そう言うとエレンネルはメデイアに変身した。


メデイアに変身したエレンネルは杖を構えて森の奥に向かって歩いて行った。


「出てきなさいラミア」


すると奥の方から上半身が女性下半身がヘビのラミアがいきなり木の上から

降りてきた。


メデイアに変身したエレンネルを見てラミアは眉をひそめた。


「メデイア」


「ラミア・・・ここを通しなさい・・・」


「くそっなんで、おまえがこんなところに・・・」

「この森に何の用だ・・・」

「私を蛇に変えただけじゃもの足りずに、また私をいたぶりに来たのか?」


「いいえ、私たちはこの森を抜けたいだけです」

「どきなさい・・・通さないと一生蛇女のままで過ごすことになりますよ」


「たのむ魔法を解いてくれ」


「ここを無事と通れたら考えてあげましょう」


「んんんん・・・え〜い、しかたない・・・勝手に通っていけ・・・」


そう言ってラミアはすごすごと引き下がった。

エレンネルは通るすぎる時、ラミアになにかを渡した。


「これを飲めば元の姿に戻ります、もう人を餌食にするのはやめなさい」


一行は急ぎ足でラミアの縄張りを通り抜けた。


「エレンネルがいなかったら、全員ラミアに食われてたかも」


リアムが額に汗しながら言った。


「エレンネルさんに来てもらっていてよかったです、ありがとう」


ピアスも彼女にお礼を言った。


「お役に立ててよかったです」


「さっきの下半身が蛇のおばさんも元は美人さんだったんだろうな?」


「なに言ってんのリアム・・・」


「素朴な疑問だよペルシャディー」

「大丈夫だって・・・イヤらしい気持ちで言ったわけじゃないからな」


「たしかにラミアさんはもともと美人さんだったんですよ」

「あの方も可哀想な人なのかも・・・」

「元はある方の寵愛を受けてたんれみたいだけど、私のお母様とはライバルだった

みたいです。

ひとりの男性を争ったあげくラミアさんが私のお母様に負けた形になって

あの姿に変えられてしまって・・・もうとっくに死んでると思ったんですけど」

「この森の深くで人を食らって生きてたんですね・・・」


「エレンネル・・・さっき、蛇のおばさんに渡してた、あれなに?」


リアムはさっきエレンネルがラミアに何か渡したことが気になったみたいだ。


「適当に渡した偽物のお薬・・・あれでは元の人間の姿には戻りません」


「え〜バレたら蛇のおばさん怒るよ」


「したかないです、彼女を人間の姿に戻せるのは、お母様だけですから」


「さ、先を急ぎましょ、早く森を抜けないと・・・」


「俺、なんかまだ夢を見てるみたいだ・・・」

「もしかして幻覚から覚めてないんじゃないか?」


リアムは言った。


「もう一回、杖で頭ドツいてあげようか?」


「むやみに人の頭、叩かないでくれる?」


「カドゥーケスもたまには使わないいけないでしょ?」


「間違った使い方してるよ」


「さ〜さ、この先も何があるか分からないから気をつけていきましょ」


「無視かよ」


つづく。

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